スズキのムニエルとちり蒸し

釣りのステッカーとTシャツの音海屋
スズキの美味しい季節

スズキといえば、すぐに涼しげな「洗い」を連想するように、夏が旬。その理由のひとつには、夏場は刺身に最適な白身魚が少ない上に、スズキは日持ちが良く、味も変わらないからだ…と聞いたことがあります。真意のほどはさておき、寒くなってから釣れるスズキは、ほどよく脂が乗って夏とは異なる旨さ。特に55~60cm前後の良型ハネはとぉ~っても美味です。頑張って釣ってね。

ムニエルの作り方

ムニエルとは、フランス語で粉をひく水車「ムーラン」からついた名前で、粉屋風という意味。一般に小麦粉をまぶして、バター焼きにする料理のことを云います。魚の周囲に薄い膜ができるので、旨味がそっくり生かされます。スズキに限らず、いろいろな白身の魚で作れます。ヒラメはもちろん、タイ・イサギ・タチウオ・タラ・アイナメ、キスやベラも美味。いろんな魚でお試しください。

  • 魚を三枚におろします。腹骨をすき取り、身の中央に残った中骨を骨抜きで抜きます。皮は引かずに残しますが、ベラの場合は取った方がいい…
  • 魚が小さい場合は片身のまま、大きい場合は切り身にし、塩・コショウを振ります。魚の身全体に小麦粉をまぶし、余分な粉を払い落とします
  • フライパンにバター適量を熱し、バターがプクプクと泡立ってきたら魚を入れて、両面をカリッと香ばしく焼きます。ひっくり返し過ぎないようにね
  • 別鍋にバターを入れて火にかけ、茶色に色づくまで熱して香ばしいバターソースにします。バターの量は人数分を適当に
  • お皿に魚を盛りつけます。魚の上から熱いバターソースをジュッとかけ、仕上げにパセリのみじん切りを散らします。輪切りにしたレモンも添えてもいいね

小麦粉の膜がバターでカリッと焼けて、中の魚はしっとり美味しく焼き上がれば最高です。小麦粉は薄く付けるのがコツ。火加減は最初は強火で、周囲に膜ができたら中の弱くらいにしてください。

調理する前に魚をしばらく牛乳に漬けておくと、魚の臭みを抜くことができますが、釣りたての魚なら必要ありませんね。

ソテーとソース

焼き方やソースひとつで、いろいろなバリエーションが楽しめます。ソースの場合は、基本のバターソースに醤油やネギの小口切りを加えて和風味にしたり、トマトやバジルでイタリアン風にしたり。また、定義からすればムニエルではなくソテーになると思いますが、たっぷりのオリーブオイルで焼いたり、ローズマリーやタイムなどのハーブを使って焼いても美味。ハーブは香り付け以外にも、肉や魚の臭み消しとしての効果もあります。鉢で栽培できますからベランダでも大丈夫。数種あると便利だよ。

レモンバターソース(3~4人分)
魚を焼いた後のフライパンに、白ワイン1/2カップを入れ、中~弱火で焼き汁とよく混ぜ合わせます。レモン果汁大さじ1/2を加えて、火を止めます。これにバター大さじ6を少しずつ加えてソースを作ります。

梅肉ソース(3~4人分)
スープ(固形スープの素1/3個・水2/3カップ)と酒1/3カップを弱火で煮立て、ブールマニエ(小麦粉とバター同量をよく練り混ぜたもの)大さじ1強を加えてとろみをつけます。裏ごしした梅干し大さじ1・砂糖小さじ1/2を加えてよく混ぜ合わせます。好みで青ジソを細かく刻んだものを加えます。

ちり蒸しの作り方

さてもうひとつ、これもスズキの美味しい食べ方です。ポン酢でさっぱりいただくちり蒸しは、ちり鍋のミニ版といったところ。茶碗蒸しと同じように、一人分ずつ器に盛りつけて蒸します。材料に直接熱が当たらないので、風味や栄養分を損ねることなく、素材自身の旨味がそのまま生かされています。季節の野菜を入れれば甘みがプラスされますし、蓋物の器を使えば、蓋を開けたときに立ちのぼるふわっとした湯気が、豊かな気分にしてくれます。タイやチヌ、カワハギ・ガシラなども美味。

  • スズキは三枚におろして腹骨をすき取り、身に残った中骨を骨抜きで取り除きます。皮は残して切り身にし、振り塩をして30分ほどおきます
  • だし汁1/2カップに、酒1/2カップ・塩小さじ1/4を入れ、蒸し汁を作ります。割合は3~4人分目安ですので、人数に合わせて調整してね
  • 昆布の汚れをふいて器に敷き、魚と一緒に豆腐や椎茸・ネギ・麩など、お好みの具を形良く盛りつけ、用意しておいた蒸し汁をはります
  • 蒸気が充分たった状態の蒸し器に、盛りつけた器を入れ、10~12分くらい蒸します。強火で蒸しますが、魚の大きさによって火加減してください
  • 蒸し上がったら器の蓋をして、ネギ・紅葉おろしの薬味とポン酢を添えて食卓へ。熱々をいただきましょう~身体も心も暖まりますよ

蒸し始めの温度が低いと、生臭い仕上がりになるのでご注意ください。お酒の割合を多くしたり、蒸し上がったあと、少量のユズを天盛りにしてから蓋をすると、風味が増します。別茹でした三つ葉や、春菊をあしらえば彩りも華やか。また切り身にした魚を、塩少々を入れたお酒に10分ほど漬けてから蒸す、という方法もあります。酒蒸しに近い味になりますので、お好きな方はお試しくださいませ。蒸し物は間接的な熱で調理しますから、魚の形が崩れることがない!というメリットも有りよ。

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