オモリを使いこなそう
ウキ釣りを始めるとまず悩むのがウキにつけるオモリです。大体重量がグラムとかに統一されているとわかりやすいのですが、昔ながらの尺貫法をそのまま使っていますから、??となります。ついでにいうと糸の太さを表す号数も元々は尺貫法です。しかしガン玉は○BとBBとかいいますし、割シズ(=割ビシ、噛みシズ)は小とか大とか書かれています。まずはこのハードルを乗り越えましょう。
オモリの重量換算表
上にも書きましたが、いわゆる号数で表示されたオモリ重量は尺貫法ですから若い方には馴染みがないでしょうし、1号以下は小とか中とかファジーです。ガン玉にいたっては十進法でも重量単位でもありませんから、お手上げですね。
メーカーによっても、やや重量に違いがあります。素材としての鉛は「原価が高いから重量精度はいい加減だ」という話を聞いたこともあります。ここでは一般的に用いられていると思われる重量表を参考にしてみましょう。
細かい数字なので覚えきれないでしょうし、覚えられなくても釣りができないわけではありません。しかし将来的にはBとG2との関係など相対的な格差を頭に入れておかないと、ウキの微調整や段シズを打つときなどに困ります。
はい、一目瞭然ですね。ちなみに号数表示による1号は3.75グラム、昔の尺貫法の1匁(もんめ)です。筆者が小さいとき、よく母親に「トンコマ100匁買っておいで!」と、カツオ君のようにお使いに行かされたものです(古い~)。これは十進法ですから1号さえ覚えれば後は簡単です。
とりあえず、この表を縮小コピーでもして、ウキケースやオモリケースの裏にでも貼っておきましょう。必ず釣り場で役立つはずです。
オンス表示も覚えておこう
最近では、ルアーフィッシングの普及に伴ってオンス表示のオモリ(=シンカー)も用いられています。鉛害を考慮してタングステンシンカーも使われるようになってきています。タングステンシンカーだと体積が小さくなるので、仕掛けを落とすのが速く潮流の影響を比較的受けにくというメリットもあります。ただし高価なのが難点です。
1オンスは「1oz=28.35g」ほぼ30g、とりあえず「2oz=60g=15号」と覚えておけばよいでしょう。
オンス(oz) | グラム(g) | オモリ号数 |
---|---|---|
1/64oz | 0.443g | 0.1号 |
1/32oz | 0.886g | 0.2号 |
1/16oz | 1.772g | 0.5号 |
1/8oz | 3.544g | 1号 |
1/4oz | 7.088g | 2号 |
5/16oz | 8.859g | 2号 |
3/8oz | 10.632g | 3号 |
1/2oz | 14.176g | 4号 |
1oz | 28.35g | 7号 |
オモリ選択の方向性:カミシズからガン玉へ
近年、釣りの専門化細分化がすすみ、ウキについてもアイテムの増加だけでなくそれぞれの浮力バリエーションが多くなりました。磯のグレブームの影響からか、従来のカミシズに替わってガン玉による浮力表示がスタンダードになっています。ですから今後ウキ釣りを先行しようとなさっている方は、ハリスに打つオモリについてはガン玉オモリを使うべきです。
棒ウキや深釣りでは号数表示が基準
しかし、棒ウキや道糸に付ける中通しオモリについては号表示がスタンダードですから、使い分ける必要があるでしょう。いわゆるフカセ釣りでは軽いガン玉オモリ中心、棒ウキや深釣りでは0.5~1号以上の丸玉オモリをよく使いますから、B表示と号数表示の相関関係を知っておく必要があります。
ウキではなくオモリが先、勘違いしないこと
よく勘違いする人がいます。仕掛は底から決めるのです、上から決めてはいけません。つまり3Bのウキが使いたいから3Bのオモリを打つのではなく、仕掛を馴染ませ希望のタナを取るために3Bのオモリを打つ~そのため3Bのウキを使うのです。大事なことですので頭に叩き込んでおいて下さい。
大きいオモリはタナに合わせて決める
円錐ウキ棒ウキにかぎらず、軽量高感度の市販ウキのオモリ負荷は浮力0~1号せいぜい2号です。浅場にも関わらずもっと大きいオモリ負荷のウキを使うベテランも多いようですが、とりあえず無視して下さい。オモリの選択はまずタナに合わせることを原則と考えるべきです。大体、ウキ釣りでは水深10mにつき1号オモリが必要とされています。10m以上を攻めても好釣果は滅多に期待できませんし、近場ではそのような深場は少ないものです。しかし風が強い日や沖を流すときは大きいオモリを使いたいときもあります。最大2号まで用意しておけば充分です。
ウキのオモリ負荷表示=棒ウキは号数表示が多い
波止でよく使われる棒ウキには号数表示がよく用いられています。大体0.5号から2号くらいのウキが中心です。中には0.3号というようなものもありますし、小型ウキではB~3B、4Bと表示されるものも多くなってきました。近年は全体として高感度を追求していますから、今後B表示されるウキは増えてくるでしょう。
円すいウキはB表示が多い軽いフカセで釣ることが多い
円すいウキは、大体0~4B程度で表示されるウキが多いようです。一般に5B以上の深釣り用ウキになると号数表示されるものが多くなります。市販品だと0.5号、0.8号、1号といったところでしょう。
0,F,G2とは?
通常はBより下のオモリ負荷のウキは0となります。つまりオモリを付けず完全フカセで釣る仕様のウキです。メーカーによっては0と呼ばずF(=フカセの略)と呼称しています。しかし完全フカセではなく、ハリスにごく小さいG2やG5のオモリを打ちたいときもあります。そういうときはG2など小さいオモリ負荷のウキの出番です。結構使い勝手がいいものですよ。
00,000~なんのこっちゃ?
最近は沈ませ釣りといって、ウキを海面下に沈めて魚の居場所を探る釣りが流行っています。0といっても実際はある程度浮力を残す方が、現場ではつかいやすいので、メーカーは少しだけ浮力を残しています。00とはこの余浮力を完全に取り去ったものと考えていいでしょう。ですから波気があったり仕掛けが重たいとゆっくり沈んでいきます。000となるともっとシビアに作られており、オキアミの重みだけでも沈みます。このようなウキは、コマセと完全に同調させようと云う発想から作られたウキで、必ずしも初心者に使いやすいウキではありません。
セッティングの一例 とりあえず管理人の例~
- 2号は磯の本流や沖の深み用、波止では太刀魚用。ミャク釣りにも便利なので入れてある。
- 1号は深釣りが好きなので常用。
- 0.5号は波止で常用している棒ウキ用。浅いタナから深いタナまでとりあえず間に合う重さ。同じ重さの5Bでもいいのだが、この重さだと遠投すると外れることがあるので中通しの0.5号の方が都合がいい。4Bは3B+G2で代用できる。
- 3Bはチヌのタナを攻めるのにいい。2BはB+G4で代用できる。
- Bはフカセの基本。
- ガン玉は小さいものを分散して打つことが多いので、色々な重さを使い分けることはない。3種あれば充分。
- G2は仕掛けを少し馴染ませたいときに使いやすい。
- G4はちょうどB/2B/3B間の格差0.2gに相当する。ハリスに打つとき計算しやすいので便利。
- G6は分散打ちしたり、ウキ浮力の微調整などに使う。
- 8アイテムあることに注意。8仕切のケースなら全部入る。6仕切ならガン玉が全部入る。ねっ!
ベストなオモリセッティングを探せ
上記は私のセッティングですから、必ずしも万人向けではないと思います。合理的だとは思っていますが、その人が常用するウキや釣り場、釣り方で色々なバリエーションが考えられるでしょう。使いたいオモリが決まってくるということは、自分の目指す釣りが見えてくるということです。研究して下さい。
あまり神経質に考えるな!
重量換算表などを見ると、どう選択するかつい真剣になって考え込まれる方もおられるでしょう。しかし実際の現場におけるオモリ(ウキ)選択は、風、糸、流れなどあらゆる影響を考慮して決めます。細かくいうと塩分濃度や水温の違いでも浮力は変化するのです。数字はあくまでもアバウトな目安でしかありません。どんなオモリ使いをするのかが大事なのであって、数字を管理することなど枝葉末節です。ある程度メリハリのある使いやすい重量ラインナップなら、それでいいのです。
ケースは大事!
釣りに馴れてくると、かなりオモリを付けたり外したりします。その時、取り出しやすく使いやすいケースは仕掛作りがはかどるものです。最近では専用のオモリケースや小物ケースがありますので、これはと思うものを購入して下さい。ポケットに入る小さいもので充分です。鉛はとても比重のある金属ですから、収納力のある大きいケースでは重くなりすぎます。薄く平べったいものが使いやすいはずです。中には両面テープがついているものがあります。ガン玉が転がると、開き目が閉じ糸に取り付けしにくくなります。そのための転がり防止用のテープです。フタも多少傷つきにくくなります。
ガン玉を選ぶコツ
銀色のオモリは鉛に錫が入っています。見た目はよいのですが少し固いのです。真っ黒のオモリは鉛の純度が高いものです。これは鉛本来の柔らかさがあるため、割れ目を閉じたときに糸を痛めにくく手でも外しやすいのです。使った経験からするとヨーヅリの柔らかオモリがお勧めです。重量、形状の精度もいいようです。
カミシズ表示のウキなら
それだけでカミシズを買う必要はありません。換算表から近い重量のガン玉を選ぶといいでしょう。カミシズ表示のウキは往々にして余浮力がありすぎる場合が多いので、水に浮かべオモリをぶら下げて適正なガン玉を調べてもいいでしょう。わかればマジックで2Bなどと書いておきます。真水で計りますから、オモリ以外の仕掛の重さは無視して結構です(海水では浮力が高まるため)。