転ばぬ先の杖?
釣りや磯遊びを楽しむ前に、ちょっとひと言。楽しい休日を台無しにしないためにも、ぜひヒントを活かしてくださいね。
安全・快適に過ごすために
必携!バンドエイド
磯や海で怪我をしたり、転んだりした経験はありませんか?大した傷でなくても、海で怪我をすると血がたくさん出ますね。そんな時のために必ずバンドエイドを携帯しましょう。出血も抑えられますし、バイ菌が入るのも防げます。魚のヒレやエラなどで怪我をすることもありますから十分注意しましょう。夜釣り時にケミホタルの付属テープを風に飛ばされた時にも・・・お役に立ちます(笑)
炎暑対策
波止や磯の上は太陽の照り返しで、思っているより温度が上がります。できれば真夏の釣りは避けましょう。気分が悪くなったりボォ~としたり、ひどい時には頭痛や吐き気を伴って熱射病になる危険性があります。どうしても…という人は凍らせたペットボトル飲料を持って行きましょう。一人あたり500ml瓶を2~3本、持参してください。凍らせたペットボトル飲料はクーラーの氷持ちも良くなりますし、冷たくて喉ごしがいいものです。脱水症状を起こす前に、水分を常時補給するよう心がけます。
気分が少しでも悪くなってきたら、できるだけ陰になるところに座り、クーラーの氷をタオルで巻いて首筋に当てましょう。波が穏やかな磯場でしたら、足を海水に浸しているだけでも随分違います。こんなことにならないよう、真夏は波止の夜釣り程度にしましょうね。半夜釣りをさせてくれる磯に上がって大物を狙うのもいいよ。
万一釣り鈎が刺さったら…
釣り鈎やルアーフックの鈎先は、カエシ(=モドリ)と呼ばれる銛状の加工がされていて、掛けた鈎が外れないようになっています。鈎先のカエシが、手や腕に食い込んだりしたら抜けませんから大変!すぐに一番近い病院に行くのがベストです。鈎だけでなく投げ用のオモリが当たっても大怪我になりますから、自分だけでなく周りにも注意しましょうね。
どうしても鈎を抜きたい時は、そのまま鈎先を押し込み貫通させます。体や皮膚から鈎先が抜けたところで鈎先をペンチで切り落とし、刺さった側から引き抜きます。あまりお勧めはできません。
万一毒魚に刺されたら…
ハオコゼやゴンズイ、アイゴ、エイなど、毒針や棘を持っている魚が釣れることがあります。決して手やタオルなどで掴んだりせずに、魚つかみ(大きなハサミの形をした道具)を使用し、鈎は釣り用のペンチなどで注意して外すようにします。ハリスを切ってリリースするのが一番安全ですが、万一刺されてしまったら、すぐに地元の病院に行って手当をしてもらってください。※エイは大きく尻尾の棘が猛毒なので下手に触らず、仕掛けを切って海にお帰りいただきましょう。
TVの釣り番組で、目薬を傷口に付けると痛みが和らぐと聞きましたのでいつも携帯していますが、傷口に棘の先端が残っていることがありますので、念のために病院へ行きましょう。釣りや磯遊びをする場合、事前に図鑑などで危険な生物を必ず確認しておきましょう。前項「危険な魚の見分け方」を参照してね。
保険証の番号を控えておくと助かるときがある
上記のように、急に病院へ行かなければならなくなった時のために、保険証の番号は必ず控えて、お財布の中などに入れておきましょう。保険証をその場に持っていなくても、保険がききましたよ~経験済みです。
寝不足だけは避けよう
釣りの時合いは「朝まずめ夕まずめ」とよく耳にします。朝日が昇る頃・夕陽の沈む頃が、魚の食事タイムということなのですが、その時間に合わせて竿をだすには、夜明け前から釣り場に行かなくてはなりません。遠出をする時や渡船などに乗る時は、早目に計画をたて準備するようにしましょう。
睡眠不足の状態で出掛けると、交通事故の危険性もありますし、第一ウキや竿先に神経を集中できず、釣りになりません。安全のためにも、釣行前夜はいつもより多めの睡眠時間をとるよう心掛けましょう。
船酔いと闘う!
船酔い防止策
海は山と同じで天候が変わりやすく、風が強くなるだけで波が急に高くなったりします。いつもは船酔いなんかしないのに~という人でも、海が荒れれば青い顔になるのは当たり前。船酔いすると釣りはできなくなるし、同行者に迷惑をかけることにもなりかねません。
予防のためにも、乗船前には酔い止め薬を忘れずに飲んでおきましょう。船釣りや筏・カセ釣りの時は一度試してみてくださいね。子供専用もありますよ。
酔うメカニズム
船を含め『乗り物に酔う』とはどういう状態をいうのでしょう。家庭医学書によると、乗り物の動揺や振動に対する身体の不適合現象とあります。これを動揺病と云い眠気・倦怠感・めまい・顔面蒼白・冷や汗・生唾・吐き気・嘔吐といった症状がおきます。
人間の身体がバランスを保てるのは、耳の奥にある三半規管の働き、ということはご存じのとおり。この三半規管のほかに前庭器という器官があり、相互作用で身体の傾きなどを脳に伝えています。ところが、船や車など揺れる乗り物に長時間乗っていると、乗り物の動揺や振動によって、三半規管や前庭器の耳石器が刺激を受け続けることになり、自律神経や脊髄神経に悪影響を与えます。これに目の運動刺激も加わって、乗り物酔いになるというわけです。つまり…
- 乗り物の動揺や振動からの影響を極力受けないようにする(座席の位置など)
- 自律神経を不安定にする要素を取り除く(睡眠不足・酔いに対する不安感など)
- 脊髄神経を圧迫しないようにする(悪い姿勢・身体を締めつける衣類など)
- 視覚の混乱を避ける(乗り物での読書・コンピューターゲームなど)
以上のことをクリアすれば、乗り物酔いを防ぐことができそうですね。
具体的な予防策
それでは、上記項目をクリアするためには、具体的にどうすればいいのでしょうか。ここからは課題である『船酔い』に、的を絞って考えていきましょう。
乗船前夜の心構え・・・
夕食時には食べ過ぎ飲み過ぎにならないよう注意します。翌朝胃がもたれたりしないよう、油の多い物も控えた方が無難です。また、できるだけ睡眠を多くとりましょう。疲労回復にもなりますし、眠れなくても横になって目を閉じ、身体も神経もリラックスさせるつもりで休みます。寝不足も過労も船酔いの大敵ですからね。
乗船当日には・・・
乗船時には満腹感も空腹感も感じないくらいになるよう、時間を考えて朝食は軽めに取ります。酔い止め薬も忘れずに飲みましょう。薬によって効きだす時間などに違いがありますので、取説を読んで正しい時間に服用します。酔い止め薬にはドリンクタイプもあります。衣類は、ぴったりしたハイネックやウエストのきついものは避け、身体を締めつけないものを着用します。ベルトも緩めにしてくださいね。膝や腰回りにタックの入ったワークパンツや釣り用のズボン、スポーツウエアなどはお薦めです。女性の場合、締めつける下着類はできるだけ避けたほうがいいでしょう。ポイントに着いたら竿を延ばすだけになるよう、乗船前に仕掛けを作っておきましょう。揺れる船の上でガイドに糸を通したり、仕掛けを結んだりすることが船酔いになる第一歩です。
乗船後は・・・
揺れが少なく、船の排気ガスが当たらないところに座りましょう。船の重心は真ん中よりやや後方にあります。その重心を支点にして上下に揺れますので、支点の辺りに座るようにします。タバコの匂いに敏感な人は、喫煙者に座席を替わってもらうなど、お願いした方がいいかもしれませんね。
信じる者こそ救われる
予防の第1は、船に慣れること。
予防の第2は、自分は酔わないと自己暗示をかけること。
船酔いには、精神面が大きく影響しています。船酔いしたときの苦しい経験から必要以上に船酔いを意識するようになり、そのため船に乗っただけで、または乗る前から「酔うのでは…」と神経を混乱させてしまっているのです。これこそ自律神経を不安定にさせている大きな要因。体質だからとあきらめないで「自分は酔わない」と強く暗示をかけてみてください。
私は、車にも船にもすぐに酔うタチです。遊園地の乗り物もダメですし、映画を観てても酔うことがあるほど弱いのですが、なぜか釣りをするようになってからは、荒海を行く渡船でも船釣りでも酔ったことはありません。少し気分が悪くなる程度で収まります。これは単に「絶対に酔わない!絶対酔うもんか!」と心で強く念じている所為だと思います。船酔いするとその日一日が面白くなくなりますからね。もちろん酔い止め薬は飲みますが、自己暗示はホントに効果大ですよ。
その他の原因と対策
気分が悪くなってきたら
すぐに酔い止めの薬を飲みましょう。携帯にはロート製薬の「パンシロントラベルNOW」というチュアブルタイプがお薦めです。ヤバイかな~と思ったらすぐに1錠、噛むタイプなので水なしでOKです。トラベルNOWという商品名からもわかるように即効性があり、ミント系ですっ~と気分が快復します。私も気分が悪くなりそうになったらすぐに服用します~これも良く効きますよ。その他に、ミント系のガムを噛む・深呼吸をして呼吸を整える・お茶か水を飲む・ベルトを緩める・胸元やウエストのボタンを外す・遠くの景色を眺める・しゃべったり雑談したりして気分を紛らわせる・歌を口ずさむなども効果があるようです。
酔い止めバンド
「酔い止めバンド」という商品をご存じですか?このバンドには、手首のツボを刺激する突起物が付いていて、精神を安定させるツボを押すことにより、乗り物酔いを防ぐ効果があるということです。釣具店で見たことはありますが、使用したことはないので効果のほどはわかりません。試す価値はあるかも。
船酔い一直線
オマツリをほどいたり仕掛けを作るときに集中して一点を見る・長時間下を見る・船内を歩く・極端に甘い飲み物やスポーツドリンクを飲むなど…が、船酔いにつながる可能性が高くなります。特に柑橘系の飲み物は、胃のぜん動運動に影響を与えるので飲まないようにね。体調をくずしているときも船酔いしやすくなります。
乗り物酔いしやすいタイプ
自律神経が不安定・神経質・貧血ぎみ・胃腸が弱い…といった人に、乗り物酔いは起こりやすいそうです。日頃から体調を整え、リラックスを心掛ければ大丈夫。
酔ってしまったら
残念ながらキャビンで寝るしかありません、お気の毒~。ひどくなるまで我慢せず、釣りを中止して早めに横になって休んでくださいね。
紫外線はちょ~怖い
女性ならほとんどの人が知っている紫外線のあれこれ~皮膚を老化させ、シミ・シワ・たるみの原因となるのは今や常識です。花粉情報同様、紫外線情報を出している天気予報もあります。
春から夏にかけては1年のうちで最も紫外線の強いシーズンですが、紫外線は季節・天候にかかわらず、太陽が出ている時はいつでも降り注いでいます。曇りの日でも紫外線の量は、晴天の日の80~90%あるとのこと。紫外線対策はスキンケアの必須科目ですね。
AM10時~PM2時までが紫外線の最も多い時間帯とされていますが、釣り好きな人はその頃ちょうど海の上。直射日光をガンガン浴びて、照り返しも磯や波止では、町中よりもはるかにキビシイ。潮風も手伝って、肌も髪もダメージを受けます。肌にできたシミを釣りの所為にしないためにも紫外線対策は入念に・・・怠ると悲惨です。
紫外線は徹底的に遮断する
日除けのない釣り場での必需品は、まず帽子。暑さ寒さを和らげてくれますし、紫外線を避けるためにも忘れずに被りましょう。荷物になりますが、折り畳み傘も突然のにわか雨や、厳しい日差しを避けるのに重宝します。
サングラスも、紫外線から目を守るのに必要なアイテム。UVカットのものや、光の乱反射を防いで海中の様子を見ることができる偏光レンズなどがお薦めです。
そして、アウトドアには欠かせないUVカット剤。汗や水に強いウォータープルーフタイプを選びます。ファンデーションやメーク下地をきちんとつけることも、紫外線防止に効果があります。できてしまったシミは紫外線を浴びると濃くなるということですので、コンシーラーなどでカバーするのもお忘れなく。
UVカット剤の選び方
ご存じの方も多いと思いますが、紫外線には肌を黒くし、シミ・シワの原因になる紫外線A波(UVA)と、肌の炎症を招いて、ほてりや水ぶくれ・色素沈着の原因になる紫外線B波(UVB)があります。UVCと呼ばれる紫外線は、オゾン層に遮られたり雲に吸収されたりしてほとんど地上に届きません。
UVカット剤に表示してあるSPF(サン・プロテクション・ファクター)とは、紫外線B波の防止効果を表す数値。紫外線A波を防ぐ指数は、PA(プロテクション・グレード・オブ・UVA)で表示され、+~+++(効果がある~非常に効果がある)の3段階あります。数値が高いほど良いという訳でなく、2~3時間おきに塗り直すことが大切です。
釣行時のUVカット剤の目安として、日焼けしたときの肌状態から、以下をを参考にしてください。
赤くなりやすい人は・・・・・「SPF値50・PA+++」
赤くなったあと黒くなる人は・「SPF値30・PA+++」
黒くなりやすい人は・・・・・「SPF値20・PA++」
帰宅したらメークや汚れをしっかり落とし、美白効果のある化粧水などで、いつもより念入りにお手入れをしましょう。1日外にいたことで、お肌は乾燥し水分を失っています。十分な水分補給と保湿で、シミ・シワなどを作らないように。私の場合は既に手遅れですが・・・
ブヨ(ブト)は怖いぞ
野外レジャーで不愉快な害虫といえば、まず頭に浮かぶのがヤブ蚊、次に、このブヨをあげる人が多いと思います。ブヨは地方によってはブトとかブユとか呼ばれて、忌み嫌われる存在です。
ブユはハエより若干小さく、体長3~5mm程度の吸血性の虫です。幼虫は小川や渓流で育ち、綺麗な水辺を好むため、蚊と違って都会ではあまり見かけません。夏場のキャンプ場や渓流、ゴルフ場で刺された経験のある人は多いはずです。かくいう私も子供の時さんざん刺されています。発生するのが6~7月と釣りのシーズンと重なりますので、釣り人の天敵です。ちなみにブヨに刺されると「ブヨ刺症」と呼ばれ、立派な?治療科目だそうです。
ブユは刺されると猛烈に痒いだけでなく、人によっては激しい痛みを生じたりいつまでも腫れが残ったります。リンパ管炎やリンパ節炎を併発し、歩行困難になるというような症状が出ることもありますので、アレルギー症の人は特に注意しなければいけません。※画像は社団法人日本皮膚科学会からお借りしました。
「げっ!」刺されると・・・
- チクッ!と痛みが走ります。足、特に露出したスネ回りを刺されることが多いようです。靴下をはいていてもお構いなしです(汗)
- 痛みの原因は蚊のように刺すのではなく、囓る!からだそうです。ムカデと同じですね、恐いわ~。
- 囓りますので、当然血が出ます。通常たいした血は出ませんが、ケースによってはかなりの出血が見られることもあります。
- 蚊と違って、その時はあんまり痒くありません。「あぁ~やられたなぁ」というぐらいですが、次の日あたりから、刺された周辺が赤く腫れ、猛烈に痒くなってきます。
- 患部が熱を持ち、しこり(痒疹結節というのだ)ができます。後はひたすらかゆみと痛みに耐えるだけです。1週間ほど続くケースが多いようですが、最悪ではなんと数ヶ月の治療が必要だったという実話もあります。
- 個人差もかなりあるようです。私はブヨに対するアレルギー症状が出ず、たちの悪いヤブ蚊にやられたという程度ですが、友人たちの話では蚊とは比較にならん!というのが相場ですね。小さいお子さん連れのパパは、特に注意しましょう。
対策
半ズボンは辞め、しっかりした生地のズボンを
頭を狙ってくる蜂と違って、足元を攻めるのがブヨの特長ですから、できるだけ、厚手のズボンを履くことです。もっともズボンの上からやられたという話はしょっちゅうですが…
虫除けスプレーを使う
はっきり云ってあんまり効果はありませんが、しないよりはした方がいいのは事実です。虫除け効果の持続時間は短いので、釣りに夢中になりすぎず、まめにスプレーしましょう。
- 木酢液を薄めて塗るといいという話があります(未確認情報)
- ジョンソンからブヨ専用の虫除けが発売されています。
時間帯に気をつける
蚊と同じで朝夕に出没します。特にこの時間帯に気をつけましょう。風が強いときは飛ばされますので、安心です。
刺されてしまったら!
まずは皮膚科で検診を…
症状が激しく出るようでしたら、たかが虫さされと思わず、早い目に検診に行きましょう。アレルギー症状の出る人は、特に要注意です。通常の処方は注射に加えて、抗生物質とステロイド剤、痛み止めといったところのようです。
- 医院へ行こう
私自身はブヨが原因で行ったことはありませんが、夜釣りでゴンズイにやられ、車のハンドルが持てないほど痛みが激しいとき、国立病院の夜間診療で注射一発、嘘のように痛みが治まったことがあります。お医者様は神様です(釣り好きの先生でよかった♪) - 患部を冷やす!
腫れてきて熱をもったら、氷やアイスノンで冷やすと効果があります。 - かゆみ止め?
ムヒやキンカンを塗って痒み・痛みが治まるほど甘くありません。やはりステロイド系虫刺されクリームがよいようですが、乱用には問題がありますので、お医者様に薬を処方してもらうか、薬局屋さんで相談しましょう。
最後に・・・害虫はいやだけれど
ブトは綺麗な水を好みます。ブトがいるということは自然がそれなりに保たれているということでしょう。益虫害虫は人間が決めたこと、地球が決めたわけではありません。賢く上手に共生していきませんか。