美味しいマキエは装備から

釣りのステッカーとTシャツの音海屋
マキエを作ろう

さてウキ釣りにマキエが欠かせないものと云うことは、分かっていただけたと思います。まさに「マキエの切れ目は縁の切れ目」なのです。昨今では人工集魚材の研究が進み、従来の天然コマセとうまく配合することで、色々なシチュエーションや対象魚に合わせて、マキエを使い分けるようになってきました。本章では、マキエを作り携行するためのグッズをご紹介します。基本的なアイテムは波止でも磯でも同じです。

マキエに必要な道具を揃えよう

マキエ釣りの装備には、使い勝手だけでなく釣果を左右するギアもあります。波止釣り専用の道具というのは特にありませんので、磯釣り用の市販品を参考にしましょう。

バッカン

丈夫なビニール性のエサ入れです。大小さまざまなサイズが市販されており、小さいものはサシエ入れから、大は道具入れまで色々な用途に使われています。サイズは幅30cmのものなら#30番と分かりやすい表示になっており、各社共通です。フタ付き、ポケット付きもあります。

サイズとマキエ容量の関係


この他いろいろありますが、45(幅45cm)はマキエを入れるのにはちょっと大きすぎます。車のトランクに入れて道具入れにするのに便利な大きさです。また30より小さくなると、マキエ入れと云うよりはちょっとしたサシエ入れとか、サビキに使うアミエビ入れと考えた方がいいでしょう。お勧めは本格的にやるなら40~36,とりあえずというなら33ぐらいがいいと思います。 購入するときの注意点としては…

材質が厚手で丈夫なものを選ぶ

水を入れても、へしゃげず自立するぐらいしっかりしたものを選んで下さい。最近はEVAと呼ばれる強い素材を各社採用していますが、低価格のものは厚みがないため使い勝手がよくありません。へなへなのバッカンでは丈夫でないだけではなく、とてもマキエをまとめにくいのです(使い慣れるとわかります)。最近は撥水加工をしているものがあります。コマセの汚れが洗い落としやすいのでお勧めです。

フタ付きかフタなしか

フタ付きなら水しぶきや急な雨でも、コマセがびしょびしょにならないので安心です。またある程度臭いをシャットアウトできるので、車のトランクに入れて置いても多少はましでしょう。使い勝手としてはフタがない方が扱いやすいので、好みで決めて下さい。賢い使い方としては、コマセを入れたフタなしバッカンを一回り大きいフタ付きバッカンに収納して携行するという方法があります。これなら隙間にバケツなどを入れていくことができますし、トランクが汚れたり濡れたりするという心配もありません。

シンプルなものを選べ

携行が楽なように肩掛けベルトやサイドに小物ポケットが装着されているものがあります。一見便利なようですが、ことマキエ入れとして使うものならば、シンプルなものにして下さい。バッカンはとても汚れるものですから、使うたびに洗う必要があります。ごちゃごちゃしているものは洗いにくいだけでなく、布ベルトやポケットが臭いの元になります。収納したものもいちいち取り出す必要があります。前述したように、中にフタなしバッカンを入れて二重にするならばっちりです。

ソフトクーラーを使うのなら

磯釣りをする人ではなく、波止でもソフトクーラーを使う方を見かけるようになってきました。冬場は魚の保管に気を使わなくていいので、軽い分楽です。ポケットがあるので小物も収納できます。最近はD社S社とも自社製のソフトクーラーにピッタリ収納できるバッカンを発売しています。サイズ的には上記の表に当てはまらない変形ですが、とても便利です。もちろん単独でも使えます。大手釣具店なら置いてあると思いますし、在庫していなくても取り寄せてくれるはずです。笑魚もD社製を組合わせて使っていますが、文句なしです。

コマセミキサー

オキアミやアミエビのブロックをスライスしたり、集魚材と混ぜ合わせたりするのに使うものです。最近市販されているものは、携行に便利なよう折り畳めるようになっています。解凍しきれていない固いブロックをスライスしなければいけない時もありますので、へらの部分は怪我をしない程度に刃がつけられています。色々なものがありますが、刃の部分は必ずステンレスのものにしてください。私がいままで使ったものの中では、阿波の釣り名人山元氏が製作市販しているものが、一押しです。品揃えのよい釣具店なら入手できると思います。

マキエ杓

何でもいいようで、実はとても大事な小物です。私は竿よりこの杓を重視します。杓に求められるものは、自分の思ったポイントへ正確かつ遠く飛ばせることと、一日振り続けても疲れないバランスの良さです。いい杓に当ると嬉しくなります。

柄の材質

ずばり良質なカーボンが装着されているものを選んで下さい。堅さも大事です。しなりを感じるようなものがよく飛ぶように思われるかも知れませんが、実はコントロールしずらく狙ったポイントを外しやすいのです。手に取った時、がちがちのものでもかまいません。高級品ならいいカーボンがついています。

柄の長さ

魚のポイントが年々岸から遠ざかっていることに比例して、遠投で沖を攻められるよう昔よりずいぶん長くなってきています。飛距離は杓の長さに比例しますが、70cmぐらいになると相当パワーがないと、振り切れなくなります。飛距離により使い分けられるよう、大小2本あるといいでしょう。万一海に落としたときの予備になります。初めてで、これ1本というのならば60cmぐらいが万能で使いやすいでしょう。2本持つのなら遠投用に65cm程度、際用に50cmぐらいのものがあると、とても便利です。

カップの材質

普及品はプラスチックが多いようです。これはあまりお勧めできません。どうしてもコマセがこびりついて飛ばなくなってくるのです。テフロン加工してあるものもありますが、使っているうちに効果が落ちます。素材が柔らかく傷もつきやすいのです。やはりステンレスがいいでしょう。高価ですがチタンの評判がいいようです。

カップの大きさ

同じ杓でも、高級品ならばたいてい大きめのカップと、小さめのカップ二つのシリーズが市販されています。大きめのカップのいいところは杓に入るマキエの量が多いため、横着な釣りができるということです。大量のコマセが必要な夏場の釣りとか、集魚材を一切入れずオキアミだけで勝負する人に向いています。反面、マキエの使用量は増えます。小さいカップのいいところは、ウキの回りに分散して打つなど、小技が使えるということです。ポイントを外したときでも追い打ちしてある程度修正できます。逆にコマセの量が少なくなるので、手返しの早いまめな人向きです。初めてならば大きめのカップを買っておく方が無難です。

握りについて

持ちやすくなるようにと配慮したのか、握りに指の型や投げる方向が分かるように凹みを入れたりしているものがあります。ゴルフクラブや野球のバットに変な細工がないのと同じで、余計なお世話というべきでしょう。手の大きさや持ち方は個人差があるのでかえって扱いにくく、シンプルなものが一番です。売場で持ってみてしっくりくればいいでしょう。プラスチックより木質系の握りが、やはり手に馴染みます。

紛失対策

波止でも磯でも、杓を海に落とすことはよくあります。軽いので強風で飛んでしまうこともあります。なくすと釣りを継続できなくなるので、心配な人は尻手ロープをつけるといいでしょう。片側をバッカンのハンドルに掛けておきます。長くて細いものが絡みにくくていいでしょう。強度は必要ありません。また予備を持っておくことをお勧めします。海に落とすと釣りが続けられません。カップの大小、柄の長短など使い分けられるように持って行くのも賢い選択です。

おすすめブランド

現在使用中の杓は、あるメーカーの新製品にも関わらずイマイチです。使ってみないことには分かりませんね。私が過去使ったものでクールものを上げてみると…

  • 持つ喜び…
    ブランドは忘れましたが、広島の職人さんが作っているもの。ハンドルがシャークスキン(鮫皮)で、滑りにくく素晴らしい感触でした。買うのに勇気がいる値段でしたが、いつまでも大事にしたくなる手の込んだ工芸品的な作りでした。飛距離の出る杓ではありませんが、ポイントを外れないコントロール性がよかったですね。残念ながらミレニアムの年の暮れ、時化並の強風に吹き飛ばされ、太平洋の荒波に沈みました。とほほ…
  • お~飛ぶ!
    九州のウキメーカー「釣研」の遠投用杓。比較的高額な商品ではないのですが、カーボンがジャストマッチしているのでしょうか、素晴らしく飛びます。知り合いにも購入を勧めましたが「お~、これは飛ぶ」と感謝されました。カップがプラスチックであることと、恐ろしく握りにくいデザインが惜しい…
  • ふむふむ…
    まだ使っていませんが、いかにもよさそうというものを上げると、ズバリウキメーカー「GUREX」の杓です。有名な京都の釣り名人がデザインされたもので、カップの形状がいいですし、ベルベットタッチの握りがしっくりきます。カーボンが細身軽量なので持ったときのバランスがいい。尻手ロープの絡み対策としてベアリング入り金具の採用など、細かい配慮が行き届いています。

水汲みバケツ

コマセを作る時は水を加える必要がありますし、釣り終わった後バケツを洗ったり釣り場を洗い流したりするのにも、水汲みバケツは必要です。何でもいいような水汲みバケツですが、実は使い勝手にとても差があり、いいバケツは水をたくさんくみ取れますし、手が疲れません。悪いバケツはその反対です。いままで使ったものではダイワの水汲みバケツがピカイチです。釣った魚やエサを入れたりするのでなければ、サイズは小で充分でしょう。

バッカンと同じく素材がしっかりしていて、水を満杯に入れた状態でもしっかり自立することが重要。バケツの縁に鉛が装着されたものなら、水面に放り込んだときに自然に転倒しますので、水が汲みやすくなっています。足場の高い所からでも、水が汲めるようロープが付属しているものを購入して下さい。ロープをくるくる巻き取れるハンドル付きが便利です。ロープはしなやかかつ太めで、所々コブが付いているものがお勧めです。手が痛くならないので、力の弱い女性や子供でも水汲みが楽です。

エサバッカン

コマセを使う釣りには、生き餌を使わずオキアミやサナギを使うことが多いものです。こういう場合は普通のエサ箱ではなく、バッカンに引っかけて使うサシエバッカンが使いやすいものです。

フタ付きとフタなしがあります。フタなしの方が手返しという点で機動力が勝りますが、フタ付きの方が暑い時期には、直射日光でサシエの痛むのが多少防げます。アケミ貝など大きいエサを使うのでなければ、小さなサイズのもので充分間に合います。

バッカンダワシ

バッカンを洗うためのタワシです。亀の子ダワシではなく柄の付いたものが、袖口が濡れず使いやすいはずです。釣具店で専用のものが売られていますが、スーパーでも同じものがより安価に購入できます。

その他…

マキエを分けて使うためのセパレーターとか、杓を立てておくための杓立てなど専門店にはちょっとしたアイデア商品が並べられています。人によっては便利と思われるかも知れません。好みでいいでしょう。しかし荷物を少しでも減らしたい釣り人にとっては、必需品でないことをお忘れなく~。

うぅ臭い~異臭対策

マキエそのものは大して臭うわけではありませんが、バッカンや道具をちゃんと洗わないと悲惨なことになります。また車のトランクに、しょっちゅうマキエを入れて運んだりすると、どうしても臭いが鼻につくようになります。奥さんに怒られた方も多いのではありませんか。しかし、ちゃんと対策を施すことで、気にならない程度まで軽減することは可能ですよ。

海水で洗うだけではダメ

どんな方でも、使った後は丁寧に海水で洗っているはずです。しかしこれだけでは片手落ちです。海水そのものに有機物やプランクトンが多量に含まれているため、どうしても臭ってくるのです。家に持ち帰ってから、真水でもう一度洗って下さい。お湯と洗剤なら完璧です。それから天日で干します。これならまず臭いません。洋服ダンスにしまえるぐらいですよ。※クーラーも同じ要領でね。

車対策

ちょっとでもコマセや水分がこぼれると後が大変です。大きめのバッカンかビニールでくるむなど、直接床にふれないようにしましょう。スーパーでジャンボ脱臭剤が売っていますので、バーゲンの折りにでもどんと買って、トランクに放り込んでおきましょう。多少は違います。最近ではレジャーブームの影響で、トレー状になったゴム製のトランクマットが、オプションで注文できます。ここ8年ばかり使っていますが、濡れものも気にせず入れられますし、水洗いも簡単です~お勧め。

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