磯に上がったら…

釣りのステッカーとTシャツの音海屋
さぁ、磯に上がりましょう

わくわくですね。忘れ物はありませんか。波止と違って磯で忘れ物をすると致命的ですよ。お弁当も頼みましたか。腹が減っては戦はできませんよ。では準備万端~しゅっぱぁつぅ♪

上がり際に気をつけたいこと

危険防止の注意点は前章で書きましたが、再度整理しておきます。落水の事故はこの時が一番多いからです。まず船頭さんの指示に必ず従うこと、一見渡れると思っても船頭さんが「待て!」と云ったら必ず待って下さい。GOのサインで渡礁してください。波の高いときは、船頭さんは必ずうねりの頂点で船を着けます。ですから波のうねり具合を見ておくのも、渡礁のタイミングを計る判断になります。中には何も言わない船頭さんがたまにいますが、他の人にも声を掛けないはずですから、その時は臨機応変に判断しましょう。

またいで渡らないこと、女子供は先に渡らせること、荷物は先に上げることなどは書きました。釣り場によっては、その渡船の常連や倶楽部のメンバーが渡礁の手伝いをしてくれることもあります。そういうときは必ず一声挨拶をしてくださいね。

さて、渡船の舳先にはホースヘッドと呼ばれる手すりがついています。上がる少し前になったら荷物をこのホースヘッド寄りに移動させて置いて下さい。もたつかないようにするためです。上がる用意を済ませたらホースヘッドに陣取るわけですが、立ってはいけません。船頭さんの視線を遮り船を着けにくくするからです。腰を下ろして待ちましょう。

渡礁を済ませたら、手を振って完了の合図を出しましょう。風の強い日はカッパのフードを降ろしていると思います。しかしフードを降ろしておくと、声がとても聞き取りにくくなります。聞きづらいなとおもったら、渡礁時のみフードは上げておいてください。船頭さんの合図を聞き逃さなくなるはずです。

渡船のホースヘッドの先端には船首に古タイヤが取り付けられています。磯との接触で船体が損傷しないようにするためです。できるだけこのタイヤには足をかけないで下さい。船と岩とのすきまに足を挟まれることがあります。現に私の知り合いは足の指を挟まれ骨折していますし、私自身の経験でも、古くなりすぎていたタイヤに足をかけたため(ふにゃふにゃ)、予期せぬ挟まれ方をして慌てたことがあります。事前によく確認して置いて下さい。

上がればすぐに荷物は一番高い場所に置いて下さい。低い所でうねりに襲われると、荷物が全部流されてしまい、泣く羽目になります。低い磯でしたら、ピトンと呼ばれる荷掛け棒が必要です。低い足場の多い釣り場でしたら、たいてい渡船にピトンが備え付けられているはずなので、渡礁するときに借りていくようにして下さい。そういう釣り場では、磯の高台にピトン用の穴が開けられているはずです。そこにピトンを差し込み、竿ケースやタモなどを引っかけるようにすればいいでしょう。

地形の観察

さぁ、いよいよ渡礁しました。他の釣り人と一緒に上がったら、真っ先にポイントを取る競争になるのは致し方ありません。よさそうと思った所に先行するしかありません。もっとも重たい荷物を持った初心者では、まずベテランに先を越されるはずです。自分一人あるいは仲間と上がったときは、ゆっくりポイント選びができます。まずは海を観察しましょう。

シモリ

大きい磯なら周囲が見渡せる一番高い足場に陣取って下さい。偏光レンズは用意してきましたね。では、じっくり海中を観察してみましょう。磯は大抵底に起伏がついています。その海中の根(シモリ)があるところは海水の色が黒く変化しているはずです。根が荒いところほど魚の隠れ場所になりますので、まずそこはグレやメバルのポイントだと考えて下さい。またチヌのように回遊する魚はシモリに沿って移動しますので、シモリとシモリの間がポイントになります。うねりが立っているところは根が突き出ており水深が浅いところです。うねりや白波が立つほど浅いところは釣りづらいので、とりあえず除外しますが、その根のかけ上がり付近は、攻めたいポイントの一つです。

色の変化

次は変化する色の具合に注意して下さい。春先だと藻がびっしりという事もあります。藻の色と岩肌の色はよく観察してもらうと違いが分かります。メバルなどは藻を釣ることもあるのですが、一般には藻に仕掛けが取られたり、せっかく掛けた魚に藻に逃げ込まれ、ばらすことも多くあります。藻そのものはポイントですので、藻が多いときは少し離して藻の際を釣るようにしたらよいでしょう。色が白っぽい時は砂地だと思って下さい。底に変化がなく、あまりよいポイントとは呼べません。

サラシ

白く波が泡立つように払い出しているところはサラシです。サラシは一般にポイントとされていますが、サラシにもサラシの白い筋が海中から沖へズーンと伸びているような生きているサラシと、単に白く泡立っている死んだサラシがあります。この死んだサラシだと、あまり期待は持てません。入門書などでは、サラシは一級ポイントと書かれていますが、サラシの善し悪しを見極めるには、ある程度の経験が必要で、ちょっと文章ではうまく伝えられません。とりあえず仕掛けを入れてみて、その仕掛けが沖へ運ばれる動きをしたら(=道糸にテンションが掛かる)まずはよいサラシと考えてよいでしょう。サラシは地形と潮当たりでできますから、潮や潮位の変化に影響されます。釣り続けているうちに全くなくなったり、逆に大きくなりすぎて釣りづらくなることもあります。

ポイント選び

ウキフカセは潮を釣る釣りです。ですから基本的には潮が足元から払い出すような場所がベストです。コマセが沖によく効き、仕掛けが操作しやすいのです。その反対に、潮が沖から手前に差し込んでくる当て潮は、まず釣りにならないと考えておいて下さい。底物釣りでは反対によい潮とされています。

実際の釣り場では、足元から上手い案配で潮が流れるという絵に描いたような(磯釣りの教科書にあるような)釣り座は滅多に取れません。本流筋の小さな沖磯へ、単独渡礁したしたときぐらいです。人で混み合う人気磯や、地磯では横に流れる潮を釣ることになります。技が求められますね。さて、初心者のうちは、瞬時に釣り座の選択をすることは難しいはずです。分からないときは…

  • 足元にコマセが落ちている場所
    先人が釣っていたところ、まずポイント
  • 沖に面し突き出たところ
    必ずしもベストというわけではないが、仕掛けを流せる範囲が広いので選択肢が多い。
  • 船着き
    船が着いたところ。船が着きやすいように、水深があり荒れた根がない。総じて根かかりやうねりが少なく、釣り座も広くて釣りやすいので初心者向き。迷ったときは船着きという言葉もある(※笑魚が勝手に云っているだけ)

ポイント選びには気候や日照も大いに関係があります。まず必ず風を背に受けるところを選んで下さい。逆風だとまず釣りになりません。また逆光にも注意して下さい。朝日が昇ってくる方向に釣り座を取ると、まずウキは見えません。しかし絶対というわけでもありません。時間が経つと解消しますし、私自身海面が眩しくウキが見えないため、糸ふけの変化で当たりをとって大物を仕留めたこともあります。ハンデぐらいに考えてください。

潮を読む

潮の流れ方を把握しておくことは重要です。ベテランなら、磯付けするまでに海面の様子や船の流され方などで読みとることも可能ですが、初心者ならまず無理だと思います。渡礁したら、海面(海中)をよく観察して下さい。風がなければ浮遊物の動きですぐ分かるはずです。岩に付着している海草の動き方などでも判断できます。

自信がなければ、持ってきたコマセを少し海面に撒いて見ましょう。沈んでいくコマセをじっくり観察して下さい。風が強い日だと軽いコマセは表層流に流されますが、水面下ある程度まで沈んだコマセは、潮本来の流れに乗ります。その流れを釣るのです。オキアミは沈んでもはっきり白く見えますので、偏光レンズさえ掛けておれば観察は容易です。

馴れてきたらイガイやフジツボも観察してみて下さい。イガイやフジツボは酸素の多い当て潮を好みます。つまり、たくさん付着しているところほど潮がよく当たると云うことになります。必ずしも悪いポイントというわけではありませんが、こういうポイントは仕掛けが押し戻されやすく、ウキをよくなくします。磯をよく知るという意味で、覚えておいてもよいでしょう。

ちょっとヒント

ピトンには渡船屋さんが貸してくれるごついものから、竿バックに入れられる軽量のものまで各種あります。磯釣り師ならば一本は持っておきたいものですが、ものによって使い勝手に大きな違いがあります。笑魚も買い物を繰り返して、挫折を経験しております(笑) これについては後悔しない道具選びで解説していますので、またお読みになって下さい。

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