偏光グラスのすすめ

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偏光グラスは釣果を左右する

釣り人なら偏光グラスは一つ持って置きたいもの。今回は釣り人必携アイテム「偏光グラス」のことを、ざっとご紹介してみましょう。

偏光の仕組み

さて偏光グラスの偏光とは、一体どんな仕組みでしょうか。見た目はサングラスと同じですが、仕組みは全く異なります。通常のサングラスは着色されたガラスを用いることで、日光の量を軽減し、眼を守る仕組みです。元々瞳の薄い欧米人が強い日光から眼を保護するため、生まれてきたものです。

偏光レンズのツボは、スリット状になった偏光膜に、その秘密があります。レンズの中に偏光膜を挟み込むと、ある一定の方向からの光しか通さなくなります。これが偏光レンズの仕組みです。カメラでよく用いられる偏光フィルターも同じ仕組みです。


画像はコダック社より拝借(汗)

一定方向からの光しか通さないということは、乱反射して眩しい水面のぎらつきなどが、ずいぶん軽減されるということです。偏光レンズは構造上、上下方向特に下方からの反射を押さえるような工夫がなされているため、釣りのように水面を凝視するレジャーには、最適です。

一定方向のみというと、それ以外の角度は?と心配になる人もいるかもしれませんが、大抵はそういうことを意識しなくてもまったく問題ありません。使いこなしにコツなど必要なく、普通のサングラスと同じに考えればよいでしょう。

偏光レンズの見分け方

偏光レンズの性質を理解すると、見分けが簡単にできます。ちょっと見ただけでは、通常のサングラスとの違いはわかりませんが、偏光レンズ同士を重ねあわせてください。同じ向きだと、レンズに変化は現れませんが、90度に直交するよう重ねると、スリット同士が交差し光を通さなくなるため、真っ黒になります。

その効果のほどは?

はっきりいって恐ろしいほどありますね、例えば…

  • ギラギラ光っていた水面が、嘘のように底まで見渡せた。
  • 車のウィンドに写り込んでいたダッシュボードの影が消えた。
  • ゴルフのグリーンの芝目がよく見えるようになった。
  • ガラスが反射しないので、ウィンドショッピングが楽々♪
  • かなり暗いレンズのはずなのに、不思議に明るく見える。

海面が見やすくなったという以外に、釣りではどんなメリットがあるのでしょう。

  • コマセの流れ方、沈み方を観察できるようになった。
  • エサ取りの種類、量が判別できるようになった。
  • 時合いに廻ってきた本命の姿を視認できるようになった。
  • 水面直下の道糸を視認できるようになった。
  • 仕掛けの沈み方を観察できるようになった。
  • 水面下の地形・障害物が読めるようになった。
  • 小さなウキでもずいぶん見やすくなった。
  • タコが岸壁にへばりついているのを発見できることもある♪
  • その他その人の釣り、スキルに応じて効果あり。

要するに、釣りのレベルが高い人ほど、その恩恵を受けます。特にフカセ釣りをする人には、竿やリールより重要なアイテムと云ってもいいかも知れません。逆に言えば初心者には必要ないというか、偏光レンズの威力を生かし切る腕前がまだないでしょう。

購入のヒント

これから偏光レンズを購入しようと思ってる方のために、ちょっとしたヒントを書いておきましょう。詳しくは眼鏡店でアドバイスを受けて下さい。偏光レンズは釣具屋で買うものと思っている人は、この章を読む必要はありません。

最近のものはUVカットが標準なので、一般的なサングラスとしても使えます。眼がよくてサングラス代わりの偏光レンズを欲しい人なら…

  • バスプロに定評のあるTALEXなどのブランドを買っておけば、間違いありません。
  • 色は好みですが、基本的にはグレー系が万能でしょう。
  • まずめ時に釣行される方が多い方は、ちょっと明るめのレンズカラーを選んで置いた方が、重宝するでしょう。
  • くれぐれも釣具屋の店頭に積んである安価=不良な偏光レンズは辞めて下さい。偏光レンズの威力が分からないだけでなく、光学的にもいい加減なので、目も疲れるはずです。

目の悪い人なら

  • クリップオン式にはあまり品質のいいものがありませんので、ご予算があるのなら、ちゃんとしたメーカーレンズを使って、オーダーで度付を作られるとよいでしょう。
  • 遠近両用+偏光+夜釣りもというような、欲の深い人なら、跳ね上げ式もいいかもしれません。この場合はフレームとレンズはそれぞれ別に、購入することになります。
  • 重いのが気にならないのならば、精度が低くなりがちなプラスチックレンズよりガラスレンズをお勧めします。

昔は車に乗るのならば偏光レンズはダメといわれました。ウィンドに色が付いて見えるからです。最近のカーウィンドでは技術が進んだのでしょう、このような問題はなくなりました。ただしトンネルの中は、偏光レンズではかなり暗くなります。気をつけてね。

レンズ材質による違い

大きく分けて、ポリカーボネイト、眼鏡用プラスチック(CR39)、ガラスの三種に分けられます。このうち光学的に安心できるのが、CR39とガラスということになります。

この二つを比較すると、プラスチックよりはるかに熱・圧力に強いガラスの方が、光学的な安定性に優れます。つまり元々歪みが少ない上に、外的な要因によってもその影響を受けず、性能がいいということです。カメラのレンズを考えればお分かりですね。ただし、眼鏡をかける人ならご存じのように、プラスチックレンズは軽く疲れませんし、万一破損した時でも、安全性が高いメリットもあります。現在はCR39が主流のため、色・コーティングなどのバリエーションは、ガラスレンズよりはるかに豊富です。

※両方オーダーしたことのある私個人の経験で云えば…ガラス製が圧倒的にいいですね。一皮むけたようなクリアさがあります。ただし重いです。鼻が凹みます。

TALEXの秘密

TALEXが大流行です。このTALEXの秘密とはなんなのでしょう? これはTALEXの偏光レンズが特に性能がよいというわけでなく(偏光は設計的に差が付くようなものではない)、それよりも真面目にちゃんと作られた製品だからです。つまり、それまでのアングラー用の偏光レンズなど、いい加減なものが多かったのですね。へろへろのアセテートやポリカーボネイトの安いレンズに、玩具のような偏光フィルムを貼っただけの貧相なものしか使ったことのない人が、プラスチックレンズでもちゃんと光学的に精度を高められたTALEXのようなものを使ってみると「オォ~~スゴイ!」となるわけです。加えて大手には真似できないニッチなこだわり市場を狙った戦略眼も鋭いですね。TAREXの売りは…

  • ヨード系と呼ばれる手の込んだ方法で偏光膜を生産。
  • フレームに入れると、レンズがたわむため必ず歪みが発生するが、それを手加工で修正。
  • 用途に合わせ、多種多様なバリエーションを用意。

いいものにはコストがかかります。ゆえにTALEXも安くはありません。大体光学製品というのは、設計のアイデアや工夫よりも、光学的精度に尽きるわけですから、コスト=品質となります。ですからTALEXならずとも、国内でちゃんとしたものを生産しているメーカーならば、偏光レンズも間違いないと考えればよいでしょう(釣具屋が下請けに作らせるような眼鏡はあかん~)。

太古の昔、まだ目が悪くなる前ですが、Zeissの偏光サングラス(人からのプレゼントもの)を掛けていたことがあります。これは本当によかった!サングラスの癖に世の中が明るく見えた!代理店に修理に出しつつ、長年愛用しました。

ちなみに笑魚愛用の偏光レンズは、帝国海軍御用達!の日本光学製です。いままで3回ばかりオーダーしてきましたが、フレームはポルシェやダンヒルなど、その時の気分に合わせて色々です。特に問題はありませんが、眼が年々悪くなってきているので、そろそろ新しく作り替えなくてはいけません、トホホ。

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