こだわれば一人前・ウキ

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ウキ釣りこそ釣りの原点

穂先がゆっくり引き込まれるスリリングなアタリ、いきなり手元にくるショッキングなアタリなど、好敵手が送ってくれる魚信は様々ですが、なかでもじわりとウキが沈んでいくアタリが、一番釣り人を魅了するのではないでしょうか。もっともビジュアルで釣り人のこだわりが出るウキを解説しましょう。

棒ウキファミリー

小型棒ウキ

小さくて感度が極めていいように作られています。素材がカヤなどの超軽量の素材で作られています。 オモリが仕込まれていて比較的飛ばせるものもあります。

  • 超高感度なため、他のウキでアタリが出ないときでも、このウキならば釣れることがあります。
  • 大きいオモリは乗らないので浅場専用。
  • 軽いのであまり飛びません。遠くの沖を釣るのは苦手。
  • 風の強いとき、潮の速いときも少しつらい~。
  • 波止での主な対象魚/メバル・チヌ・ハゲ・アイゴ・ハゼなど

非自立ウキ

大きさの割には軽いウキです。ウキにあったオモリを仕掛けにつけて使います。ヘラウキが代表です。ウキ自身の自重が軽いため感度に優れます。オモリの重さで仕掛けが馴染むまで、ウキは立ちません。仕掛けが絡んだりするとウキはいつまでも起きてこないので、すぐ分かります。この点では初心者向きです。

  • オモリをつけないウキフカセ釣りには向いていない。
  • 風の強いとき、潮の速いときはウキが傾く。
  • 波止での主な対象魚/何でも釣れます。

自立ウキ

ウキの中にオモリを仕込んでいます。仕掛けにオモリをつけなくても水面に自立します。いいものはカヤなどの高級素材で作られています。ウキ自身の自重が重いため遠投性に優れます。どっしりしているので、風や波気に強いのがメリット。

  • フィールドを問わず万能的に使えるウキです。
  • 非自立よりは感度がやや落ちます。
  • 波止での主な対象魚/何でも釣れます。

円すいウキファミリー

円すいウキ

形が円錐形で中に糸が通るようになっている「中通しウキ」がポピュラーです。どんぐりウキとも云います。オモリが仕込まれているため、小さくてもどっしり安定。棒ウキのようにウキ下部に環が付いており、環に道糸を通すようになっているものは「環付きウキ」といいますが、円すいウキの中では少数派です。

  • 波風に強いため磯釣りで多用されている。
  • 棒ウキよりは、空気抵抗が少なく遠投がきく。
  • 中通しの場合、糸がウキの頭から出ているため、道糸の修正やさそいなどの操作が棒ウキよりしやすい。
  • 構造がシンプルでトラブルが少ない。
  • 流体力学的に棒ウキよりは水の抵抗が大きい。
  • ウキの交換は糸を切る必要があり、ベテラン向き。
  • 波止での主な対象魚/テトラのチヌ、グレなど

アタリウキ

アタリだけを取るために作られた超小型ウキです。素材は軽量のカヤや発泡材が使われます。色々な形状のものが市販されており、超小型の棒ウキなども使われます。

ハリス専用のハリスウキもあり。単独でも使えますが、飛ばしウキと組み合わせ2段ウキとして使われるケースがほとんど。

飛ばしウキ

アタリウキを飛ばすための専用ウキです。重量がたっぷりあって遠くまで飛ぶように作られています。水面ぎりぎりになるようオモリが仕込まれています。

  1. 小さいアタリがとれ、かつ遠投もききますので、磯グレの競技会では定番。
  2. 2段ウキは慣れてくると、潮の流れがウキの動きで掴めます。初心者でも潮を読める仕掛けです。
  3. 2段ウキの場合、通常は固定仕掛け専用ですので深いウキ下をとることはできません。3ヒロ程度までの浅ダナで使います。
  4. 波風が強い日や遠いところまで流すと、アタリウキは見えにくくなります。
  5. 波止での主な対象魚/グレ、サヨリ、メバルなど

形状で分るウキの性能

  • 下ぶくれタイプ
    上部より下部がふくれています。鯨や潜水艦の頭が大きいのと同じ理由で、水の抵抗が少なく感度に優れます。凪場(波の立っていないところ)でつかうと性能を発揮します。
  • 上ぶくれタイプ
    下部より上部がふくれています。浮力点が上にありますので、適度に沈みにくく波の上下動に強いのが特長です。風の強い日やサラシ場(波の白く泡立つところ)でつかうと性能を発揮します。
  • 中庸タイプ
    上下ほぼ同じ形です。上ぶくれと下ぶくれタイプ両方のメリットを持っているスタンダードな形状といえましょう。どこでも使えるオールマイティさがありますが、逆にいうと個性がないともいえます。

初めはどんなウキがよいか?

波止は棒ウキ・磯は円すいウキがセオリーです。

波止の場合

  • 初めのうちはちょっと小ぶりで自重のある自立ウキがベストです。よく飛ぶといって大きいウキを買う人がいますが、空気抵抗で案外飛びませんし、大きなオモリをつけないといけないので食いも落ちます。
  • トップがセルロイドで中空のものより、ソリッドといって細い無垢材で作られたものが高感度。夜釣りも兼用できるケミホタルホルダーがついたものが便利。
  • 安価な輸入品が多くなりましたが、高級なブランドを買ってください。アタリの出方がまるで違います。

磯の場合

  • 足元用の小型/沖用の中型/遠投用の大型の3種が欲しいものです。最低でも中型と大型、2種類程度はそろえましょう。
  • オモリ負荷のバリエーションより、サイズバリエーションが重要です。魚のいるポイントに届かなくては話になりません。よく飛ぶ大きな(重い)ものも必要です。
  • 高価格なものは塗装が丈夫で、磯に当たっても傷付きにくくなっています。

オモリ負荷の選び方

色々あるにこしたことはありませんが、とりあえず揃えるのは…

波止の場合

  • まずメバル、セイゴを狙う3B
  • 沖の深みに潜むチヌ、セイゴを狙う1号、大体水深10mまで対応可。
  • 4ヒロ程度を、手返しよく攻めるための5Bもあれば便利です。

磯の場合

  • 完全フカセ用の0/F
  • 固定仕掛け用のB
  • 4ヒロ前後を攻める3B
  • サラシ用の5B
  • 深釣り用の1号 ~程度あればいいですね。

どうして波止には棒ウキ派が多いのか?

いろいろな理由がありますが、主に…

アタリがとりやすい

トップが水面から出ていますので、よくウキが見えます。また棒ウキはその高感度が命です。ですから性能のいい棒ウキでしたら、チヌがもじもじと餌を加えただけで反応が出るように作られており、初心者でもアタリがとれます。円すいウキだとおゃ?という程度で終わってしまうことも多いのです。

釣り場に変化が少ない

円すいウキは、一日中刻々と潮が変化する釣り場に対応しやすい操作性を持っています。波止は基本的には満干潮以外、変化が少ないのです。また波止は磯よりポイントが限られます。ウキ釣りであっちこっち探るということはあまりせず、狙ったところをじっくり攻めます。ですから操作性が問われることはあまりないのです。

使い勝手がフレキシブル

円すいウキ(中通し)は機構上、ウキの交換にはいちいち糸を切らなくてはいけません。棒ウキでしたら専用の金具を使うことでワンタッチで交換できます。また夜釣りをするときも、ケミホタルがつくトップでしたら、日中用と兼用できますから、電気ウキは必要ありません。

深場を攻めやすい

大都市の垂直護岸の場合、水深が軽く10m以上の所が多々あります。糸がウキの中を通っている円すいウキより、棒ウキのような環付きウキの方が、仕掛けが早く底までたどり着きます。

2019/11 更新

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