ウキ釣り専科

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大遠投で決めろ!

いつも足元から竿2本といった都合のよい所ばかりで、釣れてくれたらよいのですが、なかなかそうは問屋が卸しません。また釣り場によっては、未開拓の沖を攻めなくてはいけないときもあります。今日はマキエを遠投するためのコツと、沖を攻めるときの注意点をまとめてみました。

遠投杓がものをいう…

いくらいい技術を持っていても、肝心のコマセを沖まで飛ばしてくれる杓がなくては、話になりません。杓に関しては前章で詳しく書きましたが、遠投用の杓を選ぶときは、それに加えてちょっとした選ぶコツが必要になります。最終的には使ってみないと分からないのですが、ある程度は目で見たり、持っただけでも使い勝手は推測できるものです。わかりやすいようもう一度箇条書きにしてみましょう。

  1. 長さは65cm以内がいい
    これより長くなると、普通の人には振り切れません。柄が長いほど飛ぶのは事実ですが、振り切れなければ却って逆効果です。

  2. カップは大きいものを…
    沖を攻めるときはどうしても手返しが遅くなります。遅さを補うためにはコマセが詰められる大きめのカップが有効です。

  3. 柄は固いものを…
    高反発なカーボンほど柄が固いものです。軽く曲げてみてガチガチに感じるくらいの方が遠投には向いています。また固い方がコントロール性もいいのです。

  4. グリップは手に馴染むものを…
    遠投するほどグリップは大事になります。手にぴたっとくるものを選んで下さい。指型が入っているもの(プラスチックの握りに多い)や、ソフトな樹脂素材のグリップもだめ。個人の手や持ち方は千差万別ですから、却って持ちにくくスナップが生かせません。

  5. エサ離れがよいカップを…
    ステンレスや、プラスチックにテフロン加工が施されているものは、エサ離れがよく飛距離が出ます。遠投用のコマセは粘りが高いので、その対策になります。

  6. 杓をケチるな…
    いい杓はやはりそれなりの値段がします。竿をケチっても釣果に差は出ませんが、遠投用の杓をケチると必ず差が出ます。高級品の杓をお勧めします。

くれぐれもいいますが、竿など「まぁ〜そこそこ」ならどうでもいいのです。ウキフカセに一番大事な道具は、「1に道糸、2に杓」ということを忘れずに。といっても、もう買ってしまったという人もいると思います。お小遣いの少ない人もいるでしょう。そこで手持ちの杓をチューンするテクニックを伝授しましょう。

  1. 柄がへなへな…
    セロテープを貼ります。それだけで大分固くなります。ぐるぐる巻くのではなく、杓に沿って縦方向に貼るのがコツです。重ねると固さが増すので調整してみて下さい。

  2. グリップが手に馴染まない…
    木製ならばカッター、ヤスリなどで形を整え、塗装して仕上げて下さい。握りが細すぎるときは、細引き(細紐)で巻きましょう。巻いた後、保護を兼ねてカシュー漆を2、3度塗っておくと、糸がしっかり固着され見た目も良くなります。

  3. カップのエサ離れが悪い…
    フッ素コート系の潤滑剤を塗り、よく磨き込んで下さい。効果的です。またカップの真ん中に小さな穴を空けるのも効果的、空気が入るのでエサ離れがよくなります。

飛ばすためには、マキエをしっかりと杓のカップにまとめ固める必要があります。そのため、できるだけ腰のある固めのバッカンを選んでおけということは、前章でも書きました。しかし手持ちのバッカンが腰の柔らかいものだったり、始めから超遠投が予測される釣り場の時は、マキエを詰めたカップを押さえつける当て板を用意しておいてもいいでしょう。写真は第一精工製のバッカンボード、ステンレス製のものもあります。

ウキについて

遠投するためには、仕掛けを運んでくれるウキの選択が大事になります。飛距離は重量にほぼ比例すると考えておけばいいでしょう。体積は大きくなるほど空気抵抗が増します。ですから、小さくずっしりしているウキほどよく飛ぶことになります。遠投ウキを選ぶコツを書き出してみましょう。

  1. 同じ重さなら小さいウキの方が、空気抵抗が少ないのでよく飛ぶ。大きいから、なんでも飛ぶだろうというのは間違い。
  2. ウキでなく、つけるオモリの重さで飛ばそうと考える人もいる。これも間違い。つけるオモリよりウキ自身の重量が大事。仕掛けに付けるオモリは、あくまでもタナをとるためにある。
  3. 非自立式ウキより自立式ウキの方が、飛んでいるときのバランスがよいので飛距離はよく出る。
  4. 一般的に棒ウキより、円すいウキの方が飛距離はかなり出る。
  5. 遠投したときの視認性は、当然棒ウキが優れる。
  6. ウキは鉛を装着した側が先になって飛ぶ。そのため棒ウキの場合は、下ぶくれ形状の方が、重心位置、空気抵抗の関係で、飛ぶときの姿勢がよく飛距離が出る。
  7. 遠投に付き物のトラブルは、中通し式円すいウキがもっとも少ない。

飛ぶ棒ウキの特徴
棒ウキの場合、一般的に肩が張った形状より、尻が膨れた形状の方が遠投性に優れます。またこういう形状は感度にも優れており、棒ウキとしては理想的な形状になります。皆さんご存じの遠矢ウキもこれに似た形状です。市販品で遠投用と銘打たれているものは、全てこの形状といって差し支えなく、たくさんのオモリを装着するために、下部はややずんぐりと膨らんでいます。トップは遠目からでも視認できるよう、シモリ玉や逆光玉が装着されているケースが多いようです。

円すいウキは感度より飛距離を
円すいウキについては、サイズが変わるだけで特に形状の変化はありません。沖を攻める場合は、感度よりも飛距離を優先して下さい。大きく重いウキは潮のりがよく、道糸が風や波に取られ、ポイントから仕掛けがずれることを防いでくれます。沖ほど明快なアタリが出やすいので、感度にこだわらないように…。

竿・糸・リール・エサ

通常は杓・ウキ以外に使い分ける必要はありませんが、特に遠投用に道具を吟味したいときの注意点を上げておきます。

  1. 竿は通常用いるもので充分ですが、特に重たい棒ウキを遠投する場合、1号の竿では扱いにくい時があります。状況によって強い竿と入れ替えて下さい。
  2. 糸は細い方がよく飛びます。遠投するほど道糸が波に取られやすくなるので、強風でない場合は、フロートラインがさばき安いはずです。
  3. リールも大口径リールが有利です。投げ釣りと同じで大きいリールに細い糸の組み合わせほど、仕掛けを飛ばすことができます。

遠投に向いた餌の刺し方
オキアミなど柔らかいエサは遠投するほど、鈎から外れやすくなります。沖を攻める場合は、大きめのエサに大きめの鈎が間違いありません。グレのように小鈎を使う場合は、図のように逆刺しにしてみるなど、エサの刺し方も工夫してみて下さい。

コマセ

ウキフカセで最もよく使われるコマセはオキアミです。しかし遠投する場合、オキアミはそのままでは軽いので、比重と粘りのある集魚材と組み合わせて使われることが多いですね。集魚材については、店頭で遠投用と銘打って売られているのものなら、どれを買っても大きな間違いはないでしょう。気をつけておいて欲しいのは…

  1. 遠投用の集魚材を併用すると、マキエ全体の比重が高まり、沈下速度が早まる=タナが深くなる。そのためグレのように浅いタナを攻めたいときは、特に浅ダナ遠投などと書かれたものを選択する方がよい。

  2. チヌ用の集魚材は、フカセ専用と特に書かれていなければ通常でも粘りがあり、遠投性に優れている。あえて遠投用を購入する必要もないので、吟味すること。

  3. コマセは練り込むほど粘りが出て、まとまりがよくなる。海中でのバラケを優先したいときはあっさり混ぜる程度がよく、海底まで持たせたいとき、あるいは遠投性を優先したいときはよく練り込む。

  4. オキアミもつぶすほど、粘りが出てよく飛ぶ。しかし沈下速度もやや速くなる。喰いの点では形が崩れない方がよいという釣り人も多いので、よく考えること。エサ取りが多いときはつぶした方が、コマセの密度が高まるので、利点が多い。

  5. 集魚材が禁止されている所では、アミエビを併用することで遠投性が高まる。

  6. 遠投用の集魚材は弊害も多い。いつでも入れるのではなく、その日の天候の具合、釣り座の風具合を見て入れるようにすること。

遠投のテクニック

ちゃんとした杓で遠投用のコマセを使えば、20m程度は簡単に飛ばせます。それ以上飛ばすのがいわゆる遠投の領域になります。飛ばすだけでなくコントロールが要求されますので、場数を踏んでトレーニングしてみて下さい。杓の振り方のコツは、前章で書いていますので省略しますが、右の絵のように振って、マキエをまとめ遠投するのがコツです。

しかし達人になると、左の振り方で遠投する人もいます。メリットはマキエが拡散して落ちるため、サシエとコマセが同調しやすくなるということです。ばらけてマキエを遠投するのは大変難しい技術です。興味があればチャレンジして下さい。飛距離をだすのは肘の使い方が大事です。ボール投げで、スナップを利かすような感じで飛ばして下さい。また右手で竿を持つ人ならば、左手でもマキエを投入できるよう練習して下さい。遠投は無理としても、近距離での手返しに絶大な効果が出ます。

目線は上にとる
飛距離を出すコツは力や技術だけでなく、狙い所もあります。遠投する時ほど、マキエはポイントの上空めがけて飛ばして下さい。高い放物線を描くほど飛距離は出ます。これは技でなく知恵です。女性でもこのコツがわかれば、かなりの距離が出るはずです。思い切り空へ向かって投げて下さい。

スナップをきかせ
飛ばそうとしてグリップに力を入れてはいけません。ボール投げと同じで手首の力を抜くことで、スナップが生かせます。飛ばそうとするより、杓を軽く持ち柄を素早く振るように心がけるといい結果が出るはずです。30m以上の遠投になれば、肘や手首のスナップに加え、肩でボールを投げるような動きも必要になってきます。これにはトレーニングが必要です。ある程度飛ばせるようになれば、チャレンジしてみて下さい。

杓をこまめに洗おう
粘度の高いマキエを使うと、カップにコマセがこびりついてきます。そうすると杓からエサ離れが悪くなり、飛距離がガクンと落ちます。遠投するときは、水バケツに水を入れ、しょっちゅう杓を洗って使うようにしましょう。浸けておくだけでも大分違います。

竿は「の」の字で振る
竿を振る技も書いておきましょう。重い仕掛けの時は、そう気を使わなくても結構です。問題は小さく軽いウキを使って、オキアミのようなエサ落ちしやすいエサを大遠投するときです。普通の投げ方で投げると、仕掛け絡み、エサ落ちが多発するはずです。こういうときは、身体の左側から竿を回し、頭の上で竿を「のの字」を書くように、加速しながらゆっくり大きく竿を振って下さい。竿がビュッと音がしている間は駄目です。マスターすると、スローな竿さばきで飛距離を出せるようになります。上級の技です。