ウキ釣り専科

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ウキ釣りにはまずマキエ

結論からいいますと、コマセを撒かないウキ釣りではさほどの釣果は望めません。「そんなことはない!俺はコマセを撒かなくても釣っているぞ」というご意見もあるでしょう。しかし一般的には好釣果は難しいのが現実です。もちろんノマセ釣りなどコマセを撒かないウキ釣りもありますが、これは例外と考えておいて下さい。ウキ釣りにはコマセというのが、まずセオリーなのです…。今日はそのマキエのあれこれを解説しましょう。

なぜウキ釣りにはコマセが必要なのか?

陸っぱりの釣りには大別して、ウキを使うウキ釣り、軽いオモリだけで釣るミャク釣り、仕掛けを遠投して釣る投げ釣りの3種があります。もう一度ここで釣り方をおさらいしてみると…

ウキ釣りの狙い目 流れにウキを流し込んで釣る、ポイント、タナは刻々と変化
ミャク釣りの狙い目 足下に居着く根魚たちや、岸を餌場にするチヌなど
投げ釣りの狙い目 沖の底地に居着く魚たちや、底を餌場に徘徊する魚

ご覧になれば分かるようにミャク釣りと投げ釣りは、使うオモリの重さや対象魚に違いはあれ、ポイントを直撃するという点では同じです。必然的に魚がいないところでは釣れません。投げ釣り師の釣果が腕前もさることながら、ひとえに釣り場選択とポイント選びに関わっているのは、この事実からです。

しかしウキ釣りのウキは流れていきます。攻略ポイントは潮の流れに沿った帯状になりますから、住処を都合良く直撃するというわけにはいきません。タナも一番魚の濃い壁や底は苦手です。むりやり狙っても根掛かりで仕掛けをなくすだけでしょう。

コマセを使わない波止釣りで、コンスタントな釣果を上げる波止師の多くが短竿のミャク釣りや落とし込み、あるいはズボ釣り、ブッコミ釣りであることはよく知られています。ウキ釣りでは残念ながら沖目を釣る太刀魚やイカ釣りを除いて、なかなか魚をポンポン釣り上げることはかないません。

といって波止ではウキ釣りがダメかというとそういうわけではありません。ウキのいいところは流れを自在に釣れると云うところです。しかし一般的にウキを流す適当な距離、水深、ポイントにはあまり魚がいません。だったら魚を呼び寄せましょう。ここでコマセの登場です。ミャク釣りや投げ釣りがポイントを探す釣りだとすると、ウキ釣りはポイントを自ら作る釣りです!

コマセを使う釣りを検証してみよう

コマセを使う釣りというのは案外多いものです。またコマセにも色々な種類があります。ちょっと整理しつつ勉強してみましょう。

分野 釣り方 要 点 主要コマセ
波止 サビキ釣り ファミリーにもお馴染みですね。 アミエビ
エビまき釣り 関西名物です。スズキ、メバル、チヌ狙い。 シラサエビ
サヨリ釣り サヨリなど回遊魚は沖から寄せて釣ります。 アミエビ
紀州釣り チヌダンゴで底を攻めるウキ釣りです。 ダンゴ
フカセ釣り いわゆるウキフカセでグレ・チヌ狙い。 オキアミ
カゴ釣り 大型ウキとコマセカゴで青物・マダイ狙い。 オキアミ
かかりづり チヌダンゴで底を攻めます。 ダンゴ
胴付・天秤ズボ カゴにコマセを入れて寄せます。 オキアミ

この表以外にも、地方によって色々なバージョンやコマセがあります。波止釣りしかしたことをない人は、コマセというとサビキ程度しか思い浮かばない方も多いと思います。しかし上の表からも明らかなようにコマセを使う釣りの方が、むしろ実際はメジャーな釣法です。波止はどうしても手軽でお金のかからない釣りというイメージが強いので、コマセとは縁が遠くなってしまうのかも知れません。

磯釣りでは「コマセの切れ目が縁の切れ目」とよくいいます。実際コマセを切らしてしまうと、まず釣りを続けることは不可能です。波止より魚の濃い磯でもそうですから、波止では押して知るべしです。投げ釣りの一種である石鯛釣りでも、マキエの威力は絶大です。やはり魚が寄ってくるのです。

ウキ釣りは流れを釣ります。流れの筋にコマセを効かすことで魚を寄せ、足止めを掛け釣り上げるのです。広い海の中をポツンとサシエが流れていても魚は知らん顔です。しかし美味しそうなコマセの帯が海中を漂うと、魚は「ハングリー!」と興奮して突っ込んできます。そこでウキ下をコマセの流れているタナとうまくあわせると、爆釣というシーンが期待できるわけです。

メリットがデメリットを上回る

いいことづくめのようなコマセを使う釣りでも、弱点がないわけではありません。

費用がかかる? アミエビなら安く上がりますが…
傾向と対策
見込める釣果の大きさから考えれば安いものです。やはり釣ってなんぼですからね。生きエビは高価ですが、アミエビやオキアミでしたらぐんと低価格ですし、タダ同然のヌカなども立派なコマセになります。
荷物が増える? 荷物は間違いなく増えます
傾向と対策
重めの手荷物が増えますから、普段からだらだらと荷物を持っていくような人には向きません。必要最小限に荷物をコンパクトにまとめ、身軽に行動できるよう準備しておく必要があります。
釣り場を汚す? ごもっとも〜行儀の悪い人が多くて恥ずかしい
傾向と対策
釣り場は水で洗い流して帰りましょう。面倒くさいならコマセは使わないことです。またコマセそのものが生態に悪影響を及ぼすと云う人もいますが〜どうでしょうか?養殖場のようにヘドロが堆積するほど釣人は撒きませんから問題ないと思います。環境破壊はもっと大きなことが原因でしょう。しかし気に留めておく必要はあります。

私自身、波止ではミャク釣りが好きです。魚の居場所を探って歩くのも楽しいものです。うまく巡り会えるとやったぁと思います。しかし「何が何でも釣って帰るぞ」と決めた日は、得意のウキ釣りで勝負です。狙った魚、ポイント、その日の天候に最適なコマセをセッティングします。もう釣ったも同然!しゅっぱぁつっ〜

マキエアラカルト

魚を寄せるために使う餌をコマセといいますが、波止や磯など陸っぱりの釣りは撒かなくてはいけません。ですからマキエといった方がピンときます。以下当道場ではマキエと呼び慣わすことにします。さてマキエには多種の餌が使われています。主なものをピックアップしてみましょう。

種別 マキエ 要 点
アミエビ系 アミエビ エビというよりプランクトンの一種です。安価でサビキやウキ釣りなど色々な分野で使われています。
オキアミ 正式には南極オキアミといい、アミエビの親玉です。サシエにも使え、喰いがよく安価と3拍子揃った海釣りの餌で、ウキ釣りではもっともポピュラーに使われています。
ボイル オキアミを蒸気の熱でボイルしたものです。餌取りにはやや強いですが、喰いそのものは少し落ちます。消化がいいので喰いが長く続くといって好む釣人もいます。生ボイルといって少し柔らか目のものもあります。
エビ系 シラサエビ 琵琶湖産のモエビ。最近は輸入品が多くなり、安定して流通しています。生きエビだけに対象魚を選ばず、喰いは抜群。
湖産 シラサエビを冷凍にしたものです。喰いがいいと云うよりはアジなどの餌取りに強いため、夏場の磯釣りに使われます。
ブツエビ 沼エビの一種。深みに潜っていく習性があるためメバル釣りには最高のエビです。
さなぎ系 さなぎ 蚕のさなぎです。チヌや夏のマダイ狙いにそのまま撒いて使うこともありますが、一般的にはペースト状のミンチにしたり、パウダー状に挽かれたものをよく使います。
魚肉系 イワシミンチ 魚種を選ばないマキエで以前は主流で使われていましたが、最近ではオキアミに取って代わられました。
キビナゴ タマミ(フエフキ)の夜釣りなどに使われます。
マキエの
ベース
オカラ マキエのつなぎに使います。よく膨れて増量します。マキエが重くなるので遠投性が向上し、同時に深いところにも届きます。白い濁りも生みますからチヌ狙いに多用されます。
ヌカ マキエのつなぎに使います。まとまりが良くなる割には、水中でもうまくばらけます。これに赤土や砂、アミエビなどを加えてダンゴのベースによく使われます。
パン粉 比重が軽いため流れの上層部にとどまります。軽いオキアミとマッチングがいいのでグレ釣りに人気があります。
押し麦 ベースではありませんがよく混入されます。白い粒が海中では餌に見えるのでしょうか、チヌもグレもこれを好みます。
赤土 遠投性がよく、濁りを生みます。それ自身は餌ではないため、餌取りを寄せすぎないという利点があるので、夏のチヌ釣りに使われます。サナギを混ぜて使われることが多いようです。
集魚材 人工
配合餌
オカラやパン粉をベースに、乾燥アミエビやさなぎパウダーを混入したマキエです。魚の好む各種のエッセンスを添加したり、遠投性がよくなるよう比重に工夫がなされたものもあります。単独で使用できるものもありますが、一般的にはオキアミと組合わせてよく使われます。

上記表にあるマキエベースとは、マキエのつなぎに使う配合材です。杓で撒きやすくするとか、海中で沈む速度を調整する、風に強く遠投性をよくする、濁りを生んで魚をおびき寄せる、マキエを増量させるなど…色々な役割を果たします。各種のものがありますが、釣人は対象魚や用途、好みで使い分けています。最近ではメーカーから発売されている集魚材が、アミエビやオキアミなどのコマセのベースとして使われています。

ざっと解説しましたが、まだまだ色々なマキエがありますし、最近では釣りメーカーが色々な商品を開発しています。ウキ釣りで釣果を上げようとするならば、まずマキエのことをよく知り、マキエテクニックをマスターしなければいけません。マキエのテクニックイコールウキ釣りのテクニックと言い換えてもいいほどです。次回はばっちりテクニックを解説しましょう。