ウキ釣り専科

ウキ釣り専科

こだわれば一人前・糸

竿やリールなど大道具にこだわる人もいますし、道具より腕と意外に無頓着な人もいます。しかし釣りが分かってくると、鈎や糸などの小物に無関心ではいられなくなります。この小さな脇役こそ実は釣果を大きく左右するものなのです。リールに古い糸を巻いたままの人をよく見かけますが、寿命の来た糸を平気で使い続けているようでは上達はおぼつきません。糸は偉大な小物、大きな主役なのです。

ハリスと道糸の役割分担

ハリスは力持ち
ハリスは直接鈎を結び、餌を魚の口まで届けます。また魚を釣った時は、魚の強引(魚が強く引くこと)を一身に受け止めるという過酷な役目を担っています。
  1. 魚の引く直線的な力に耐える強度
  2. 根ずれ(岩に擦れること)に耐える強度
  3. 最小の細さで実現する最大の強度
  4. 熱に強く縮れにくい(結ぶ時)
  5. 魚から見えにくい透明度
  6. 仕掛けが絡みにくい張り

道糸は働き者
道糸は釣りのジャンルによって求められる性能が違いますが、もっともシビアな性能が求められるウキ釣りを例に取ると…。

  1. リールに馴染むしなやかさ&巻き癖のつきにくさ
  2. 仕掛けを自在に操れるさばきやすさ(=操作性のよさ)
  3. ガイド(中通しの場合は内部)を通るときの滑りよさ
  4. お祭りしにくい腰の強さ
  5. 浮かず沈まずの浮力(※釣り方で異なります)
  6. ウキを操作するときの水切れのよさ
  7. 小さなアタリで反応が出る感度のよさ
  8. ショックを糸全体の伸びでじわっと吸収する粘り強さ
  9. 魚からは見えにくく、釣り人からは見えやすい視認性
  10. 耐久性とリーズナブルな価格

こりゃ凄い
どうです?糸に求められる性能は凄いもの〜相反する性能を両立させなければいけませんから、メーカーは大変。釣りが分かってくると、いい糸とそうでない糸の差が歴然と分かるようになります。いいハリスはここ一発の大物の引きに耐え、いい道糸はここ一発のポイントで魚を掛けてくれます。もっと糸にこだわりましょう。

ハリスの傾向と使いこなし

科学の進歩で最近の糸は凄く強くなりました。ハリスの強度を心配して、大きい魚と思い切ったやりとりをできない人がいます。一度2号のハリスを手で切ってみてください。まず切れません、無理をすると怪我をするはずです。

いくら魚が引くといっても波止ではせいぜい3〜4kgが最大級、人間様が負けるわけありません。根かかりを切るのは大変でしょう?それぐらい頑張れば大抵の魚はバラシません。

種 類
最近はフロロカーボンと呼ばれる炭素繊維のものが主流です。ナイロン製より根擦れ強度が高く、水中での透明度に優れます。ハリスは使っているうちに白くなって透明度が下がりますが、その性能も優れています。伸びが少ないためアタリが出やすく水中での姿勢がいいのですが、しなやかさはナイロンが上です。

使いこなし
ハリスはそう安くないので長さを気にしてちびちび使ったり、朝から1日ハリスを交換せずに使っている方も多いでしょう。しかしヨリ・チヂレ・変色したハリスは食いがとても落ちるのです。いや、それでも「ボクは釣った」といわれる方は少ないはずです。仕掛けを海中からあげるたびにチェックする癖を付けてください。よく釣る人ほどまめに交換します。

強度UP
ハリスは道糸と違って短く使います。ですからショックアブソーバーの役目となる伸びが期待できません。ある程度の大物を釣る可能性がある釣り場では、ハリスを長めにとって下さい。これだけでも限界ぎりぎりではだいぶん違います。

結節強度
糸が切れるのは直線ではありません。結節部分と呼ばれる結び目なのです。十中八九ここが飛びます。ですから強い糸を探すより、強い結びを手が覚えるまで練習してください。強さを生かすのはあなたの結び方次第です。

根ずれ強度
テトラの釣りや、磯釣りでばらしたといって泣いているのは、ほとんどこの根ずれが原因です。この場合いくら糸を太くしていてもカキの鋭い殻のようなものに擦れると一巻の終わりです。ですから魚を誘導する技術が必要です。まぁ〜高級品は根ずれ強度も考えて作っていますから、気休めにはなります。

道糸の傾向と使いこなし

種類
ナイロンを主体に、最近ではフロロカーボンも多くなりました。両方をミックスしたハイブリットなものもあります。PEラインと呼ばれるナイロン糸の2倍の強度をもつハイテクラインもあります。

HINT
フロロカーボンの道糸は伸びが少ないため、アタリがダイレクトに出やすくルアーマンによく使われていましたが、海中に沈みやすく風に強いため最近は海釣りでもファンが増えました。PEラインはその強度(約2倍)を生かして面白い使い方ができそうですが、価格が高いことと、軽い仕掛けでは糸がらみのトラブルが多いためマニア向けです。一般的にはナイロンがバリエーションも多く主流です。

賢い買い方
糸は消耗品という考え方を身につけましょう。高級な糸を1年間使うより、そこそこの糸をしょっちゅう巻き変える方が賢いやり方です。それでも1年経つと糸代でも結構な金額になります。ですから釣具店のバーゲンはチェックしておきましょう。

HINT
よく使う糸は割引で買いだめしておくのが賢いやり方。70m巻(ルアー用浅ミゾ)の小型リールを買っておき、150mの糸を半分ずつ巻くというせこい節約も有効です。売られている標準糸巻き量の150mという長さは、糸をたくさん出している時にばっさり切られても(高切れ)釣りを継続できるよう余裕を見込んだ長さですから、一般の波止釣りではあまり意味はないのです。

選択のコツ
糸は包装を外して手で触るというわけにはいきませんが、人気のあるものはやはりそれだけのことはあります。ただ最近は次々と新製品をメーカーが出すために、折角気に入った製品があってもいつしか廃番〜また新しい商品を探さなくてはいけないということがあります。ですから自分が何を重視しているのかということを、具体的に店員さんに伝えるとけっこうチャンとしたものを選んでくれます。例として筆者の場合、下記のようなことを重視しています。
  1. 巻き癖のつかないもの
    巻き癖のつかないものはしなやかで操作性がよく、糸がらみのトラブルも少ないものです。欠点として強度がやや落ちるようです。

  2. 水切れのいいもの
    風の強い日などは軽い仕掛けは流されがちです。よく水の切れる糸は道糸の修正がしやすいものです。また水切れのいい糸ほど感度も優れています。欠点として、水切れのいい糸は、蛍光色でないものが多く、視認性がよくないものが殆どです。

  3. 浮かず沈まずのもの
    浮く糸(軽い)は操作はしやすいのですが風に弱いのです。沈む糸(重い)は風に強く仕掛けがタナに入って行きやすいのですが、糸が修正しにくいのです。一長一短ですからオールマイティな中間の重さを使っています。最近は包装に特性を書いてあるものもあります。

  4. どこにでも売っているもの
    消耗品なので補充しますが、あまりマイナーなものは地方の釣行先では手に入らない恐れがあります。 人気のあるメジャーな商品はまずどこの店でも変えますし、商品ライフも長いものです。

  5. ウキを使わない釣りの場合
    強く伸びの少ないフロロカーボン系の糸を両軸リールに巻いています。アタリが出やすいのが特長です。投げ釣りには投げ釣り専用の糸を巻いていますが、特にこだわらず定番で決めています。