隣に負けない丸秘テク

必釣丸秘テク

アワセのテクニック

アワセとは魚の口に鈎を掛ける釣りの技です。これが結構簡単なようで難しい。アタリが出てアワセを入れて、魚の重みがぐーんと竿に乗ってきたときは、釣り師なら誰でもハッピーになりますが、スコンとスカを喰らったときほどショックなものはありません。今日はアワセの基本を手ほどきしましょう。

海では向こうアワセというが…

向こうアワセという言葉を聞いたことがありますか?アタリが出て放っておいても、勝手に鈎掛かりしてくれることをいいます。淡水魚の釣りと違って、一般的に海の釣りでは、向こうアワセで充分と云われています。ルアーフィッシングの番組などで、魚がヒットするやいなや猛烈な勢いで、ロッドをしゃくってフッキングさせているシーンをご覧になった方は多いと思います。一般的な海の釣りで、そこまで大アワセする必要はありません。沖釣り(船)では魚の重みを感じたら、もう魚が鈎に掛かっていますから、後はリールを巻き上げるだけです。

とはいうものの、船以外の波止や磯ではどうでしょうか。確かに向こうアワセで釣れることも多いのですが、放っておくと餌だけ取られたか、すこしかじられただけで終わり…、これはいかん!とアワセを入れても、全然鈎に掛からないと云うこともよくあります。こういうときは、アワセの上手な人と下手な人では、相当釣果に差が付きます。「海では向こうアワセ」という言葉は原則ではありますが、必ずしも絶対というわけではありません。

シビアなアワセが要求される淡水の釣り

管理池で催されるヘラブナの競技会をご覧になったことがおありですか。凄くシビアなアタリを読み、瞬時に合わせる技は見物です。大体ヘラのアワセに必要なスピードは10分の3秒とされています。ひぇ〜どんくさい笑魚にはまず無理です。繊細なヘラウキが一目盛り(数ミリ)沈んだ瞬間、10分の3秒で合わせるのですぞ、我々とはレベルが違いますね、ハハハ。昔ヘラ出身の名手と並んで磯でグレを釣ったことがありますが、やはり小アタリを見切る目と独特なアワセ方は、見ていてとても興味深いものがありました。

毛鈎を駆使する渓流のイワナ釣りはもっと凄い!アワセが遅れると瞬間にイワナは毛鈎を吐き出しますから、俊速のアワセが要求されます。ビデオで検証したテンカラ釣りの名人の合わせる速度は、なんと10分の1秒だそうです。目ばたきする時間で掛け合わせるのです。もちろんこんな速度は人間の条件反射を超えています。名人は毛鈎を見ているのではなく、毛鈎に襲いかかろうとしている水中の黒い影を見ているのです。さっと黒い影が水底を横切ったら、竿を立てる…これでばっちり鈎掛かりするとのこと、ほぉ〜手練の技です。

用語でわかるアワセテクニック

釣人を悩ませるアワセにはけっこう色々な用語があります。この意味を知るだけでも、アワセが上手くなるはずです。
向こうアワセ
その名の通り魚任せのアワセ。ウキが沈んだり穂先が引き込まれたら、ゆっくり竿を立てて糸を巻けばいいのです。特に沖釣りでアタリがでた時は、すでに魚が鈎に掛かっていますから合わせる(竿をしゃくる操作)必要はまったくありません。 投げ釣りも向こう合わせの釣りです。竿先にビビビと来るアタリでしたら、もう魚が鈎をくわえるか呑み込んでいる状態ですから、糸ふけをしっかり取ってから竿を立ててやれば充分。

他の釣りでも手に魚体の重みを感じたときは、すでに向こう合わせの状態です。鈎はとても鋭いですから、軽く糸にテンションを掛けるだけで充分鈎掛かりします。

早アワセ
ウキ、穂先、道糸などに変化がでたら瞬時にアワセを入れることです。船でもカワハギ釣りにはこのテクニックが必要です。カワハギに代表される特別餌を摂るのが上手な魚はアワセが遅れると、まず鈎に掛けることはできません。

大体カワハギやグレのようにおちょぼ口の魚は餌を摂るのが上手と考えておいて間違いありません。コツンと来たら即アワセです。といっても力はいりません。スッと竿を立てるだけでいいのです。体の向きを入れ替えるような大げさな動きは必要ありません。ビシというのではなくグッといった感じでしょうか。

遅アワセ
「チヌは遅合わせ」釣りをやる人ならば誰でもが知っている格言です。これはいったん様子を見てから(前アタリ)餌を摂る(本アタリ)チヌの習性から来ています。しかし落とし込みなどは早合わせですし、アタリを見切っている名手は前アタリでも積極的に合わせていきます。状況によると考えた方がいいでしょう。

一般的には、捕食の下手な魚ほど遅アワセが原則です。ヒラメ、マゴチ、太刀魚などですね。たばこを一服するほど待てとか10数えろとか、色々いいます。しかし誘惑に負けて素鈎を引く人は多いようですね。

聞きアワセ
アタリがモゾモゾと明快でないときがあります。「うん?はて本命かな、餌取りか根掛かりかな…」というときに、道糸をじわ〜と張って様子を聞くことを聞きアワセと云います。

ウキが再び消し込まれたり、魚の重みを感じればそれでよし、今度はちゃんとアワセをくれてやります。鈎に乗ってこないようでしたら、そのまま釣りを続けてもいいですし、餌取りの仕業と云うことも考えられますから、仕掛を回収して餌を点検します。ここらへんは経験で分かるようになります。

下手の大アワセ
用語と云うよりは格言です。大体大アワセする人ほどそそっかしい人が多いのです。自身の経験で云えば(大笑)やはりアワセは「小さくソフトに確実に」です。なぜ大アワセがいけないのでしょうか。

まず水中をビシッと仕掛が走るそこにいと、る魚たちを脅えさせます。不必要な行為でポイントが荒れます。1号以下のハリスでしたら強いアワセで切れることもあります。風の強い日は穂先に糸が絡むことがあり、こんな時強いアワセを入れると一発で穂先が折れます(泣)また素鈎を引くとウキや仕掛が飛んできて、堤防や磯に当たって傷ついたり、仕掛がお祭りします。投げ釣りの鉛で怪我をすることもあるくらいです。くれぐれも沈着冷静に…大アワセは不要です。

必釣アワセテクを習得せよ

アワセの入れ方は、仕掛やアタリの出方と密接な相関関係があります。これを見抜き即座に対応することが、釣果への秘訣です。

糸ふけは必ず取れ!
ミャク釣りや船釣りは糸ふけがほとんど出ていません。こういう場合は即アワセでいいのですが、投げ釣りやウキ釣りは、どうしても流れや風の影響で糸ふけがでます。糸ふけが出ると、どうしてもアワセがワンテンポ遅れますし、最悪の場合は、竿を立てても糸ふけが取れるだけで、鈎掛かりまで至らないことがあります。

こういうときは焦らず、アタリが出たら、まずしっかりリールのハンドルを回して糸ふけを取ってやります。それからアワセを入れても遅くはありません。遠投の投げ釣りの場合は、糸ふけが大量にでますし、糸もかなり伸びてアワセが聞き難くなります。この場合は、竿を立てるというより倒しきるような大アワセが必要です。

糸ふけは少なく〜仕掛は張って流せ!
ウキ釣りの場合でしたら、仕掛がしゃんと伸びていないとアタリはちゃんと出ませんし、アワセも効きません。基本として糸ふけは最小限にして、かつ竿から鈎先まで仕掛がピンと張っているイメージで、仕掛を流すことが大事です。こうすることでアタリは明確に大きく出ますし、小さいアワセでも充分鈎掛かりさせることが可能になります。

上級者になれば状況によっては、糸ふけをわざと出して流す場合もあります。この場合は前当りが出れば糸ふけをとりつつ本あたりを待つか、いきなりの本あたりならば、高速で糸を巻き取りながら、大きめのアワセで合わせることになります。ここが腕の見せ所です。

先手が取れるアワセを入れろ!

アワセを鈎掛かりさせるだけの行為と考えてはいけません。アワセは取り込みの第一段階です。瞬時に掛けたポイントの状況判断や、取り込みやすい場所への誘導を考えなくてはいけません。特に大物狙いの場合でしたら、掛けてから焦らないでいいよう、掛けた後のことをいつも考えて仕掛を流す(投入する)習慣をつけましょう。

グレなどシモリへ逃げ込みたがる魚の場合でしたら、高速でハンドルを回転させ糸ふけを取りながら、竿を立てアワセを入れるというテクニックが必要になります。そうすることで反撃を許さない先手が取れるのです。

聞きアワセは上級者への課題
水温の低い時期や、ノッコミ後の喰い渋り時期はなかなか鈎に掛かってくれないものです。厳寒期のメバルなどは餌をくわえたままじぃ〜としていることがあります。水面下5cmでウキが止まったままの状態です。こんな時はアワセを入れてもすっぽ抜けということが多いのです。

じわっと糸を張ってやるぐらいの聞きアワセを入れると、少し間を置いてからウキがしずしず沈んでいきます。やがて魚の重みが竿に伝わってきます。そこで始めて竿を立てるのです。このテクニックは寒のチヌやスズキにも有効です。ぜひマスターして下さい、普段の釣りも上手になるはずです。

竿を立てないアワセもある
通常アワセは竿を真上に立てますが、ウキを沖に流しているときは、竿を真横にして合わせることもあります。覚えておくと役立つこともあるテクニックです。

素鈎を引くと軽い仕掛でしたらウキごと飛んできます。竿を真横にして合わせると、ウキが海中を移動する形になるので、空中へ飛び出しません。トラブル防止になります。また魚は上から引っ張られると潜ろうと抵抗しますが、進行方向から引かれると抵抗できずに案外素直についてきます。

アワセのタイミングをチェック
一人で釣りをしていると、アワセのタイミングが最適かどうか分かりません。セルフチェックをしてみましょう。ウキ釣りの場合、いつも鈎が呑まれている人はアワセが遅いのです。タナが的確でしたら、鈎はかんぬきといって上顎と下顎の合わせ目に掛かるはずです。わざと遅アワセで鈎を呑み込ませて釣ることもありますが、それは例外です。通常は鈎先をかんぬきに掛けることをタイミングの目安にして下さい。鈎を呑まれると外すのに手間取り手返しが遅くなりますし、歯の当る部分のハリスも傷つきます。魚によっては鋭い刃で仕掛を切られます。

ミャク釣りでしたらピクピクと来た瞬間、条件反射的に竿を立てていますから、大抵鈎は呑まれていないはずです。しかし日によってはなかなか鈎に掛からない日もあります。そんな日はすぐに合わさず、グンと竿に魚の重みが乗るまで辛抱すると、間違いなく鈎がかりさせることができます。投げ釣りは釣りの性格上、たいてい鈎が呑み込まれているはずです。これは腕が悪いのではなく仕方ありません。

魚の習性をマスターしろ
海の釣りは向こうアワセが基本と書きました。青物などは小魚の群に突っ込んできて捕食するような魚ですから、アワセも大ざっぱでいいのです。普段私たちを楽しませてくれている魚たちも基本的には向こうアワセです。アタリを取ると云うよりは、聞きアワセの延長で充分釣れます。

しかし石鯛のように口の廻りが特別固く、パワーのある魚はガツンと大アワセを入れて、充分鈎掛かりをさせると同時に根に潜り込まれないよう先手を取る技術が要求されます。波止でもハゲやメバル、サヨリはアワセ加減で差の出る釣りです。対象魚別の技術はやはり経験が必要です。このコーナーを参考に、後は実地でお勉強して下さい。

大アタリへの対応
いきなり穂先が引き込まれるような予想外の大物で、アワセを入れるどころか、頭が真っ白プッツンという経験をした方もおられるでしょう。ウキ釣りでしたら穂先をウキに向けておかないことです。竿が伸されやすく棒引きになるとハリスはすぐに切れます。ミャク釣りでしたら足下でアタリがダイレクトに出ますから、スプールにロックを掛けておいてはいけません。いつでも糸が繰り出せるように、スプールをフリーにして指でサミングしておきましょう。

大きい魚は鈎を呑み込むまでの前アタリは意外と小さいものですが、いったん鈎掛かりすると魚体が大きいだけにアタリも大きいのです。アワセ云々よりもいつ来ても万全という気構えと道具の選択、整備が必要です。

読者の質問

アワセが難しい〜

エビまきのハネ狙いで「ウキがもぞもぞと沈んでから浮いて、また少し沈んで…」という感じのアタリは、どの様にアワセれば良いのでしょうか?少し沈んだ時に、アワセのテクニックにあった「聞きアワセ」で、そーっと竿を上げてみるのですが、魚がエサを放す感覚があって逃げてしまいます。逃げる感覚がはっきり手にとれます。もしくは、すこし引かれて「やった!」と思った瞬間、鈎掛かりせず逃げてしまいます。あと少しで釣れたと思うと残念なのですが、こういう場合は、鈎がかかるまで待つしかないのでしょうか?うーん、難しい!

  1. 難しいですね。このようなアタリには主に二つの原因があると考えられます。一つはウキ下の設定がちょっと深くなっている場合です。この場合なら、ウキ止めを少し下げウキ下を浅くすると、アタリが明確になることがあります。スズキは捕食してから反転する魚ではないため、図体の割にはアタリは小さい方です。鈎をくわえたまま食い上げ気味でうろうろしている場合が多いので、感度の低いウキでウキ下を深くして釣っていると「もぞもぞ」と明確でないアタリがよく出るものです。

  2. しかしお便りを読む限り、この場合は上記の理由とは違うようです。本命のアタリでなくジャミアタリでしょう(エサ取り)。つまりエビを撒くと本命だけでなく、エサ取りもよく集まるのです。犯人がメバルの新子やセイゴの赤ちゃん、よ〜わからん小魚であることも多いのです(小アジ小サバならツンアタリが出るのですぐ分かる)。私の経験ではスズキは学習能力のそう高い魚ではなく、チヌやグレのようにくわえた鈎を吐き出すということはあまりないようです。セイゴの群が回ってきたときは、このジャミアタリは出なかったはずです。弱い小魚は避難しますからね。

  3. どうしても犯人を挙げたければ、正体を検証するのは簡単です。小さいウキと細ハリスに変えて(仕掛けの感度を上げる)金袖のような小鈎に小餌を付けるのです。おそらく犯人が釣れるでしょう。食べられるサイズではないと思いますが…

  4. エサが取られないようなら無視して下さい。明確な刻みアタリ(刻むようにウキが沈む)やケシコミアタリ(一気に消し込む)、あるいは力強く押さえ込むアタリがでるまで、辛抱しましょう。エサ取りのアタリを見切るのも腕前です。