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必釣丸秘テク

海の万能エサ・オキアミ

オキアミの登場で海の釣りは大変革を迎えました。サシエに良し、コマセに良し、魚種を選ばず喰いがよく、安価で冷凍保存がきくという、まさに釣り人が待望した夢のエサだったのです。オキアミに特化した釣り技術も開発され、もはや磯釣りや沖釣りでは、オキアミなしの釣りというのは考えられません。しかしながら波止釣りでは、イソメ類に押されて今ひとつ人気がないようです。食わず嫌いという言葉もあります。今夜はちょっとオキアミ使いをお勉強して、喰わせる技のバリエーションを増やしましょう。

オキアミってなに…

オキアミはアミエビの遠い親戚
私たち釣り人がオキアミと呼んでいるものは、正式には「南極オキアミ」という大型アミエビです。サビキ釣りで使うコマセ「アミエビ」は日本近海(三陸沖が主漁場)で捕れますが、こいつはその名の通り南極海に生息しています。鯨やアザラシなどの動物はすべてこのオキアミを主食としています。エビの格好をしていますが、実はエビの仲間ではなく、動物性プランクトンに分類されています。南極でのオキアミ漁は、例年1月〜4月(南極では夏〜秋)ですが、釣り人の喜ぶ白いオキアミは7月(南極の冬)に捕るそうです。体長はおよそ3〜6センチくらいになります。

日本の捕獲高は年間2万トン弱、その他輸入をあわせて3万トン弱のうち、約60パーセントがつりエサ市場に出荷されているそうです。凄いですね!その他は養殖用や人間様の食用向け(かっぱえびせん?)に供されています。推定資源規模は数億トンとされており、乱獲も行われていないところから、資源枯渇の心配は当分ありません。われわれ釣り師としては、このエサに限り供給を心配する必要はないようです。

余談 
オキアミは英語でクリルといい、乾燥させたものは熱帯魚の高栄養な飼育エサです。またオキアミ独特の赤い色はとても強い着色料で、化粧品メーカーが口紅原料として研究したという話?があるくらいです。もっともあの臭いで開発が頓挫したらしいですが(笑い) 色が素晴らしいというのは本当で、高級金魚の色揚げ(独特の赤い色を発色させること)エサとしても使われています。

オキアミのどこが凄い!?

オキアミが釣りエサとして登場したのは25年も前のことですが、革新的に海の釣りを変えました。例えば磯釣りでは、それまでコマセにはアミエビ、サシエには湖産や海エビ、サクラエビを使っていたのですが、コマセ、サシエともにオキアミというスタイルは、あっという間にエサの主役の座を奪いました。それまで船でしか釣れないとされていたヒラマサを磯から釣れるようになったのも、このエサのお陰といわれています。一体オキアミの威力はどこにあるのでしょうか? その長所と短所を箇条書きにして整理してみましょう。

長所
  1. 高蛋白で魚の喰いが抜群によい!
  2. 釣れない魚が少ないぐらい、魚種を選ばない!
    グレ、クロダイ、マダイ、シマアジ、カンダイ、ブダイ、メバル、カサゴ、コロダイ、アイゴ、イサキ、ベラ、サバ、アジ、イワシ、ハマチ、イズスミ、カツオ、ニザダイ、ウミタナゴ、アイナメ、カサゴ、メバル、アマダイ、マダカ、チダイ、メイチダイ、ボラ、ムロアジ、メダイ、カワハギ、カンパチ、ヒラマサ、ブリ、イシダイ、イシガキダイ、カレイ、ホッケ など、要するにほとんどね…表にはないがこれでセイゴを何回も釣ったことがあるぞ。
  3. 集魚力が高いためコマセにも併用できる!
    ※カモフラージュという面からも、同じ方が理にかなっているネ。
  4. 比重が軽く沈下速度が遅いため、コマセとして理想的!
  5. 他のエサと比較して圧倒的に安価!
  6. 冷凍で保存できるため、季節を通してどこでも入手できる。
欠点
  1. いったん解凍してしまうと、オキアミ自身が持つプロテアーゼという消化酵素のために「自己消化現象=黒変」をおこす。黒変は胸部から起こる。黒変はわずかながらも喰いが低下する。
  2. 集魚力が高く沈下速度が遅いと云うことは、逆にエサ取りを大量に集め、居着かせることにもなる=エサ持ちが悪く本命に届かない。
  3. 高蛋白であるため、連日大量に撒きすぎると魚が消化不良を起こし、喰いが一時的に落ちるという説もある。
  4. 柔らかいため遠投するとエサ落ちするため、投げ釣りには不向き。
  5. 腐るととんでもなく臭う、ひぇ〜

傾向と対策 お分かりいただけたでしょうか。オキアミはエサとして理想的な資質を持っていますが、その資質が逆に欠点になっています。しかし釣りをする人ならばお分かりのように、オキアミに限らず食いのいいエサほどエサ取りも好むものです。また弱点とされる黒変も、高価な生き餌の鮮度管理に比べれば、大して気を使うほどでもありません。ちょっとしたエサ使いで弱点を克服しましょう。

黒変対策
  1. 直射日光に当てない。日光に当ると冬でも早く黒変する。※気になる人はフタ付きのエサバッカンを使うとよい。
  2. 黒変すると身崩れするため鈎に刺しにくくなる。サシエサは使う分だけを取り出し、残りはクーラーで保管する。
  3. 集魚材と混ぜるときは、海水の方が変色が遅い。店頭で真水で混ぜ合わせるのは考え物。
  4. ボイルしたオキアミは酵素が死ぬため、黒変しにくい
エサ取り対策
  1. 釣り人により色々な技が開発されている(別章にて解説)
  2. 若干ではあるが、生オキアミよりは、ボイルオキアミの方がエサ持ちはよい。
  3. 取られにくいよう身を固く加工した市販品もある。
消化不良対策
  1. 愛媛県宇和島方面などでは、この理由から生オキアミは禁止されており、ボイルオキアミのみ使用可能。生に比べると消化が良いため、時合いが長く続くという人もいる。
エサ落ち対策
  1. 鈎使いや刺し方で大分変わる(下記参照)。
  2. エサ落ちしにくいよう加工した市販品もある
異臭対策
  1. マメに洗うしか打つ手なし(T.T)
  2. 真水で洗う+天日干し〜これが一番。
  3. もっともオキアミに限らずエサは腐ると臭いなぁ。

どんなオキアミが売ってるの?

サイズ
大きく分けて「生」のほかに「半生」「ボイル」「添加剤入り」などがあります。サイズ分けされて売られており「M」「L」「LL」とあります。コマセ用のブロック売りしているものも含めて、一般的に売られているものは「L」「LL」サイズがほとんどです。グレ釣りにいいとされている「M」サイズは、特にグレ釣りが盛んな地方のエサ店でないと入手できないようです。

ボイル
ボイルはナンキョクオキアミを船内のスチームで茹でて冷凍にしたものです。水分が抜けているので、生オキアミより軽く浮きます。バッカンに海水を浸し、その中で解凍すれば沈むようになります。生より身がよく締まっているので、サシエにした時エサもちがよく、夏場に人気があります。

筆者の感想で云えば、やはり生より喰いは落ちるようです。いくらか食い込みが遅いので当たりを掛け合わす際、ナマよりも遅めに掛け合わすほうがいいでしょう。「半生」は少し柔らかめにボイルしたもので、喰いとエサ持ちをある程度両立させようとした苦肉の策です(笑)

ブロック
ウキフカセでは大量にマキエを使います。こういう場合はパック入りではなく、写真のようなブロックと呼ばれる大きいものを使います。3kgと呼ばれるものがポピュラーで、幅が30cm程度あります。値段がずいぶん割安ですしサシエも取れます。特に品質の悪いものでなければ充分です。

ちなみに刺しエサ用にパック販売されているものは、比較的状態のよいものを選別したもので、喰いに変わりはありません。解凍しないと使えないので、解凍の予約を入れておくといいでしょう。オキアミを大量に扱う店でしたら、たいていやってくれます。来店時刻を伝えておくと間に合うよう解凍してくれるはずです。サービスしてくれない店もあるので、電話で確認して下さい。


右の写真のように市販されているオキアミには白っぽいものと赤い色のものがあります。前述したように、これは捕る時期の違いで品質そのものは同じとされています。しかし一般的にオキアミを使い慣れている釣り人は、白いオキアミを好みます。私自身使った感じでは、赤い方がやや皮が固く身痩せしているような気がします。白い方がぷりっとしていていかにも喰いそうです。餌屋もここらへんをよく知っており、赤オキアミはマキエ用として若干低価格で販売している店もあります。

加工品
オキアミは確かに喰いはいいのですが、エサ取りに弱く遠投が効かない、大きいサイズがないなど、サシエとしては使いにくい面もあります。そのためオキアミ登場以来、釣り人やエサメーカーは色々工夫をしてきました。例を挙げると…

  1. オキアミの房掛け用加工品
    青物の大物、クロダイやマダイ狙い用にLLサイズのオキアミを2尾、3尾と房にして、細糸でしばったもの。
  2. 締め加工で遠投しても鈎外れしにくく、エサ取りにも多少持つようにしたもの。各メーカーから出ている人気商品。笑魚も夏場はお世話になっている。

サシエの使い方入門

マキエについては別章で詳しく扱うとして、対象魚別にサシエ使いのヒントを書き出してみましょう。

グレ
  1. グレには小鈎小餌と云うぐらい、小さなサイズのオキアミがいいとされています。大きいオキアミなら頭を取ったりして小さくして使う人が多いようです。
  2. 小鈎ですから、鈎なりに丸く刺す人が多いですね。
  3. 黒い目の付いているオキアミがいいという説もあります。この場合は、Mサイズのオキアミを入手する必要があります。
  4. 磯と違って沖釣りやかかり釣りでは、大きいエサの方が効果があるようです。
チヌ
  1. チヌは目立つエサの方がいいようです。グレほどサイズにこだわらず、鈎のサイズに合えばいいでしょう。
  2. 回転すると喰いが落ちると云って嫌う人が多くいます。この場合は、尾羽を取りまっすぐ鈎を刺し、オキアミを伸ばした状態にします。ハリスがよれにくくなります。
マダイ・青物
  1. できるだけ目立つ大きいオキアミを使います。
  2. 抱き合わせで2匹掛けにするのも悪くありません。
  3. チヌと同じ理由で、真っ直ぐに刺すようにします。
寒の喰い渋り
  1. 磯の上物釣りでは、喰い渋る寒の時期、むき身といってオキアミの皮を剥いて鈎に刺すという細かいこともやります。確かに食い込みはよくなりますが、これをやったからといって必ず喰うという保証はありません(笑い)
抱卵オキアミ
  1. チヌには抱卵したオキアミが絶対!という説があります。私自身使ったこともありますが、効果のほどは??です。面白いと思う人はチャレンジして下さい。

オキアミDIY
ケン付き鈎というものがあります。オキアミを遠投しても外れにくいよう鈎にケンが付いたものですが、やはり強く振り込むとそれほど効果がないようです。それより身を締めた加工オキアミのほうが使いやすいでしょう。買ってもいいのですが、これは自分でも簡単にできます。手順を書いてみましょう。

  1. オキアミを必要な分、前日までに解凍する。
  2. タッパウェアに適当に並べ、塩をまんべんなく振りかける。
  3. その上にオキアミを並べ、また塩を振りかける。
  4. 冷凍庫に保存してお終い。

塩以外、砂糖や化学調味料でもできます。砂糖は使うときに指先が粘つきますが、身はよく締まります。化学調味料についてはあまり身が締まりませんが、アミノ酸の作用で喰いが向上すると云われています。塩と併用するといいでしょう。

このテクニックはオキアミ以外、例えば身の柔らかい赤貝などにも使えますし、エサ落ちしやすいキビナゴや、イワシの切り身を締めたりするのにも役立ちます。覚えて置いて役立てて下さい。

鈎の刺し方

鈎落ちしやすいオキアミには、鈎を刺すコツがあります。刺し方は人によって好みがありますし、対象魚や使う鈎によっても様々です。いくつかバリエーションがありますので、状況に応じて使い分けるようにして下さい。

小さく刺す

小鈎小餌の時の刺し方です。

  1. 頭と尾羽を取って鈎の曲がりに沿って刺します。鈎は身の中心を刺すのではなく、背中側の皮と身の隙間に差し込むような感じで刺すと、エサ落ちしにくいでしょう。
  2. 尾から刺す方法と頭側から刺す方法があります。どちらでもいいのですが、頭側から刺し尾の固いところで鈎先を止める感じにした方がしっかり固定できます。
丸く刺す

グレ釣りで多用される刺し方です。

  1. 頭があるかないかだけで、上と同じ刺し方です。
  2. 鈎はエサのサイズに合わせます。
真っ直ぐ刺す

チヌやマダイ・青物狙いで多用されます。

  1. 尾羽を取って、鈎をできるだけ真っ直ぐ差し込みます。鈎掛かりがよくなるよう、腹から少し鈎先を出して抜くのがコツです。
  2. 大きく目立たせたいときは、オキアミを抱き合わせて刺します。この場合は、鈎のサイズを大きくするのがコツです。

遠投する場合

まず小鈎を使っているのなら、鈎のサイズを大きくします。小鈎(チヌの1号以下など)で遠投は無理です。エサが落ちますよ。

  1. 次に身の崩れていないオキアミを選び、丁寧に頭を取ってから頭側から鈎を刺します。このときオキアミは逆エビにするのがツボです。
  2. ※この方法は笑魚のやり方ですが、他の方法よりいいようなのでお勧めします。色々研究してみて下さい。
むき身

寒の時期「アタリは出るが食い込まない」と云うようなときに有効な技です。器用でないと…ハハハ

  1. オキアミの頭と尾羽を取り、皮を剥きます。そのままでは小さいので必要に応じて、鈎サイズに合わせて2,3匹と鈎に刺します。
  2. 海エビなどもこうやって使うことがあるので、覚えておくと役立つこともあるでしょう。

慣れないうちは

軸の短い伊勢尼やグレ鈎は、慣れないうちはオキアミを刺しにくいと思います。チヌ鈎やマダイ鈎のように、長目の軸の鈎の方がしっかり固定できます。また鈎サイズは餌に合わせるのが基本です。呉々も大きいオキアミなら大きい鈎、小さいオキアミなら小さい鈎を選ぶように! 小鈎にこだわりすぎるのは考え物です。小鈎を使うときもありますが、あくまでも状況次第ですし使いこなしの腕も必要です。

よくエサ落ちする方へ
エサの付け方だけでなく、竿さばきにも問題があるようです。できるだけ竿をソフトに扱うことです。振り込みはルアーを投げるようなやり方ではダメです。エサを飛ばすのではなく、エサを置くようなイメージを持って下さい。竿の反動をあまり使わず、ふわ〜とゆっくり加速させるような動作を身につけましょう。馴れればそれでもかなり飛ぶようになります。ヘラ釣り師がやるようなたすき掛けで、振り込む技も身につけたいものです(別章で解説予定)。

エサ落ちを波紋で知る
エサが落ちたかどうかは、振り込むときに水面の波紋をよく見ておいて下さい。ウキとオモリとエサなら、波紋が3つできるはずです。二つなら、まずエサは何処かへ飛んでいったと考えましょう。

サシエのあるなしはウキで観察…
エサ取りにサシエが取られたかどうかは、ウキの動きをよく見ていて下さい。エサがなくなるとオキアミにかかる水圧がなくなり、ウキを押さえる力が減るため、ウキの流れ方にやや落ち着きがなくなります。高感度なウキと観察力が必要ですが、馴れればある程度分かるようになります。エサの付いていない鈎では釣れません!