魚種別攻略講座

魚種別攻略講座

夜のギャング太刀魚迎撃!

秋の夜長はこいつが一番!
そろそろ夜風が身に沁みる頃になると、太刀魚の季節です。「太刀魚が釣れたぞ」などという情報が一声入れば、どっと波止に釣り人が繰り出す秋の主役です。笑魚が若い頃は、いまほど太刀魚釣りをする人はいませんでした。温暖化の影響で魚影が濃くなったのかも知れません。数ある魚のうちでも、こいつの人相の悪さはまさに夜のギャングといって差し支えありません。しかし美味しい〜脂がたっぷり乗った塩焼きやお刺身の旨さといったら…。とろい魚のくせに案外簡単に鈎に掛からず、釣り人を熱くさせます。こいつの銀色にうねるヒレを見たくて毎年通いますが、結構むつかしいわ〜

ジョーズも真っ青!

本来サバの仲間
光る魚体から太刀魚、あるいは海中で静止しているときは、頭を上にまっすぐに立っているので立ち魚だとする説があります。北海道以南の全国各地の沿岸、水深100m前後の泥底に群で生息しています。3月から10月の間に各地で産卵するため、釣期にばらつきがあり、場所を変えればほぼ1年中、姿を見ることができます。料理方法を選ばない美味な魚ですが、旬は春から初夏とされています。イワシなどの小魚を食うフィッシュイーターですから、擬似餌にもよく反応します。近年はソルトルアーのターゲットとしても人気が高くなりました。

典型的なフィッシュイーター
昼間は底近くに潜んでいますが、夜陰に乗じて中層から表層近くに浮上します。餌を追い求めているため遊泳層は不定です。ですから船釣りでも、タナ合わせが重要とされています。体は長く尾ビレ、腹ビレやウロコがありせん。全長1.5mになり、全身銀白色をしています。この表皮から取れるグアニンという輝く物質は、マニキュアや模造真珠の原料になります。意外な魚の意外なものが利用されていますね。顔も恐ろしいですが歯も凄い!下手なカッターよりよく切れそうです。実際気をつけないと怪我をすることもあります。ナイロンハリスだと鋭い歯ですぐ切られますので、ワイヤーを使った仕掛けが主流です。

接岸時期をつかめ!
朝夕のマズメ時や夜には、小魚を追って表層まで浮上します。波止では接岸してくる夏から秋にかけてが釣期ですが、夜釣りに分があります。地域によって接岸する時期は大分ずれます。例えば笑魚の住む神戸はかなり回遊時期がずれ込みます。堺で釣れだしたら「まだまだ…」西宮で釣れだせば「そろそろ用意しとこか…」となります。防寒着を着込む初冬まで釣れる年もあります。こんな年は数こそ上がりませんが、立派な船釣りサイズで、脂がたっぷり乗っていますから最高です。

釣りの条件
小魚を追っていますから基本的には、小魚の群が集まってくる潮がよく動くところがいいでしょう。潮が合流する潮目やよれはプランクトンがよく溜まるため、小魚のエサ場になります。しっかり海を観察しましょう。湾内では船だまりや桟橋下、船道のかけ上がりがポイントになります。一見パッとしないこんな所で、エビを撒きながらメバルやスズキを狙っていてると、一発で仕掛けを切られることがよくあります。犯人はたいていこいつ!底は岩場より砂泥地がいいでしょう。

とっても美味な魚
どちらかというと関西で人気のある魚です。高級蒲鉾の材料にもなります。旬の春ものは通常期の3倍以上脂がのって美味しくなります。魚にしては珍しくオリーブ・菜種油でおなじみのオレイン酸がたっぷり含まれ、動脈硬化・心筋梗塞・胃の病気の予防や、強い歯・骨をつくるなどの優れた効果があるとされています。肉質が柔らかくくずれやすいので煮物・鍋物には向かず、塩焼き・照り焼き・ムニエル・フライが定番ですが、中でも刺身と唐揚げは最高。

  1. 銀皮造り…新鮮なものを3枚に卸し、皮付きのまま薄く切り、わさび醤油か酢味噌でどうぞ。
  2. 唐揚げ…油・バターと相性がよく、日本よりもアジア各国やヨーロッパでよく食されています。タレは醤油・しょうが・にんにく・ねぎなど好みで〜。唐辛子・豆板醤などピリ辛エスニック味もなかなか。小骨が多い魚ですが、油で揚げると身がホロリとはがれて食べやすくなります。

獰猛な歯に対応した仕掛け

色々あるが基本は同じ
太刀魚人気を反映して各種の仕掛けが売られています。ナイロンハリスではなく、ワイヤーを使うのでほとんどの釣り人が既製品を利用しています。メバルやチヌのように繊細な仕掛けは必要ありません。

鋭い歯に対応したワイヤー仕掛け、光に反応するので集魚ライトに加えて、タモを使わず引き抜きますので、ある程度しっかりした竿があればいいでしょう。写真のようにウキやオモリまでセットされたものもあるので、初心者には便利。

ウキ釣り仕掛け

キビナゴやイワシをエサに、沖を流すのんびりした仕掛けです。深いタナを攻めることもありますので遊動式がいいでしょう。竿は4m前後の柔らかめの投げ竿、2〜3号程度の磯竿を使います。短い竿はこの釣りには向きません。

HINT

  1. 馴れるまでは市販仕掛けでいいでしょう。各種ありますので、店員さんのアドバイスを受けて実績のあるものを選んで下さい。
  2. 笑魚のお勧めはチヌ鈎4号+細めのワイヤー、太刀魚用ケミホタル50です。
  3. ウキの大小はポイントの遠近で使い分けます。沖ほどオモリ負荷の大きめ、トップが長目の見やすいウキを使います。

ドジョウの引き釣り仕掛け

生きたドジョウをエサにルアーのように引きながら釣る釣りです。手返しが早いのでよく釣れる日は釣果で勝ります。しかし混んだ釣り場では、隣人の仕掛けとお祭りしやすくトラブルが多いので控えましょう。

ルアー感覚ですがバスロッドは向いていないでしょう。短い投げ竿かシーバスロッドがいいと思います。

HINT
太刀魚用テンヤという仕掛けに、生きたドジョウを針金で巻き付けて使うのがミソ、可哀想〜。日が落ちだしてから暗くなるまでの1時間程度が、引き釣りの最高の時合いです。ウキ釣りよりも短期集中型の釣りと考えておいていいでしょう。

笑魚の仕掛け

喰い渋る日にはいい仕掛けですが…

ぱこぱこ釣れる日ばかりだといいのですが、そうはいかない日もあります。アタリはよく出るがさっぱり喰いこまんという日もあります。ということで色々仕掛けをいじってみた結果です。まぁまぁの喰わせ仕掛けだと思っています。よろしければご参考に〜。

  1. 釣り味を大事にしたいですから、通常のウキ釣り仕掛けに近いものです。
  2. 人が混み合うので、操作性がよく沖を攻めやすい軽い1号負荷の円すいウキを使っています。軽い仕掛けほどアタリはよく出ますが、反面合わせるタイミングは難しくなります。鈍くさいウキの方が楽といえば楽。
  3. 極細ワイヤーと環付チヌ鈎を組合わせた喰わせ優先自作仕掛けです。
  4. ワイヤーを長くとりカラマン棒でウキの位置を決めていますので、固定的にも使え落ち込みのアタリが取りやすい仕掛けです=理由が分かれば貴方も一人前。
  5. 喰いが悪いときは5号フロロカーボンハリスを使うこともあります。
  6. 道糸2.5号でも充分抜き上げられます。さばきやすいので楽ちん。

エサをちゃんと付けることがまず基本

太刀魚は捕食の下手な魚です。まず腹付近にかみつきます。それからおもむろに頭から呑み込みますので、鈎に掛かるまで時間がかかります。じわじわしたアタリはこの食性が理由です。ですからちゃんとエサを付けておかないと、食い逃げされますし、遠投で外れることもあります。

生き餌の場合
泳がせて釣りますから、1本鈎なら口掛けか背掛けにします。口掛けの方がやや弱りにくいようですし、弱ってPRしにくくなったらルアーのように引きずることができます。2本鈎なら親鈎を口掛け、孫鈎を背掛けにします。2本鈎なら掛かる確率が高いように思えますが、エサが早く弱るのが難点です。

キビナゴの場合
1本鈎は外れやすいのでいったん眼を通して、固い背へ掛けるようにします。スライド式の2本鈎なら親鈎を眼に、次に間合いの長さを調整しながら孫鈎を背に打つようにします。いずれにせよ頭を必ず上に来るようにします。水平式の2本鈎なら逆Vになるよう目と背中に掛ければいいでしょう。

身を締めたエサを使う
市販のキビナゴは鈎持ちがいいように、身を締めて(=固くして)います。安く上げるなら、市場で売っている小魚やサバの切り身でも充分エサになりますが、塩をしてから冷凍保存しておくとずいぶん使いやすくなりますよ。

アタリの取り方

これが一番難しい…
太刀魚釣りの面白さはこのアタリをとることでしょう。ウキが馴染むまでに竿がひったくられるほど大当たりが出る日もあれば、数十秒待ってもダメ、くそっと合わせてもすっぽ抜けという渋すぎる日もあります。こんな日は腕の差が出ます。残念ながらいらちの笑魚はちゃりこに勝てません、トホホ…。うるさく注文を付けて人に仕掛けを作らせる癖に!

超遅合わせが大原則!
太刀魚はタバコを一服してから合わせたらいいとよく云われます。浮きがすんなり沈む場合は、10ほどカウントしてから合わせればいいでしょう。大アワセする必要はありません。糸ふけをゆっくり巻き取ってから、ゆっくり竿を立てればいいのです。ガツンと根掛かりしたようなショックが伝われば、鈎掛かりしています。もし手応えがなければ、仕掛けを回収せず少し待ちます。単なるすっぽ抜けなら、もう一度喰ってくることがあります。大アワセしない理由はここにもあります。ちょっと様子を見てダメなようでしたら、仕掛けを回収してエサを交換しましょう。

ウキが倒れたら…
食い上げです。エサを食った魚が下降せずに上昇してきているのです。もう呑み込んでいるはずですから、すかさずアワセをくれてやりましょう。しかし竿を立ててはいけません。こういうときは竿を立てるとすっぽ抜けることがあります。竿を海面に平行にして(つまり横に)グッと合わせて下さい。重みが乗ってくるはずです。

君は待てるか?
ウキがピョコピョコしたり(浮力が余っている場合)、電気ウキの光が海面下でじわ〜とにじんだまま、いつまでも消し込まれない状態が続くことがあります。いわゆる食い渋りです。遅いときなど数十秒以上続く時があります。もうひたすら待つしかありません。海面下の光が少しづつ加速して、やがて見えなくなるまで待つのが常道です。しかし待っていても、ほわ〜んとウキが浮いてくるときがあります。エサは少し囓られている状態です。こういうときは、ちょっと糸を張って様子を見る手もあります。じわりと穂先に重みが掛かるくらい糸を張ってやります。いわゆる誘いです。この誘いに反応して、本アタリが出ることも少なくありません。

太刀魚の締め方

魚を締める習慣のない人でも、太刀魚だけは締めないと鈎が回収できません。活きたまま手を口に突っ込んだりしたら大変なことになります。ナイフで締めるのは太刀魚には向いていません。もっとも簡単な方法はサバ折り〜サバを締める方法です。要は首を折ってやれば即死〜気をつけたいのは首を横に折らないこと、これでは死にません。下から上に向けて、プロレスのサバ折りのように曲げてやると簡単にポキンと折れます。サバ折りの語源ですよ。

釣果を上げる秘訣は?

指4本ってなんのこと?
  1. 太刀魚のサイズを表す用語です。普通釣り人は太刀魚を長さで表現せず、胴の太さを人の指の数で大きさを表現します。3本とか3本半などといい、4本なら立派なものです。
  2. 指2本ぐらいの小さなものはベルトサイズといいます。
仕掛けのサイズ、選び方は?
  1. 好みがあるので一概にいえませんが、通常鈎サイズで選ぶことが多いようです。中型狙いなら4〜5号、大型狙いなら5〜6号といったところ。ワイヤーは細い方が喰いが勝りますが、よれやすいので予備が必要です。
  2. キビナゴをエサにするなら、鈎はスライド式の2本鈎が一番使いやすいでしょう。
ナイロンハリスがよく釣れると聞きましたが…
  1. 本当です。誰もが釣れない喰いの悪い日でも、渋いアタリが連発したことがあります。ナイロンハリスより傷に強いフロロカーボンがいいでしょう。3号や4号ではすぐ切られます。あんまり太いと意味がないので5~6号くらいが最適です。鈎はチヌ鈎4号くらいですね。黒チヌが個人的には好きです。
  2. 傷が入るとすぐばらす原因になりますので、釣り上げるたびにハリスを手でしごいて傷をチェックすることが大事です。太ハリスは締めにくいので、鈎に巻く糸の回数を減らすことが上手く結ぶコツ。
自分で仕掛けを作りたいのですが…
  1. 品揃えのいいお店でしたら、自作用のワイヤーが売られています。コツは極細ワイヤーを購入することです。普通のワイヤーでしたら市販品で充分、意味はありません。
  2. ワイヤーはダルマクリップという金具をかしめて固定します。ワイヤーを売っているようなお店なら専用のペンチ(ハンドプレッサー)も売っています。石鯛用のごつい奴はダメです。ワイヤーがあるようなお店なら、小さなクリップや工具もあるはずですから店員さんに相談して下さい。
  3. 鈎は環付チヌ鈎を使います。
極細ワイヤーを使うメリットは…
  1. ハリスを使うことと同じ理由で、しなやかになりますから、やはり食い込みがよくなります。また自作なら少しワイヤーを長くするなど工夫することもできます。
  2. 問題は細くなるほどキンク(折れ曲がり)しやすくなることです。キンクすると喰いは格段に落ちます。何匹も釣っていると傷そのものよりキンクでよれてきます。適当な時期で惜しまず交換することです。
タナは何ヒロから始めたらいいでしょうか
  1. 一般的には2ヒロぐらいからする人が多いですね。喰いが立つとうわずってくる魚の場合、タナは上から決めていくのが常道です。つまり浅く初めてアタリがなければだんだん深く釣っていくのです。
  2. 周りでバタバタ釣れ始めたときはタナが浅くなっているはずです。深く釣っていたならすぐウキ下を浅くして下さい。喰いが立つと1ヒロぐらいでで喰うときもあります。
  3. また水深のある釣り場で周りが釣れていないようなら、思い切って深く攻めてみるのも面白いものです。笑魚は真夜中7〜8ヒロで連発したことがあります。
  4. またよく釣り場に精通した人は、いきなり少し深目から初めて様子を見るというベテランもいます。要は釣り馴れることです。
電気ウキとケミホタルどちらが…
  1. 太刀魚に限っては好みでいいでしょう。電気ウキの方が当然、視認性がいいので、遠く沖まで流してもよく見えます。しかし沖の沖まで流さなくてはいけないような日は大抵釣れません。そういう意味ではどちらでもいいのでは。ウキそのものの性能でいえば、上質の木製ウキにケミホタルを付けた方が格段上です。
仕掛けに付けるケミホタルは…
  1. 37と50、75のサイズが売られています。37でも充分だと思います。最近は電池式のものも売られていますがどうなんでしょうか?
  2. ケミホタルの光は本来の生物発光に近く、生物から見た違和感は少ないと聞いたことがありますが…
釣り場が広い〜ポイントの選び方は…
  1. 波止なら暗いところより、照明のある明るいところの方が成績がいいのは事実ですね。小魚が寄るエサ場になるからでしょう。ある程度潮通しのいいところというのも事実ですから、夜間照明のある波止の先端付近というのは狙い目です。
  2. 水深も必要です。水深2ヒロの釣り場で喰ってきたこともありますが〜例外。まぁ回遊魚ですから実績のあるポイントは限られてくるはず、情報をチェックしましょう。
イワシがいいと聞きました…
  1. はい、その通りです。イワシの群を追いかけて接岸してきますからね。釣ったイワシ(なければアジ)を生き餌にして釣るのが最高です。以前、全然釣れないときにお隣さんが活きイワシで爆釣!嫌になって帰ったことがあります。
  2. ファミリーやグループで行くなら、一人がコマセを撒きつつエサ釣りというのも悪くないかも知れません。小魚を集めるため投光器を持ち込んでいる人もいますが、まぁほどほどに…
  3. イワシを鈎に付けるときは、本当は手を濡らして掴むのがいい方法です。イワシの肌はとても敏感で人間の手が触れると一種のやけど状態になり、弱るのが早くなるのです。覚えて置いて損はありません。
太刀魚を集める方法はありますか…
  1. コマセは効きます。昼間釣ったアジやイワシ、あるいは家で調理した魚のアラでもかまいません。適当にぶつ切りにして撒いて下さい。結構集めることができますしポイントが近くなります。釣って持ち帰った太刀魚をさばくと、腹の中にコマセが入っているはずです。
引き釣りのコツは?
  1. できるだけ遠くへ遠投してから引いてくるようにすると、ポイントを広く探れます。また太刀魚のタナは日ごと時間ごとに変わります。ですからタナを早く掴むことが肝心、投入したらカウントするようにしましょう。
  2. アタリが出なかったら今度は余分にカウントします。その分深く探れます。引くときは仕掛けが浮かないようゆっくり引きますが、糸にゆるみが出ないよう張りを持たせておいて下さい。時々竿を立てながらリールを巻き取るのもいいでしょう。仕掛けが波状に動き、誘いになります。