釣りのタックル研究室

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双眼鏡のすすめ

双眼鏡などと書くと、「なんで双眼鏡が釣りに関係あるのよ!?」と皆さんから疑問の声が聞こえそうですが、双眼鏡はアウトドアでは定番アイテムの一つですし、使い方次第では役に立つ釣りグッズに変身します。今日は、釣りシーンにおける双眼鏡の使いこなしから選び方まで、役立つTIPSとヒントをお届けしましょう。

なぜ釣りで双眼鏡が役に立つ!?

一般的に釣りで双眼鏡、あるいはスコープ(望遠鏡)を使うシーンと云えば、ヘラのトーナメントで競技者がウキの目盛りを確認しているぐらいでしょうか。射撃やアーチェリー競技での使い方と同じですね。釣りではそれ以外で使っているシーンを私自身は見たことがありません。しかし私は一時、釣りのお供として小型双眼鏡を携帯していました。

そもそも、わが家に双眼鏡がやってきたのは、非常にバカらしい理由からです。その昔、クルージングツアーに出かける際、ちゃりこが「ふふふ、ホエールウォチングじゃ!鯨を見るのじゃ!」と吠えたため、近所のカメラ屋で双眼鏡を購入したことから始まります。もちろん、そう簡単に鯨が姿を見せるわけもなく、ツアーから帰ってくると、双眼鏡は引き出しの奥に直行しました。よくあるパターンですね(爆)

その頃は、磯釣りに凝っていました。毎週、日曜日は渡船を使う沖磯、土曜日は費用軽減のため地磯というパターンでした。いま思っても、本当によく通い詰めたものです(爆) しかしながら折角通っても、地磯の一級ポイントには、たいてい誰かが先に入っているものです。といっても新規でマイポイント探しも大変です。遠目で判断して「なんとなくよさそう♪」と思って、重い荷物を抱えながら崖を降りたら、水深が浅いうえに、足場が悪くて釣りにならなかったというのは、毎度のことでした。

釣りには下見が大切です。釣り場の状況を知ると云うことは大切です。特に新規の釣り場は様子が分かりません。車が横付けできる波止場ならともかく、地磯のような釣り場は国道から遠目で見ても、なかなか状況は分かりにくいものです。そこで考えてみると…
「遠目で分かりにくいのならば、引き寄せればよい!」
そうです。双眼鏡を使えばよいのです。

これは便利!面白い♪

善は急げとばかりに、早速双眼鏡を携行すると、思ったよりも釣り場の状況、磯の様子がよくわかります。水深は肉眼でも海の色の変化で、ある程度予測できるのですが、双眼鏡で見ると、肉眼では分かりにくい海草の生え具合までよく分かりますし(海草が多いと釣りになりません)、足場の状況も一目瞭然です。そんなこんなで2、3回使ううちに、使い方の巾が拡がってきました。

  1. 国道から崖下の地磯の下見に使う。
  2. 自分の釣り場から、近辺の釣り場の様子を伺う。
  3. 遠征した釣り場で、地元の釣り師の仕掛けを観察する。
  4. 対岸、離れ磯、遊漁船などの釣況を伺う。
  5. コマセの流れ具合、沖の潮目などを観察する。
  6. 海鳥、水辺の生き物などを観察する。

波止は夜釣り中心で通い慣れたところが多かったので、双眼鏡を持っていくことはありませんでしたが、波止専門でも、あちこちへ遠征する人ならば、上記と同じような使い方で、やはり役に立つと思います。ぜひ活用してみて下さい。

双眼鏡を購入するのなら

この記事を読んで「面白そう〜買ってみようかな♪」と思う人がいたならば、おそらくカメラ好き、機械好きの釣り人だと思います。おそらく釣り道具にも凝っているはずですから、双眼鏡もホームセンターで売っているようなものでなく、ちゃんとしたカメラ店で扱っているブランドものがよいでしょう。ではどういった点を考慮すればよいのでしょうか。

同じ双眼鏡でも数千円の商品と6桁の製品とでは、まったく違う世界のものです。バードウォチングやスポーツ観戦などにも使う予定があるのならば、ずばりいいものを買って下さい。後悔しません。しかし他に使う予定もないのなら、高級品は必要ないでしょう。しかし押さえたいポイントはあります。ツボを書き出してみましょう。

  1. 倍率は一番ポピュラーな8倍で充分ですが、細かいところもじっくり観察したいというならば10倍でもよいでしょう。実用性から云えば8倍が一番でしょうか。
  2. 間違ってもズーム式や高倍率を買ってはいけません!高倍率は手ぶれのため画像がふらつくので実用性はなく、ズーム式も一見便利なようで、画質が低く実用性はありません。高級品に高倍率やズーム式がないことからでもお分かりかと思います。
  3. 聞いたことのないブランドを買わないように!メジャーなカメラメーカーのものを買っておけば、間違いありません。
おすすめ入門機

PENTAX タンクローWP
1万円台で買える入門機ですが、小型軽量のベストセラーです。売りは水洗いOKの防水性と、傷に強いラバーコートなので、ハードな釣りにもピッタリ。リーズナブルな価格ですが画質も悪くありません。対物レンズが小さいので朝夕の暗いときは辛いかも。これの旧型を持っていますが、お気楽でいいです。

おすすめ入門〜中級機

NIKON モナーク 8×36D CF
コストバリューに優れたNIKONの新作です。このシリーズ上位の対物レンズ42mmの10倍を持っていますが、比較すると対物レンズが小さいだけ小ぶりです。釣りに携行するならこのサイズが限度でしょうか。かりっとした解像感はないものの、すっきりと明るい視野が特長です。カーボンなので見た目より軽く、窒素ガス封入なので、レンズが内部から曇りません(結構大事な点)。購入して使っていますが特に不満はありません。

こだわりの中級機

NIKON 8×30E II
古典的な恰好をしていますが、知る人ぞ知るバードウォチャー必携と呼ばれる名機です。何が売りかというと、見かけ視界70度という広視界です。視界が広いとそれだけ臨場感に優れ、対象物や動体を早く発見するのに役立つのです。鳥見ならこれ!といわれるだけのことはあり、ちゃりこの愛用品です。ボディは、いまでは珍しくなってきたマグネシウム合金で、高級感があります。対物レンズが小さいにもかかわらず視野が明るく、解像感も悪くありません。頑固なあなたに似合う、ずばりおすすめの一品。

こだわりのコンパクト機

NIKON 8×20HGL DCF
「釣りならば、やはりポケットに入るサイズでないと…」という方には、これがいいかもしれません。折りたたみ式でかなりコンパクトですが、見え味は大変優れています。コンパクトではハイグレードクラスに属す高級品ですが、スリムで高解像度の双眼鏡が欲しい人にはピッタリでしょう。旅行のお供や観劇、コンサートなど色々使い道はありそう。写真ではちょっとしょぼく見えますが、実物はかなりの高級感があります。

メカフェッチならこれ!

NIKON ミクロン 7×15 CF
手の平に載る超小型双眼鏡です。いわゆるオペラグラスの範疇に入る双眼鏡ですが、NIKONの光学技術が注がれたオンリーワンとも云える逸品ブランドです。軽量コンパクトというよりは、iPodみたいなものですから、ベストのポケットに入れておくのにピッタリ。こいつの凄いのは、こんなに小さくても、大きな双眼鏡に負けないほどシャープに解像することです。最短2mまでピント合わせできるので、絵や植物の観賞にも便利。最近の光学メーカーはすぐにディスコンするので、私も買っておかねば。

お金に糸目をつけないあなたなら…

ライカ ウルトラビット10x42
カメラの世界では日本がついに欧州を凌駕しましたが、こと高級双眼鏡の世界では、まだ競争が続いています。デジタル化が進まない分野だけに、光学設計と手作り精神がものをいうのでしょう。欧州ブランドでは、日本人にも馴染みの深いライカ、泣く子も黙るツァイス、人気上昇スワロフスキーが大御所です。

今回は私の好きなライカをご紹介します。釣りに持っていくような代物ではありません(爆) こいつは42mm口径ですので、薄暮れ時にも視界が確保できます。店頭で、もしこの双眼鏡を覗くチャンスがあれば、ぜひ覗いてみて下さい。国産双眼鏡とは一味違う解像感にほれぼれするはずです。スペック以前に感性の高い人間が作っていると云うことが、体感できるでしょう。欧州らしい洒落たデザインや、赤いロゴにお金を払って惜しくない人ならば、ぜひ奮発してみて下さい、一生ものですから後悔しないはず。わが家ではある事情により、このライカを200X年にちゃりこに寄贈することになっております、金を貯めねば(爆)

さて、Nikon製品の紹介が多くなりましたが、 別にNikonの回し者でありません。やはりアフターサービスやデリバリーで安心できる国内一流メーカーということで、たまたま Nikonが多くなりました。今回紹介していませんが、Nikonには凄い性能をもつハイエンド商品があります。この他、釣りには向いていませんが、ぶれ防止機構を搭載したキヤノン双眼鏡の性能は素晴らしいですし、フジノンなど双眼鏡ファンには人気のブランドなど、まだまだ名品があります。 双眼鏡はカメラと並んで男の道具です。スポーツ観戦、コンサート、観劇、美術館、ハイキングなど、出番はいっぱいあります。一度は遊んでみて下さい。

2007/6/20