DIYホビー専科

釣りのDIY

短竿つくっちゃえ!

波止釣りをしていると、短竿があれば「便利だな〜」と思うときがあります。例えば…

テトラ釣り(穴釣り)
市販のテトラ竿では満足できない…調子を変えたい/もっと短くしたい。

ズボ釣り
専用の竿は市販されていない…作るしかない。

際専用探り釣り
チヌ用のヘチ竿では固い、筏竿では穂先が柔らかすぎる…作るしかない。

捨て竿/ワカサギ竿/底まき専用竿
足元にちょっと置いておいたりするのに便利…簡単に作れるよ。

ちゃちなものでも竿を一本作ってみると、竿に要求される機能や自分の釣り方、好みというものがよく分かります。逆に言えば、竿も作れないようでは、竿のあれこれについて大口を叩けないでしょう。また一本でも作ると、その経験が後々とても役に立ちます。簡単な修理や改造なら、いちいち釣具屋に頼まなくてもすぐにできるようになりますし、古くなって捨てられずにいる竿のパーツを転用できたりします。

ものを作るのが好きな人なら、雨の日のとてもいいホビーになるはずですし、凝り性な人なら市販の高級品に負けないものを作ることも可能です。一生懸命作った可愛い竿を、奥さんや子供さんにプレゼントしてあげたら、とても喜ばれること請け合い(^^)b

筏竿を自作するような人は、ちょっとした作業室や本格的な工具を揃えていますが、この章ではまず始めて竿を作る人の要領をまとめています。ですから家にある工具程度でたいてい間に合うはずです。材料も一般的な釣具屋さんや、ホームセンターで揃うものを選んでいます。難しいものは今後研究してもらうとして、まずは1本作ってみよう!

右の写真は知人からもらった手作りの探り竿(全長1m15cm)。凝った作りではありませんが、本業が家具職人さんなので、とても丁寧な仕上がりです。

何をつくろうかな〜

ずばり、大抵の穴釣り名人が自作しているテトラ専用穴釣り超短竿を作ってみましょう。市販のテトラ竿も使い勝手そのものは悪くないのですが、大体長さが1.2〜1.5mぐらいあるのです。大きいテトラならいいのですが、ちょっと長さを持て余すときもあります。また穂先が少し固すぎるかも知れません。材質もコストを下げるため、貧弱で何回も締め付け直さなくてはいけないようなリールシートや、滑りの悪いガイドです。ここらをちゃんとしたものにするだけで、見栄えや使い勝手がグンとよくなります。

この超短竿は使い道もたくさんあります。テトラだけでなく、その短さを活かしてぎりぎり際を攻めることができます。何本か並べてズボ釣りにも使えますし、ウキ釣りの合間に足元に捨てておいても面白いでしょう。見た目より頑丈ですから、根魚狙いの子供や奥さんなどの初心者にもうってつけです。ワカサギ釣りにも使えないことはありません。使い方はあなたの自由です。海での狙いものは、カサゴ、メバル、アイナメなど根魚が中心になります。美味しい魚ばかりですね♪

ロッドコンセプト

では竿作りの方針を決めましょう。始めて作るのですから、本格的な筏竿のような作り方はやめて、失敗の少ない作り方をレクチャーします。それでも市販品よりいいぞ(^^)b

  1. 2日でつくっちゃお!
    不器用かつ集中力のないあなたのために(実は笑魚のこと)、実質制作1日、塗装で乾燥を含めて2日!という最短制作日数で作ろう。
  2. シンプルに作ろう
    最低のパーツ数に高級パーツを組み合わせよう。作りやすくて恰好がいいぞ。
  3. 頑丈に作ろう
    30cm級のカサゴ、メバル、アイナメを、タモなしで引き抜ける頑丈な竿にしよう。
  4. 見た目にこだわろう
    ジギングロッドみたいに、お洒落なカラーリングにしよう。わくわく♪
  5. 塗装を簡単にしよう
    竿作りで一番難しいのは塗装です。塗料は後々の管理も大変です。案外費用もかかります。ですから超横着かつ実質的な塗装にしてみよう。
スペック
  1. 長さ…穂先から竿尻まで100cm
  2. 調子…極先調子
    竿は短くなるほど取り込みにくくなります。そのため調子はできるだけ腰が強い先調子の方がいいのです(^^)b ※


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これだけ揃えよう

パーツ

ブランク グラスファイバー製ソリッド(90cm/直径7mmもしくは8mm)
ガイド FUJIミニクロガイド2S(2mm内径)×1袋(10ヶ入り)
元ガイド FUJI筏用SICリング付き(5mm内径)×1ヶ
リールシート FUJIステンレス(小)/色はステン色・黒あり〜好みで
握り(バット) 既製品もしくは、φ20〜25mmの木製丸棒20cm程度
尻環 金物売り場で適当なネジ付き丸環を購入(尻手ロープ用)
ガイド止め糸 釣り用補修糸/極細(好みで2色程度) ミシン糸でも代用可
シート止め糸 釣り用補修糸/細(好みの色)

塗料など

透明ウレタン 小瓶で可
ビニローゼ 白+好みの色、2色いずれも小瓶
ラッカー薄め液 中瓶
刷毛 小筆(面相筆)1本/小刷毛1本
工具 電動ドリル(速度調整式)、ソリッド外径に合わせた木工用錐先(ドリルピット)、カッターナイフ、よく切れるハサミ、ペーパー180番、水ヤスリ320番&1000番(各1枚)、やすり、弓鋸、瞬間接着剤、エポキシ系ボンド、プラスチックパテ、メジャー、あれば万力、豆鉋、ノギスなど

ブランクの太さについて
通常筏竿の穂先は4〜6mmぐらいのソリッドが使われますが、これは二本継ぎで使うことや、軽いオモリ(あるいはオモリなし)を前提にしています。テトラの釣りでは2〜3号くらいのオモリを付けた提灯式のミャク釣りが主流ですので、もう少し太い方が使いやすいのです。1m前後なら7mmぐらい、1m20前後なら8mmぐらいがいいと思います。このぐらいあれば少々の魚ならタモは必要ありません。先端は0.5mmに加工されているものを選んで下さい。※ブランク=何も取り付けられていない竿(素材)のこと

ストレートなブランクを
時々曲がっているものがあります。購入するときは鉄砲を撃つような感じで、ソリッドに目を沿わせて直進性をチェックして下さい。

ガイドについて
高度な技術と経験に基づいた筏竿では、サイズ別に数多くのガイドを使い分けて最適な曲がりが実現するように多点配置しますが、この竿の場合、それほどの神経は必要ないでしょう。特に初心者は糸を巻くのが下手ですので、今回は取り付けしやすい大きめのミニクロガイドを選んでいます。※筏竿に必要なガイドが1式セットになったものも売られています。購入が簡単でよいのですが、ガイドがとても小さいので馴れていないと取り付けが難しいでしょう。また数も余りますので、割高になるかも知れません。

握りについて
お店によっては予め、自作用にリールシートまで取り付けられた握りが売られていることがあります。これなら竿を差し込む孔を調整するだけですので、とても簡単です。ルアー用のグリップを転用することもできます。お店の人が親切なら相談してみて下さい。自作する場合は、本当は矢竹(根竹、五三竹)がクラッシックな雰囲気が出て渋いのですが、加工に難がありますので、ホームセンターで売られているタモ材などを加工した丸棒がいいでしょう。釣具屋で売っているウキ自作用の桐材でもかまいません。握ってみてぴたっと来るサイズを選んで下さい。

塗装関係について
一般に竿作りには漆が使われますが、慣れていない人には扱いにくいので、ここではウレタンとビニローゼを用います。ビニローゼは大手のホームセンターで入手できると思いますが、入手できない場合はエナメル系の樹脂塗料でも代用できます。筆は管理が面倒なので使い捨てと割り切りましょう。高級品は必要ありません。

さぁ作ろう〜1日目

では設計してみます。

  1. 上記の拡大図面をもとに、サイズを調整してみましょう。
  2. 短くする場合は、ガイド間隔を守りながら、手元側のガイド数を減らします。
  3. 長くする場合(最大115cm程度まで)は、図面に指示された所で調整します。
  4. 色は自由です。気に入った色でコーディネイトしましょう。
  5. 握りの長さは自由です。短めより長目が使いやすいものです。

まず握りになる丸棒に孔を開けましょう。

  1. 買ってきた丸棒を自分の使いよい長さに切断します。
  2. 最低5cmはブランクを握りに差し込みたいので、握りに深さ5cmの孔を開けられるよう、ドリルの錐の先端から5cmの所へ目印のテープを巻きます。
  3. 真っ直ぐに孔を開けるのはとても大事ですから、傷つかないよう万力に固定します。万力がない場合は、軽く釘で留めるか、紐でしっかりした台に動かないよう取り付けて下さい。
  4. 丸棒のセンターに目印を付け、ゆっくりドリルで孔を開けていきます。途中でソリッドを差し込みまっすぐ孔が開けられているか確認して下さい。

全体の長さを調整します。

  1. ソリッドを握りに差し込み、先端から握りの端までの長さをメジャーで計ります。
  2. ソリッドから必要でない長さを切り捨てます。ソリッドは切断面がささくれますので、弓鋸かレザーソーなど、細かい目の刃でゆっくり丁寧に切って下さい。
  3. 切断面に軽くヤスリを当てて終わり。

穂先を再加工します(ここが命!)。

  1. 買ってきたソリッドはテーパーが予め付けられているので、そのまま使えます。しかし少し固いはずです。自分のいいと思う固さに削って調整してみましょう。
  2. ドリルを万力などでしっかり固定してから、ソリッドを差し込み低速で回転させます。
  3. 水ヤスリ(水に浸けながら使うサンドペーパー)の320番で、軽くしごくような感じで、穂先から手元にかけて、少しづつ削っていく。1カ所に集中させず、バランスよく分散させるようにして下さい。
  4. 先端の曲がり具合を見るため、実際に使うオモリを穂先にぶら下げてチェックします。
  5. 納得できる感じに仕上がったら、水ヤスリ1000番で丁寧に仕上げます。

ブランクに色を塗ります。

  1. 乾燥させるのに24時間掛かるので、先に色を塗っておくと後が楽です。
  2. ビニローゼを適当にラッカー薄め液で薄めます(30〜50%ぐらい)
  3. 手元側を好きな色に塗ります。
  4. 穂先を白色に塗ります(アタリが取りやすい色です)
  5. 1色でもかまいませんし、面倒ならまったく塗らなくても問題ありません。
  6. ツボ)ソリッドをドリルに挟んで低速回転させながら、ロクロを挽くように塗ると綺麗に塗れます。穂先がぶれるので先端を指で摘んで回すとよいでしょう。この場合、ドリルは万力などで固定しておく必要があります。

握りを加工します。

  1. 切りっぱなしでは不細工ですので、小刀やヤスリで握りの形になるように整えます。
  2. ツボ)豆鉋と呼ばれる小さな鉋があれば、綺麗かつ楽に工作できます。数百円で購入できます。器用な人なら、錐先に瞬間接着剤を付け握りを仮固定させ、旋盤の要領で加工することもできます(ただし上級者向き)
  3. 形が整えば、ツルツルになるよう紙ヤスリで仕上げて下さい。
  4. 透明ウレタンを塗ります。好きな色に着色してもかまいません。

塗装は回数を重ねるほど強靱になります。丁寧に仕上げたいのならば重ね塗りを掛けて下い。ただしその場合は、24時間以上あけてください。気の長い人向きね(^^;)

さぁ作ろう〜2日目 ガイドを取り付けます

  1. 参考図の通りに、ガイドを取り付ける位置に鉛筆などで目印を記入します。
  2. ガイドを巻く糸は通常1色で、色を変える場合は漆の色で変えるのですが、今回は透明ウレタンで仕上げますので、糸の色で雰囲気を変えます。穂先側は目立つ赤い糸がアタリの変化が見やすいでしょう。手元側は自分な好きな色でコーディネイトして下さい。
  3. ガイドを止めていきます。うまく止められないようなら、まずざっと糸で仮止めしてから、取り付け位置を確認します。よければ、ごく少量の瞬間接着剤で止めて下さい。それから糸を巻くようにすると、ずいぶん巻きやすいはずです。
  4. 巻き終わった端糸に瞬間接着剤を垂らし固定させます。それから余り糸を切ります。
  5. ツボ)あまり神経質になる必要はありません。極細の糸ですからぐるぐる巻いても案外綺麗に仕上がるはずです。
  6. ガイドが一直線に仕上がっているのが確認できれば、最後に面相筆(とても小さい筆)で糸を巻いた部分に、透明ウレタンを塗って終了。

竿を組み立てよう

  1. 半日おけば、次の作業ができるぐらいにはウレタンが乾燥していますから、最後の工程に入りましょう(完全乾燥は1日以上)
  2. ソリッドの差し込む根元にたっぷりエポキシボンドを塗り差し込みます。硬化時間の早いものを選ぶと作業が楽ですね。
  3. ソリッドと握りの間の段差をプラスチックパテで修正します。ホームセンターか模型店で入手できます。硬化時間の早いものを選んで下さい。
  4. ツボ)ルアーロッドのような形態ならば、この段差修正は必要ありません。この場合、竿を差し込むだけですから、リールシート取り付け作業を先に済ませましょう。

リールシートを取り付けると完成!

  1. リールシートを正確に位置決めし、セロテープで仮止めします。
  2. 細糸を巻きます。巻き始める位置に注意して下さい。いずれも竿の外側からリールシート側に向かって巻き始めます。この方向を間違うと、シートの台座にうまく糸が密着しません。
  3. 隙間や緩みがないように、しっかり巻いていって下さい。
  4. 巻き終わったら、握りごと透明ウレタンをしっかり塗ります。
  5. ついでにガイド部分の糸にも再度塗っておきましょう。
  6. 乾いたら尻手ロープ用の金具を付けます。木が割れるといけないので金具をねじ込むときは、錐で予備穴を必ず空けて下さい。
  7. さぁ〜堂々完成です\(^o^)/

糸の巻き方については「竿の簡単修理術」を参照して下さい。

大体つかめましたか

竿作りの基本が分かっていただいたでしょうか。振り出しの磯竿や和竿ならともかく、こういった小物竿、筏竿、ルアーロッド、船竿などは、案外簡単に作れるものです。ブランクそのものを作ることは無理としても、できあいのパーツを活用し、うまく組み立てることができると面白い自分だけの竿を作ることができます。

穂先が露出しますので、事故防止にケースを用意してもいいでしょう。釣具屋の部品コーナーには、穂先を入れるための細いケースが安く売られています。それをかぶせるといいでしょう。固定できるように適当に工夫してみて下さい。

組み合わせるリールは小型両軸リールが一番。並行巻きガイドの付いたような高級なものは必要ありません。3号の道糸が50m巻けるシマノのデミあたりが手軽でいいです。

竿作りについては、それぞれマニアがホームページを作られているので、参考にしてみて下さい。予算的にも今回の竿程度なら、少ない金額で市販品に負けないものが作れるはずです。具体的な費用については、以下のサイトの通信販売コーナーを参考にして下さい。

まるかつ釣り具 http://www3.inforyoma.or.jp/marukatu/

竿の作り方(組み方)には、作者により様々な方法、ノウハウがありますので、このページのやり方が絶対というわけではありません。上記のやり方は、初心者向きにちょっと手を抜いたものぐらいと考えて下さい。馴れてくれば、純和風の本格的なものや、ハエ竿改造のチヌ竿など、面白いものにぜひ挑戦してみて下さい。古い竿のパーツも活用できますからね。倉庫で眠っている竿なども、再利用してやって下さい。では(^^)b

塗装に関する追記
浜辺のメモリーでお馴染みの遠藤さんより、BBSへ有意義な情報をいただきましたので、転載させていただきました。ありがとうございます。以下原文のまま。

「竿作り拝見したんですけど、塗料はカシューも扱い易いですよ。
ウキ作りにもいいし…。絵の具みたいなチューブに入って、ウルシという名前で売ってます。あれホントは漆じゃなく、カシューなんです。200円程度で売ってますね。あれを塗る面に、ちょん、ちょんと置いてって、あとは指で薄〜くのばすんです。本漆と違ってかぶれません。ただ乾くのに時間がかかります、これが難点ね。少なくても丸一日置いてからで無いと重ね塗りはダメです。後でちりめん状のシワになります。2度塗っては、水ペーパーで研ぎ、それを3回、合計5〜6回塗ると本漆のような光沢です。色違いを重ね塗りして研ぎ出すと、なんとも言えない良い模様が浮かび出ます。芸術品のようですね。

細い線を書きたければ、捨てても良い空き缶の底などに、少量取り出し、灯油でうすめて、グラスの穂先のようなソリッドを焼くと、ガラス繊維が残ります。これを筆にすると、後始末が要らなくて便利です。筆を動かすんではなく、塗る方をクルクルと回せば、綺麗な細い線が引けます。これは絹糸を巻いた糸じめにも利用出来ます。竹竿の口巻きは、瞬間接着剤などではなく、こういう方法を採っているんですね。試しては如何?」 以上

笑魚より追記
本コーナーでは始めて作る人のために、カシューよりは乾燥が早く扱いやすいと思われるウレタン塗料で記事を書きましたが、一般的にはカシューをよく用います。カシューを使いたいと思われた方は、文中の透明ウレタンを透明カシューと置き換えて下さい。釣具屋さんで手に入ります。具体的な使い方は、遠藤さんの記事を参考にして下さい。今後とも竿を作っていきたいと思われている人のために、カシューの説明をしておきましょう。

カシューとは南洋産の漆の一種です。あの美味しいカシューナッツですよ。塗膜が硬く、自然乾燥で焼付に匹敵する塗膜が得られます。エナメルよりも光沢が優秀です。本漆より扱いやすく低価格なことから代用漆とも呼ばれ、前述したウレタン塗料と並んで、ピアノや高級家具などにも使われている塗料です。

長所は強いだけでなく、素晴らしい光沢が得られることです。この光沢を得るためには、細かい水ヤスリや炭で何回も研ぎ出すという作業をします。磨くというより研ぎ出すのです。かなり根気の要る作業になりますが、うまく仕上がれば、ウレタン塗料よりも品のよい美しい仕上がりが得られます。大きい面に塗るときは、下地でカシューシンナーを20〜30%、上塗りで15〜20%、薄めて使います。クラフト派にはお勧めですぞ(^^)b