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魚料理は包丁が命

釣り人には、釣り具以外にも欠かせない道具「刃物」があります。まず野締めにナイフを使い、台所では包丁という具合。今回はこの包丁が主役です。お刺身をはじめ日本料理には、見た目の美しさを重んじるという傾向があります。料理人にとって味はもちろんのこと、食材の切り口の鮮やかさなども評価の対象になるので包丁の「切れ味」が重要視されるという訳。

私たちは料理人ではありませんので、特に見た目にまでこだわる必要はありませんが、この包丁の切れ味が、食材の味そのものを左右すると云われれば話は別です。つまり、包丁の切れ味が悪いとそれだけで魚の味を落とすことになる、というのです。身に余計な力がかかって脂肪分がつぶされ、生臭みが出るために魚の旨み自体が損なわれてしまう、ということになるんですね。包丁がよく切れるということは、味覚の面からも重要だったのです。釣り人も包丁の「切れ味」にこだわらなければいけなかったんですねぇ〜(^^ゞ

さて、包丁は用途によって使い分けますが、特殊なものまで含めれば現在数10種類あるそうです。その中で釣り人に必要なのは2種類、出刃包丁と刺身包丁です。

出刃包丁

魚をおろしたり、骨や頭など硬いものを切るときに使う片刃の包丁です。できれば大小2本揃えて魚の大きさによって使い分けると便利です。スズキやチヌなど中〜大型の魚には刃渡り180〜220mmのもの、キスやメバルなどの小型魚には120mm前後の小出刃を使えば捌きやすいです。

A:切っ先は魚をおろしたり、ひらいたりする部分。突いて切れることが大切です。刃先は欠けやすいので注意が必要。

B:切刃全体に、研磨された刃がわかるものを選びます。刃元から刃の中程で骨などの硬い物を切り、刃の中程から先で材料をおろします。

C:刃元は硬くて鋭利なこと。重さを利用して骨を切ります。

D:必ず使う人が握って、やや重く感じる程度の扱いやすいものを選ぶようにします。刀身にぐらつきがないかよく注意してね。

刺身包丁

刺身を引くときに用いる片刃の包丁です。刃渡りが長く、関西の「柳刃」関東の「蛸引き」があります。家庭用のまな板は小さいので、刃渡りが長すぎると扱いづらいですから買うときには注意してね。刃渡り220〜240mm程度の柳刃が1本あれば、皮引きから筋取り・造りまでオールマイティにこなせるでしょう。

E:元から先まで使うので全体に細身で薄い作りです。切刃は身の幅の半分が適当です。このイラストは柳刃。蛸引きは刃元から先端まで同じ幅の形状をしています。

F:痛みやすい部分なので耐久性のある材質のものを選びます。水牛の角口が一番いいそうです。出刃包丁も同様です。

洋食のコックさんが使うペティナイフ、ご存じですよね。このナイフも1本あると小型の柳刃として使えて便利です。私は、コチやハゼなど小出刃だけでは処理しにくい小魚や、刺身包丁では大きすぎて扱いづらいときに併用しています。一度お試しくださいませ(^^)

包丁の手入れの仕方

使ったあとはきれいに洗い、しっかり水気を拭き取ります。特に刃の付け根部分は痛みやすいので念入りにね。時々はクレンザーなどでよく磨き、使う頻度にもよりますが1〜2ヶ月に1度くらいは砥石で研ぎます。また新しい新聞紙にくるむと錆びにくく、長く使わない場合はミシン油などを塗り、油紙などに包んで保管すると長く持つそうです。

包丁の研ぎ方

包丁を研ぐ砥石には、新しい包丁に刃をつけたり刃こぼれを修正する荒砥、刃の形を整える中砥、仕上げに使う仕上げ砥があります。家庭での手入れには中砥がひとつあればいいと思います。うちでは、包丁研ぎは笑魚のお仕事です(^^)

1:砥石は滑りがいいように、使う前に10〜20分くらい水に浸しておきます。

2:雑巾などの上に砥石を置き、右手の親指と人差し指で刃元を挟み、残りの指で包丁の柄をしっかりと握ります。

3:刃先の角度のついたところを砥石にあて、左手の4本の指で刃を上からしっかりと押さえます。

4:砥石に対し包丁を約45〜50度の角度(イラストの○部分)に置き、まっすぐに動かします。押すときに力を入れ、引くときに力を抜いて、先から元へ一定の力で均一に整えるように研いでいきます。

5:表刃を研いだら、裏に返して裏刃も研ぎ反り返しを修正します。裏刃は砥石の上で円を描くように軽く動かす程度でいいです。

釣り人ならば用意したい便利な道具

ウロコ落とし
上はプラスティック製。ウロコが中央に集まり、飛び散らないよう工夫されています。小〜中型魚にはピッタリです。下は中〜大型魚の大きく硬いウロコをバリバリと落とすのに適しています。
骨抜き
三枚におろした魚の小骨を抜くのに使います。毛抜きと同じ形をしていますが、ふた回りほど大きいです。料理のレパートリーを増やすためにも1本用意しておくといいですね。
ササラと歯ブラシ
竹を細く割って束ねた物をササラといいます。青物など、大型魚の血合いを取り除くのに使用します。歯ブラシは中〜小型魚の血合いを掃除するのに便利。使い古しで充分ですが、毛先は固い物の方がいいよ。