笑魚のB級コラム

B級コラム

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釣り人の特権

どんな遊びにも云えることだが、およそくだらない、世のため人のためにならない、生産性のかけらもない…という遊びの方が、絶対に面白い。釣りもこの範疇に入る。貴重な家族との休日を無為につぶす、立身出世には全く縁なし、不景気にもかかわらず家計費を圧迫させる、経費を考えれば魚屋に直行した方がまし…などなど、書き出すときりがない。

しかし他の遊びと違って、釣りには「釣り人の特権」という葵の御紋がある、ふふふ。これが釣りという遊びを別格にならしめているのだ。しかしこの特権を享受するためには、人一倍の責任も努力も伴う。

まず初心者では、この特権の恩恵を受けることはまず期待できない。サッカーワールドカップ予選並みの狭き門をクリアするだけの、釣りの技・知恵・根性に欠けるからである。次に魚嫌いもダメである。釣りは大好きだが「魚料理はダメ!」というけったいな釣り人も結構多い。昔、若狭の釣り大会で、30cmを優に超える金メバルを2匹も!!「わし喰わんから〜」と云って、無造作に人にやるのを目撃したことがある。「こいつ〜アホとちゃうか?どうせならわしに呉れんかい!」 ※といまだに、このことを根に持っている卑しい私(-_-;)

次に料理の技が必要である。最高の素材を最低の調理方法で料理してはいけない。こんな料理を喰って「やっぱり釣りたてはちゃうなぁ〜♪」というコメントを残すようでは、いっぱしの釣り人とは云えない。大体釣りの上手い奴は料理も上手い。料理には感性、研究心、まめさ、器用さ、季節感など、釣りに通ずるところがたくさんあるからだ。残念ながら「ふふふ〜俺は【美味しんぼ】を87巻まで全部通して読んだぞ!」といくら自慢しても、ダメである。笑魚の場合は、ちゃりこという天性の料理人が控えておるので、できたものを辛口に寸評するだけである。料理にうるさい人なら、今後は私のことを笑魚ではなく海原笑山と呼んで欲しい♪

「うむ!この豊穣なコク、よくぞ素材を活かしたのう。誉めてとらす」
「ははあ〜有り難きお言葉。。。m(_ _)m」
「血圧が少し上がっておるので、次回はもちっと塩を控えよ」
「ははあ〜有り難きアドバイス、言葉もございませぬ。m(_ _)m」

海釣り道場は釣りサイトだから、魚料理そのもののレシピーやハウツーもさることながら「魚の持ち帰り方について」という質問が結構ある。そこらへんはちゃりこがけっこう詳しく記載している。またの機会にでも読んで欲しい。皆さん、魚は締めたらいいとか、クーラーに入れたらいいとか、色々耳学問をしてきているようだけれど、案外、本職でも魚の鮮度維持や、旨みのメカニズムのことを知らないことに驚くことがある。「釣りたては新鮮だから美味しい!」というのは、単なる勘違いにしか過ぎないのだけれど…。釣りたてなら必ず美味しいのなら、海に近い船宿の方が、都会の割烹より必ず美味しいということになる。そうならないのが料理の面白いところである。

せっかく大物を釣っても、上手な持ち帰り方、締め方を知らなくてはいけない。でないと釣り人の特権は享受できない。が、釣りは時合いとの戦いだから、ごそごそ処理などしていたら、大事な大事な短い時合いが過ぎてしまう。そこをもたもたせず、しかも漁師顔負けの下処理をして、魚をクーラーにポイポイ放り込めるようになったら、もうかなりの経験を積んだ、しかも味にこだわる釣り人といえるはずだ。

この後、管理人の「釣り人の特権〜報われるときもある」を書く予定だったが、昨晩から風邪を引いて、さっきから熱が出てきた。(>。<)ゴホッゴホッ…

上のコメントを書いてから3日も寝込んでしまった。パソコンが2台続けて壊れるというアクシデントに加え、たまった仕事をこなす、DOSパラに走ってPCを買ってきて夜鍋でセッティングする。換装して追加したバックアップ用HDがまたまた壊れ、システムを再インストールする(ソフトも、データも・・・)などのハードワークがたたったらしい。あぁ年は喰いたくないなぁ〜〜(T_T)

さて、釣り人の特権の続きである。釣り人の特権といえば、茫洋とした海と遊ぶなどと云うたわごとは、まぁ置いておいて、やはり四季の旬を味わうことに尽きる。以下マエストロ笑魚とグランシェフちゃりこの選んだメニューを上げる(^^)b

冬は寒グレの刺身で決まりじゃ!

波止で釣れるようなこっぱグレはダメである。寒の脂の乗った40cm級を、一度は刺身で喰って欲しい。グレはご存じのように磯魚だから、場所によっては独特の臭みもあるし、引きの強い魚だから筋張った処もあるが、冬場沖から回遊してくるグレは一級品である。間違いなく真鯛を凌駕する。上手いグレを喰えるということは、釣りの腕も一級品ということね(^m^)

穴子の刺身を知らずして…魚を語るべからず

穴子といえば関東なら蒸しアナ、関西なら高砂の焼き穴子だけれど、釣り人なら刺身に挑戦して欲しい。小振りになるが穴子はマアナゴでなければいけない。くねくねした長ものは嫌いなのだけれど、我が家にはおよそ犬猫以外は何でも解体して喰ってしまうちゃりこという恐ろしい料理人がいるので、釣れたら即キープである。穴子は夏の釣りものだけれど、水温が下がりきる前なら冬場でも充分釣れる。やはり夏よりはずっと脂がのって旨い。太刀魚の食感にトロの甘みをくわえたとでもいえばよいのだろうか、絶品である。これぞ釣り人の特権じゃ(^▽^)

フエフキは磯で一番美味しい魚かもしれない

残念ながら大型のフエフキは釣ったことがないので、偉そうなことはいえないが、あるとき小型を数釣りしたときに、塩焼きして喰ったことがある。「う、う、旨い!」思わずちゃりこと目を見交わした。鯛の塩焼きに鯵の旨み成分(アミノ酸)を振りかけたような味だ。フエフキの類は世界的にも高級魚とされているのがよくわかった。親戚のコロダイは淡泊で、フエフキのようなまったりした旨みはない。恐るべしフエフキ。あぁ〜でかいのを釣ってたっぷり喰ってみたい。

ガシラこそ隠れた高級食材

カサゴ、関西で云うところのガシラは、メバルと較べるとずいぶん釣り味に欠ける魚だけれど、喰ってみるとメバルの上をはるかにいく魚である。小さければ味噌汁の具に入れて欲しい。素晴らしいダシが味わえうるし、ぽろりと綺麗な白身がとれてあつあつが楽しめる。中型なら唐揚げがいい。フグを淡泊にしたような旨みがあるし、それなりに弾力があって歯ごたえも楽しめる。紅葉おろしに熱燗がいい。大型なら刺身、数が釣れたら鍋もいい。人相の悪い魚ほど美味しいというのは真理である。

鯖を刺身で食う至福

どんな魚でも(大きい魚ほど)少し(もしくは一晩)寝かせた方が、旨みははるかに増す。肉と同じで熟成が進むからだ。新鮮な釣りたてが旨いなどと云っているのは、魚料理をしらない人間の云うことである。が、小型の青物は別である。特に鯖はとても傷みの速い魚だから「鯖の生き腐れ」などという言葉があるけれど、釣り人が一本釣りで釣った鯖は、市場で売っている鯖とは一味二味違う。良型なら釣りたてをすぐ氷り締めするべし。陽が落ちるまで釣り場にぐずぐずせず、さっさと家に帰り処理をしよう。脂の乗った刺身を食べたら、鯖に対する評価が変わるはずである。刺身が苦手な人なら、キズシがいい。あまり締めすぎないように、早めに酢から上げて欲しい。市場のキズシなど食べられなくなるぞ。鯖は釣りたてを食べよう。

まだまだあるけれど、今回はこれでお仕舞い(^◇^;) そうそう〜釣った魚が美味しい大きな理由として、網で捕らずに一匹ずつ釣っているからと云うことを、釣り人ならばまずは覚えて置いて欲しい。関サバが超高級とされているのは、豊後水道というロケーションというだけでなく、漁師が丁寧に一本釣りをしているからである。網と違って釣りは魚にストレスやダメージを与えないので、旨み成分が破壊されないのだ。それだけに後処理、クーラーの使い方には工夫が欲しい。海釣り道場への質問でも「鮮度保持」という観点からのみの質問が多い。「あたりまえじゃん!」と思われるだろうが、実は「鮮度=旨い」というのは必ずしも正しくはない。鮮度をそれなりにキープするのは当然として、上手い魚が喰いたければ、それよりも下処理と魚の種類と個体に応じた持ち帰り方、冷蔵庫での寝かせ方がものをいう。研究して頂戴、先は長いからね(^^)b

忠告!
ところでフグだけはやめよう〜子供の頃、近所の親父が、自分で釣って喰ったフグに当たって死んでしまった。安全とされているフグだったらしいけれど〜当たるときは当たるらしい。いくら美味くても命をかけてまで喰うほどのものではないと思う。といいつつ…フグは白子に限る!嗚呼〜〜