笑魚のB級コラム

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釣りの天分

今日は片づけ物が進んで少し手が空いたし、我が阪神軍団が宿敵読売巨人を18年ぶりに(情け無い・・・)に勝ち越すということをやってくれたので、久しぶりにコラムを更新することにした(^^;)

どんな遊びや仕事にも、才能が必要だ。もっとも釣りを楽しむのに才能は必要ないが、それでもないよりあったほうがより楽しめる。長い間人間をやってきて、つくづく感じるのは「人間、何事も天分が必要やな〜」ということである。1%の才能と99%の努力などという言葉は、はっきり云って凡才を慰めるための言葉に過ぎない。大体、来る日も来る日も人の倍も努力できる、継続できるというのは、もうそのこと自体が凄い才能、天分なのだ。凡人ならばすぐにさじを投げる(笑)

色々人を見てきたけれど「うわぁ真似ができんな〜」と思ったことは、何回もある。逆立ちしても叶わない!と思わせるのが、天分というものだろう。僕の身近な例で云えば、例えばちゃりこの耳である。異常に聴力が発達しているのである。それもソナーのように感度がいいというのではない。誰の声かを聞き分けるのである。アナウンサー、声優、それに加えて外国人俳優、歌手の声も聞き分ける。当てる確率は大体99%以上、凄いといわざるをえない。唄は下手、英語は全くダメなのだから、決して音感や語学能力があるわけではない。本人に云わせると「なんか昔から自然とわかるんよ」と云うことだから、DNAの力、天分というものだろう(-_-;)

釣りは総合的な技術を要求される遊びだから、色々な天分が求められる。これも、ちゃりこの例で云うと、彼女は触感能力が非常に高い。つまり手先に来る微妙な振動をキャッチするセンサー能力に優れるのだ。まずまず器用な方だと自負している僕が不器用に見える程、ちゃりこは手先が器用である。ミクロの世界を遊べる感性を持っている希有な才能の持ち主だ。だからミャク釣りが得意である。渋いアタリしか出ないような日に並んで探り釣りをすると、かなり釣果に差をつけられてしまう。もっともポイントを予め教えるのは僕の仕事だが、アタリをとる、見切るという点で一枚上手である。道具の選び方もシビアである。磯竿などを選ぶセンスは全く持っていないけれど、探り竿を選ぶ目は真剣である。竿を伸ばす。構える。少し穂先を振る。

「あぁ〜爺、これはなまくらであかんわ」
「ははぁ〜お姫様、次の竿を持って参りまする」
「これはいかがでございましょうか?」
「 そやなぁ〜もちっと胴に張りがあるほうがええなぁ、オモリをかけるとアカン竿や」
「・・・では、これはいかが?」
「 まずまずやな、しかし値段が可愛くないのう、爺値切って参れ!」
「・・・・・・・・」

僕の場合はどうだろうか。情報収集能力という点では、もはや時代遅れだし、手先の器用さという点では、ぼくなぞ足元にも及ばない職人はだしの素晴らしい技能をもつ釣り師はいくらでもいる。ほれぼれするほど遠投する名人も多いし、魚とのやり取りが「上手い!」と云わせる達人も多く目にしてきた。魚がどこに潜むか、いつ喰うか、どのタナか、潮読みという分析能力では、まずまずかなと思うけれども、これはそこそこ釣り込んだ釣り師なら誰でも持っている技能だ。

自分にもし天分というものがあるのならば、目だと思う。動体視認能力が高いわけでもないし、近眼老眼乱視と3拍子揃っているひどい目だけれど、小さな挙動を読む目には自信がある。エサ取りが多い時期の釣りは、ウキや道糸の挙動を見極めて、餌のあるなし、前当り本あたり、外道本命を読み切らないと釣りにならない。喰いの渋い日は丁寧な釣りをしなければいけない。底潮の変化に対応して、G6ガン玉を追加したり外したりするタイミングはウキが教えてくれるが、そのためにはちゃんと観察していなければならない。海面以下をスキャナーする目も必要だ。微妙な影の変化を見てポイントを設定するからだ。ちゃりこには残念ながら、この才能は全くない。素晴らしいほど欠落している。並んでウキ釣りをすると、100倍以上釣果の差が出るときがあるぐらいだ(^m^)

「アタリがでとるぞ」
「・・・・」
「餌がないぞ」
「・・・・」
「わからんか?」
「・・・・」

僕も色々な釣りに手を出したけれど、結局はビジュアルなセンスが要求されるウキ釣りが一番好きだし、得意でもある。いくら知識や理論を究めても、体が反応しなければ釣果は上げられない。ウキ釣りは目の善し悪しがものをいう釣りだから、性に合っているのだ。

どんな人にも、それぞれ天分がある。これから釣りに親しんでいく人には、一度自分の天分というものを考えてみて欲しい。自分が得意なことを伸ばすことが、結局は一番面白し上達するのも早い。例えば釣りをシンプルにルーチン化するようなことも、一種の才能である。そうすることで釣果の向上が、大いに期待できる釣りもある。普段大きな職場で働いていると、自分の取り柄というものが埋没しがちだけれど、趣味なら思う存分追求できる。ぜひ自分の得意な感性や天分を、釣りというプロセスの場で発見して欲しい。