笑魚のB級コラム

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友蔵、心の素材

海釣り道場を作るに当たって、魚や釣り道具など、たくさんのカットを用意した。作っているとだんだん貯まってくる。釣りのホームページ用の素材は少ないから、釣りサイトを作る人のために使ってもらったらいいだろうと思って、貯まった素材を集めて公開したのが「海の素材集」だ。当初は道場の中のコンテンツだったが、だんだん素材の数が増えてきたものだから、現在では独立させている。継続は力なりと云う。ぼちぼち描きためていたら、何と軽く千点を超える結構な数になった。

魚素材、それも釣魚の素材は少ないのか、毎日たくさんの人が訪れてくれている。マイナーな専門素材系としては、まぁまぁ成功した方かもしれない。ボランティアでやっているのだけれど、あっちこっちの釣りやアウトドアのサイトで、自分の作った作品に出会うと、ちょっぴり嬉しくなったりする。もっともルール違反で閉口するときもあるが、大方は誠意ある使い方をしてくれている。読者からの反応という点では、道場よりも素材集の方が、レスポンスがいい。励ましの書き込みや、お礼のお便りを毎日のようにいただくので、つい更新しなければ…とプレッシャーがかかってしまう。

年明け早々、四国のある小学校の教諭からお便りをいただいた。読むと、漁業が生業の小さな島で教鞭を執られている先生らしい。「子供達に情報教育の一環として、ホームページを作っている。ついては魚の素材を使わせていただいてよいか」といった内容だった。もちろん否応はないので、どうぞどうぞという返事をした。ホームページを見たら、自分たちの海の生き物図鑑だった。目次に「海の素材集」のイラストを使っていたが、イラストの種類が足りなくて、所々穴が開いている。海の素材集は釣魚が主体だから、伊勢海老やウチワ海老、貝類のような図鑑向きのものは元々作っていないのだ。

せっかく使って貰うのだから、子供達に喜んでもらおうと、足らずの生き物イラストを作ることにした。釣り人に人気のないイラやネンブツダイ、カメノテやナガレコなど、訳の分からないものまであるので、結構大変だった。完成して先生に連絡を入れると子供達が大変喜んでくれたという。ちびまるこの爺さん友蔵の心境である。「友蔵、心の素材・・・・・・」

この出来事を忘れかけていたら、今日再び島の先生からメールをいただいた。読むとびっくりである。なんと!子供達のホームページが、ある財団主催のコンテストで農林水産大臣賞を受賞したのだ。応募総数725点の中から選ばれたのだから、大したものである。コンテストのテーマは“身のまわりの「生活地図」をつくって発信しよう”だ。もちろん子供達が作るものだから技術的には稚拙だが、ふるさとを思う心、身近な生活を観察する眼は、大人よりむしろ新鮮で、今回の受賞もそこら辺が評価されたのだろう。もとより、ここまで子供達を導いた先生の労苦への褒美でもある。

子供達の生き物図鑑は脚で取材した産物だ。小さな島の漁協のおじさんや、網を干した浜辺を訪ねて、コツコツ作り上げたホームページだ。もちろん受賞したことは、誇らしくもいい想い出になると思うが、自分の視点でものを作る、書くという楽しさを、いつまでも覚えていて欲しいと思う。

情報発信などというと、すぐに役立つもの、経済的に価値のあるもの、人が知りたがるジャストナウなものというイメージがつきまとうが、あくまでもそれはマス媒体の定義であって、我々小市民は、もっと自分勝手に情報発信をしたらいいとおもう。自分が伝えたいこと、知って欲しいこと、分かり合いたい想いを共有するには、ホームページが一番だ。今回は陰ながら、かれらのお手伝いができて幸いだったし、今後も皆さんの情報発信のお手伝いができれば「海の素材集」を更新し続ける意義があろうというもの。おせっかいかもしれないが、がんがん応援するぞ(笑)