沿岸掃除隊

沿岸掃除隊

かけがえのない海だから

仙台の読者の方からお便りを戴きました。内容は私たち釣人にとって避けられない重要な問題です。今夜はこのお便りをテーマに、少し環境問題を考えてみましょう。お便りを以下に掲載します。以下原文のまま…

「最近さびき釣りに目覚めて、魚が釣れるようになって楽しくなりました。 ところで笑魚さん聞いて下さい 。 今日仕事が早く終わったので、妻と釣りに出かけました。釣りをしていたら50半ば位の男性が私に声をかけてきました。「どう!釣れてる?」と聞くので、私は「今来たばかりなので分からないですね」と答えていろんな話をしているうちに、「ところでさー、俺は海の中の清掃の仕事をしているんだけどさー、最近いやになっちゃうよー。だってさー誰が捨てるのか分かんないけど、海の中に何が入っていると思う?車のタイヤとか色んな物を捨てるんだぜ!ゴミ捨て場じゃないんだって言いたいよ!それも夜来て捨てるんだろうからなー。俺たちゃ仕事だからやってるけど、人に言えない物まで捨てやがるんだからさー」と私に言うのです。

モラルがない人
私はこの日、釣りに夢中だったので知りませんでしたが、帰るときに妻に聞いた話です。この日1台の四輪駆動車に乗った人が車から降りてきて、私達や他の釣りに来た人たちを見て回り、その後車に乗り込んだまでは良かったのですが、その後車の中を掃除でもしていたのか?次々にゴミを車の外に投げ始めたのです。それも大きなゴミ箱が目の前にあったんですからねー。買い物してきた時の袋からたばこの吸い殻、ちり紙からその他色々捨てていました。今日はけっこう風も強く吹いていたので、他の釣りをしている人の側までそのゴミが飛んで行きました。妻はその人に対して苦情を言おうと思ったそうですが、この人に言っても無理だろうなーと思ってやめたそうです。それに今色んな事件が多発しているので、万一を考えて諦めたとも言っていました。とても残念な事ですね。

こちらだけではないと思いますが、釣り場にゴミがとても多いのにびっくりしました。もし自分の敷地内にゴミを捨てられたら、血相をかえて怒ると思います。それから海に死骸が浮かんでいました。それは鳥が釣り糸に絡まれていた姿でした。可愛そうです。皆さん絶対にゴミは持ち帰りましょう。きちんとしている方はこれからも宜しくお願いします。針が付いた釣り糸がとても多いです。危険ですよ。  
ぜひ、笑魚さんのホームページに投稿お願いします 」


笑・魚・か・ら・一・言

やりきれないですね…
ふむ〜悲しくて不快なことですが、全国各地現実の姿でしょう(-_-;) 投稿をいただいた方に限らず、この現実を苦々しく思っていらっしゃる釣人は多いと思います。当道場に来ていただく読者の方に、よもやそういう不心得な人はいないと思いますが、一人一人この現実を認識し、消極的ではあっても出来る範囲でこの問題に取り組むことが、釣り場の環境、しいては自然環境を守ることにつながるのではないでしょうか。

いつから日本人はこんなにだらしなくなったのか?
日本は戦後、高度成長期になんと人口の8割近い人間が、田舎から都会へ民族大移動をしました。世界史の中で、かくも短期間に大量の人間が移動した例は稀だそうです。この間に、自然と共生するという田舎の良き伝統風習は失われ、礼節を重んじる社会的な倫理道徳は失われました。戦前の家族制度は崩壊し、躾けられていない人間達が大量発生したのです。私もこの世代の人間です。消費は美徳、使い捨て文化がはびこり、開発の美名の元で環境をどんどん破壊していったことは、皆さんご存じの通りです。最近では、発展著しい中国や東南アジアで、公害を始めとする深刻な環境破壊が問題になっています。歴史は繰り返すようです。

確かに環境問題への取り組みは始まっているが…
さすがに最近では「このままではいけない!」と住民も行政もマスコミも気が付き始めました。問題が生活に身近になってきて、もはや人ごとではないからです。公害、汚染物質、環境ホルモン、ハウスシック、ゴミ問題、リサイクル、自然保護など、山ほどの難問に対して行政もそれなりに手を打ってはいますが、なにぶん予算不足や縦割り行政、地域の意識格差などで、必ずしも足並みが揃っているわけではありません。地方行政はお上の下達か住民の突き上げがないと、なかなか動きませんからね〜。なにより私たちの問題意識が一番大事です。

釣り場でも問題は続出…
最近の「安・近・短」釣りブームで、どこの釣り場でも山積みのゴミが大問題になっています。加えて情報化でどこそこで○○が釣れる!となると人が押し寄せます。私が家内と昔よく行っていた若狭のある漁港などは、近年のアオリイカブームでいまや休日は人だらけ、車だらけになりました。さすがにここの漁業組合も腹に据えかねたのか、最近は清掃協力金と称して駐車料金を取るようになりました。また私の年下の友人は昔からのバス釣りファンですが、最近はあまり釣行しないそうです。あまりにも釣り場が汚くなったというのも大きな原因だそうです。重なるゴミ放置でついに釣人立入禁止という河川や漁港も出てきています。池は流れがなく、時化でゴミが流されないため、まさにゴミ捨て場になります。モラルがないため自分達の首を絞めていると同時に、罪のない良心的な釣人もあおりを喰います。

以前はどうだったのか?
私は神戸港のお膝元で育ちました。いまは埋め立て地になって見る影もありませんが、その昔の御影の浜には漁船が何隻も浜に上げられ、魚網が干してあったり、ちりめんじゃこの加工場があったりしたものです。海岸では澄んだ水を通してカレイの姿を見ることもできました。しかし高度成長が始まった頃から、海は汚れ始めました。重油がいつも海面に浮かび、海水浴場で泳ぐと体が油臭くなることもあるぐらいでした。川にはどんどんゴミが投げ捨てられ、河口にはありとあらゆる生ゴミが浮かんでいたものです。海底にはヘドロが堆積し、港で釣った魚などとても食べられる代物ではありませんでした。最悪の海だったといえるでしょう。

少しはましになったが…
いまは規制がとても厳しくなり、以前のように油が浮いていると云ったことは滅多になくなりました。船からのゴミ捨てや、河川へのゴミ捨ても法で禁止されていますから、大量のゴミが浮かんでいるという風景も少なくなりました。下水がほぼ整備され、海の底の状態もだいぶん回復してきたようです。新鮮な魚も充分食べられるようになってきています。それだけに釣人のゴミが目立つのです!餌のパック、ビニール袋、弁当箱、空きカン、空き袋、仕掛、コマセ、フグ、ヒトデなどなど、なんでもありです。

残念ながら言葉では通じぬ
モラルを持ち、生き物に優しい釣人の方は多いと思います。しかし悪貨は良貨を駆逐するということわざ通り、一部の不心得者が釣人の地位を貶めています。残念ながら口で言って分かる輩ではありません。やはり世論と法の整備がものをいいます。私の若い頃はたばこのポイ捨ては当たり前で、私自身ヘビースモーカーですから気にしたこともありませんでした。しかし世の風潮は変わり、いまではそういうことが出来なくなっています。仕方ありませんから、私も携帯吸い殻入れを持って歩きますし、禁煙の所では辛抱します。それでいいのです〜我慢しましょ。

あぁ恥ずかしい
TVで時々、子供達が授業で河川敷をワイワイ掃除して回る光景を見ることがあります。頼もしい反面、情けない光景です。またボランティアで磯や波止の海底を掃除してくれるダイバー達の活動を捉えた映像を見ることもあります。そのほとんどが釣人のゴミです。彼ら達には本当に頭が下がります。もっと報われてしかるべきだと思います。また神戸のT漁港を根城とする釣りクラブは、月1回波止を掃除して回っているそうです。釣人のゴミが多く、漁協がいつ釣人を閉め出すか分からないからです。いくら自分たちの釣り場といえ、人のゴミを拾って回るのには感心します。なかなか出来ないことです。

笑・魚・か・ら・の・提・言

私自身、社会奉仕をするような人間ではありませんので、偉そうなことは言えませんが、かくあればという考えは持っています。もしご賛同頂けるようでしたら、心に留めておいて下さい…

受益者負担という考えを持て
これからはこの考え方が必要です。釣り場がタダだという考えなど、いますぐ捨てなくてはいけません。釣りをして利益を得るのは、メーカーや餌屋、釣人です。それ以外の人間にとっては迷惑以外の何物でもありません。環境を美化するあるいは保全するのに必要なコストは、私たちが負担するのが当たり前なのです。

釣り関連企業は環境に優しくなれ
水中で自然分解する糸を発売され一時話題を呼びましたが、残念ながら売れなかったようです。しかしビニール袋や餌パックなどを、海中で分解するものに置き換えることは可能でしょう。コストアップなど知れたもののはず、考えて下さい。

法を整備して欲しい
シートベルト法が施行されてから、いっぺんに着用率はアップしました。モラルを説いても無駄なこと、釣人のゴミ捨てゴミ放置も軽犯罪並に取り締まって下さい。ちゃんとしてきた人には、さして痛くもかゆくもないはずです。

人のゴミでも持って帰ってやろう
ご丁寧にゴミ袋に入れ空き缶を並べてから、帰る釣り人が多いようです。おなじ放置するのでも、さすがに散らかり放しでは気が引けるのですかね。不愉快ですが、多少の量なら太っ腹に持って帰ってやりましょう。どっちみちまた来る釣り場ですし、子供達はそういう行為を見て大人になります。いい手本ではありませんか。

糸は絶対捨てるな
KUDOUさんの文中にあるように、釣り糸で死ぬ水鳥は毎年数知れません。鈎の付いた仕掛や不要な道糸を決して放置してはいけません。また釣り場には猫が住み着いています。鈎の付いたままの小魚を捨てて帰ると、猫が犠牲になります。野良猫とはいえ哀れではありませんか。またナイロンは分解しませんから、釣り場も荒れます。不要な仕掛の鈎は必ず糸から切り外し、糸は手に小さく巻いてから、まとめてはさみで切ってやるとバラバラになり、ゴミ袋に入れやすくなります。こうしておくと万一風に飛ばされるようなことがあっても、鳥の足に絡むようなことはありません。ぜひ習慣にして下さい。

下手に意見はするな
KUDOUさんの奥さんではないですが、人に意見したくなるときもあると思います。しかし長い人生経験から、元来モラルのない人間に何を云っても馬耳東風ということは身に沁みています。そういう自分勝手な相手と口論になりトラブルに巻き込まれるケースは多々あります。ぐっと我慢をしましょう。

港湾にはゴミ箱の設置を…
そこらに平気でゴミを捨てて帰る釣人も、ゴミ箱があるとさすがにそこまでは持っていくようです。ゴミがまとまり回収しやすく、景観が多少保たれるだけでも、まだましかと思います。見勝手なお願いですが、関係者の方はぜひご検討下さい